スタジオ便り

スタジオから日々のあれこれお届けします

具体的な言葉で関わってみよう

喋れるようになった、口が達者になったと言えど未就学児。

まだまだ大人程には言葉でのコミュニケーションは上手ではありません。


どんな伝え方をしていけば、少しでも伝わりやすくなるのか。

今回はその一例である「具体的な言葉」をテーマに書いていきます。


指示や質問をちゃんと理解しているようなしていないような....なんだか不安だなあ。

そう思われる親御さんに何かヒントになればと思います。


ずっとこの話し方をするわけではなく、ちょっと「ん?」と思うなら一時的に段階を下げてみるのも良いですよというくらいの感じで受け取ってもらえればと思います。


好き?

「好きな遊びは何?」と問いかけると「わからない」と答える子、もしくは顔が「?」になっていて質問を上手く理解・処理できていない子がいます。

「好き」という意味が分かっていない場合もありますし、

「好き」の意味が分かっていても好きな遊びが無いから「わからない」と言っているのかもしれません。


後者の場合は今回は一旦置いておきます。

前者の場合、「好き」とか「嫌い」が分かってくるのは3歳ころからなので、まだ年齢的に幼い場合は気長に待ってあげても良いと思います。

実年齢は3歳以上でも発達の年齢が3歳未満の場合もありますので、その場合も急かさず気長に関わっていきます。

とは言え、「〇〇が好き?」「〇〇好きだね」など、「好き」の意味が理解できるように沢山話しかけてあげることは必要です。



遊び?

「好きな遊びは何?」と言う質問で、もう1つ難しいところが「遊び」です。

遊びには膨大な数があります。

おいかけっこ?縄跳び?粘土?すべり台?おままごと?などなど。


「好きな遊び」を答えるには

そういった無限にある活動のことを「遊び」というひとくくりの抽象的な概念として理解する必要があります。


「食べ物」もそうです。

「色」もそうですね。

「人」もそうです。


食べ物が分かりやすいですね。

具体的な「おにぎり」「カレーライス」「ラーメン」などは存在していますが、「食べ物」という「食べ物」は抽象的で存在していません。


まだこれがはっきりとしていない子にとっては、ある意味答えの自由度が高すぎる質問は難しいようです。


具体的に選択肢を示してみる

以上のことを踏まえまして、質問の仕方を変えてみます。

「好きな遊びは何?」

「すべり台が好き?」

「粘土が好き?」


といった感じで、具体的に聞いてあげます。


これは他のシーンでも使えます。

何か嫌なことがあって泣いている。

でも自分では何が苦しいか分からない。


「何が嫌だった?」と聞いても本人はピンと来ていない。



「〇〇が痛い?」

「〇〇されたのが嫌だった?」

「〇〇に行くのが嫌?」


考えられる選択肢を提示していってあげると答えやすくなります。



お片付けが苦手?

お片付けが苦手で、お子さんが部屋をすぐに散らかしてしまうというお悩みはありませんか?

 

楽しく遊んでいるうちにごちゃごちゃになってしまった部屋を見て、せっかくさっき片付けたのに・・・とため息をつきたくなること、ありますよね。

とはいえ、片付けや整理整頓は大人でも苦手なもの・・・。

 

今回は少しでも上手にお片付けが出来る工夫を紹介していきたいと思います。

 

そもそも、どうして片付けが苦手なの?

それは、「わすれっぽい」特性があることが原因の一つとして考えられます。

活動そのものに気を取られて、出したものを片付けることを忘れてしまう・・・

出したものを片付けようとおもっても、どこから出したのかを忘れてしまう・・・

 

部屋が散らかるとどうなる?

散らかっている部屋では・・・

 

・気が散りやすくなる

・物が無くなりやすくなる

 

その結果として

 

・遊びや作業に集中しにくい

・パニックに繋がる

 

あらかじめ環境を整えておくことでそういった事態を防げる可能性があります。

 

部屋が散らかる前に

一番大切なのは、『散らかる前に片付ける』ということです。部屋が足の踏み場もないほど散らかってしまったあとだと、私たち大人でも片付けをするのが億劫になりますよね・・・

 

まずは一緒に片付けを行っていきます。

大人の手助けがある中で片付けの経験を積み、慣れてきたら徐々に大人の援助の手を減らしていきます。

あせらず、子どものペースに合わせてゆっくりと取り組んでいきましょう。

初めのころは定期的に声掛けをおこなっていくのがポイントです。

また、お片付けのやり取りの中で、子どもさんが「手伝って」と言えた際には、上手に言えた事をたくさん褒めてあげて下さい。

 

視覚情報を取り入れてみる!

お子さんの中には、出したものがどこにあったのかわからず片付けられないという場合があります。

それを解消して片付けをするための工夫として、

 

  • 物の置き場所を決める
  • 決めた場所に絵や写真・文字などでマークを付ける

 

などが有効だと考えられます。

 

スパーク西京極でも、療育道具の整理整頓のために引き出しの一つ一つに写真を貼っています!



スタッフの間でも、 

「なにがどこにあるのかすぐわかって探す時間の短縮になる」

「自分が出したものでなくてもすぐに片付けられる」

と効果が実感できています。

 

そして何よりも、できたことをたくさん褒めてあげることが重要です。

 

「部屋がきれいになってきもちいいね」

 

「きちんとお片付けまで出来てえらかったね!」

 

と声をかけてたくさんほめてあげてください。

遊びに必要な物を自分で作る大切さ

遊びには物がいらないこともあれば、物が必要あるいは役立つこともあります。


例えば鬼ごっこは相手さえいれば成立するので、道具は不要です。


おままごとはどうでしょうか。

物が無くてもできるかもしれませんが、食器や食べ物のおもちゃがあるとリアリティが生まれて大変役立ちます。


これは先日ブログ担当もお子さんと遊んだのですが、

「紙飛行機とばし」

紙飛行機という物が必要になります。


こういった遊びに必要なものをあらかじめ準備しておくことも良いですが、

時には子ども自身で作ってみること(大人は手伝う)も発達にとって貴重な経験になります。


見通しを立てる経験

物をつくることそのものの楽しみを味わうことも、もちろん良いことです。

それに加えて

「作ったものを遊びに取り入れること」「作ったもので遊ぶこと」も良い経験になります。


その理由は「見通しを立てる力」が養われるからです。

「こうすればああなる」という見通しを立てる力は勝手についていくものではありません。

子どもの発達には経験が必須です。


「作ったもので遊ぶ」という経験を積む事で、「作ること」と「遊ぶこと」が繋がってきます。

楽しく遊ぶには何を作れば良いかという見通しを立てることができるようになっていきます。


試行錯誤する経験

「どうすればもっと良くなるだろう」と子どもなりに試行錯誤することも、作ったもので遊ぶことで経験することができます。


見通しを立てる力、試行錯誤して取り組む力は大人としても是非子どもに身に着けてもらいたい力ですよね。

子どもは遊びを通じて発達します。

たかだか遊び、されど遊び。

ここで培った見通しを立てる力や試行錯誤する力が将来に繋がってきます。


だからといって強制することや、何でも作らせるなどの厳しすぎることをする必要はありません。

あくまでも楽しいと思える範囲で取り組みます。


スパーク西京極でも、「自分で作りたい」と言うお子様がいらっしゃいます。

状況によりますが、自分で作ってもらったおもちゃで遊ぶこともあります。










お父さんだからこそできる子どもとの関わり方

多くの場合、子育ての初期の主役はどうしても母親になりがちと言われます。

(夫が協力しないのは、、、などがテーマのお話しでないので、今回はご容赦ください)

女性にしか妊娠、出産、授乳などができないため、子育ての初期に母親は子どもとの一体感が得やすいと言われています。


そんな中、「お父さん」という立場で遊びの中でどのように関わっていくかというのが今回のテーマです。


実は「お父さん」だからこそできる関わり方があるそうですよ。


関わり方は無数にありますが、これもまた1つの方法として参考にしていただければなと思います。

男性と女性の語りかけの違い

子どもと遊んだりする時に、知らず知らずのうちに声が高くなっていませんか?

これは自然なことで、男女に共通する現象です。

女性の場合は母親語と言われ、男性の場合は育児語とも呼ばれます。


声が普段より高くなることは共通しているのですが、普段から男性の方が声が低い場合がほとんどなので、

女性ほど高い声は出ないと言われています。

ところが、男性の方が女性よりも語り掛けの抑揚が大きいということが知られています。


ここまでまとめると

1.女性の方が男性より高い声になる

2.男性は女性ほど声は高くならないが、抑揚が女性より大きい


子どもの反応は?

では、その語り掛けで子どもの反応はどうなるのでしょうか。

今回のテーマは「お父さん」なので、お父さんはその抑揚をどう活かせば良いのでしょうか。

一緒に考えていこうと思います。


研究では、乳幼児に対してお化けや怪獣の絵本の読み聞かせを行いました。

条件は4つ。

1男性が母親語を使って読む

2男性が母親語を使わないで読む

3女性が母親語を使って読む

4女性が母親語を使わないで読む


すると男性が母親語を使って読んだ時に最も子どもが注視し、感情表出が大きかったそうです。


しかしながら、動物の絵本など楽しい優しい世界を表現する絵本ではこれが逆転するようです。

女性が読んだ方が子どもを引きつけます。


ここから分かる「お父さん」の関わり方のヒントは


「抑揚を活かせる内容で遊ぶこと」です。


・少し怖い、ハラハラドキドキする内容や教訓になるような内容の絵本はお父さんが読んでみる

・お化けごっこなどで遊ぶ

・男の子であれば怪獣とヒーローなどで遊ぶ

・かくれんぼの鬼などにお父さんがなって、ちょっとドキドキする雰囲気を出してみる


どうしてこの男女差があるの?

生きている以上、危険は付きまといます。

女性の高い声は、緊急を知らせて即効性があります。

一方、男性の低い声は子どもに対しても威厳を感じさせるようです。

よく言って聞かせる為には男性の声の方が効果があるようです。


「危ない!!」とその場で言うのは女性の方が効果的な傾向があり、

「もう危ないことはだめだよ」と落ち着いて後で言い聞かせるには男性の方が効果的な傾向があるそうです。

これは人類の長い歴史の中で獲得してきたものなのでしょうね。


こういった声の男女差を、叱ることばかりに使うのではなく

遊びの中でも使っていくことができるわけですね。


スパーク西京極はほとんど女性スタッフですが男性のスタッフも在籍しています。

語り掛けや声の違いに注目して療育を見ていただくことでも、何かヒントになるかもしれません。


<この記事の参考文献>

・「よくわかる発達心理学」 無藤隆ほか ミネルヴァ書房 2017

1人1人に合わせた療育環境づくり

スパーク西京極における療育環境の調整やメリットについてご紹介したいと思います。


スパーク西京極では、大きな部屋が一つと小さな部屋が一つあります。

同時に利用していただけるのは、最大3名のお子様です。

3名同時の場合は、大きな部屋を中央で区切って2名で空間を共有して遊んでいます。

残りの1名は小さな部屋で遊びます。


空間を共有することによるメリット

小さい部屋と大きい部屋の扉は閉め切ってしますが、

大きい部屋ではお子様2人が空間を共有することになります。

中央で区切っていますので、交わることは無いのですが

様子が見えたり、声が聞こえたりします。


こういった他の子が見える環境というのは、子どもにとってメリットがあります。


その1つがイメージをつかむきっかけになるということです。

遊びは型にはまったものではなく、イメージが膨らんで展開していくものです。

ところが、そのイメージがまだ未熟な子もいらっしゃいます。


そんな時に、他の子どもが遊んでいる姿というのがイメージをつかむきっかけになります。

実際、「ぼくもあれがしたい」といった言葉を聞いたり、真似て遊び始めたり、ジーっと食い入るように眺めていたりします。


集中しにくい子には

とは言え、デメリットもあります。

視覚的にも聴覚的にも、隣で遊んでいる子どもからくる刺激で集中できないというお子様もいらっしゃいます。

集中できない以外にも、恥ずかしくて動けなくなることもあります。


その場合は、マットなどで衝立を作り、視覚情報を減らしています。

それだけでもかなり集中力が上がります。

それでも聴覚的な刺激で気が散ってしまう場合は、優先的に小さい部屋で療育を行うようにしています。


必要なことに応じて

他の子が同じ空間にいることで良い刺激をもらって欲しい子、

集中して遊び込むことが必要な子、

他者がいる空間でも遊べる様になって欲しい子

パニックをおこしてしまいやすい子など、


1人1人に応じた環境を可能な限り整えて療育にあたっています。


よくおしゃべりをする?多弁?

今回は、よくおしゃべりをする子について紹介していこうと思います。

「うちの子はよくしゃべるけれど大丈夫かなあ」という親御さんもいらっしゃると思いますので、

多弁というテーマで何かしら良い情報提供が出来ればと思います。


多弁とは

一般的な人と比べてしゃべりすぎなくらい「よくしゃべる」という人のことを多弁と言ったりします。

とにかく言葉が多く、こちらが入る隙もないくらいのマシンガントークが出ることもあります。

年齢を問わず多弁な人はいて、そもそもの気質であったり、何かしらの精神的な理由があったりと、その理由は様々だそうです。


ADHD?

多弁はADHDの特徴の1つとされています。

とは言え、多弁だけでADHDを疑ってしまって良いわけではないそうです。


なのでADHDについて改めて少しだけ触れておきたいと思います。

ADHDはAttention-deficit hyperactivity disorderの略です。

意外と略語を知らない方も多いかと。

Attention-deficit(注意欠陥)

Hyperactivity(多動)

disorder(不調、変調という意味合いが強い 一般的に想像される「障害」という意味合いではない)

この「多動」が体だけでなく「お口」の多動にも当てはまるとして「多弁」が兆候の1つとして言われます。


4歳前後に訪れる多弁の時期

とは言え「多弁=ADHD」と決めつけることはできません。

というのも子ども達は4歳頃に「多弁」になる時期が訪れるからです。


子どもたちは生まれた瞬間に話ができるようになるわけでなく、

「うー」とか「あうあう」と言った喃語から始まって、

それが徐々に「ママ」「ブーブー」などの意味のある言葉が出始めて、

2語、3語と話すようになり、

多語文になり、

徐々に言葉が完成していきます。


そして4歳ごろ(個人差がありますので、発達の段階が4歳頃と捉えてください)になると、一応ではありますが、話し言葉が完成する時期になります。

この時期、子どもは話すことへの興味がとっても高まります。


話すことが楽しくて楽しくて、一時的に非常におしゃべりが多くなります。


この時期を「多弁期」と呼ぶこともあります。

ですが、これは一時的なものなので、ある程度満たされれば落ち着きます。


1日の中でゆっくり話を聞いてあげる時間を5分でも10分でも取ってあげることがあっても良いそうです。


ADHD特性による多弁なのか、言葉の完成時期による一時的な多弁なのか

じっくり様子を見てみることが必要になります。

数字やひらがなに遊びを通じて親しむ

数字や平仮名は小学校に入ってから学ぶものなので、無理に未就学の頃から勉強する必要はありません。

それでも、なかなか興味を持ってもらえないと保護者としては不安が残ります。


というわけで、今回は数字や平仮名になかなか興味を持てなかった子たちへの遊びの中での親しみ方を、

スタジオで実際に行ってきた遊びを例にしながら紹介していこうと思います。


また、将来的に数字や平仮名を覚えていく為に効果的な遊びを脳科学的なところと絡めて少し紹介できればと思います。


遊びや普段の生活で

まずは数字や平仮名を好きになってもらうことや興味を持ってもらい、触れる機会をたくさん作ることを大切にしていました。

まず覚えなくても良いので、遊びの中で自然と数字や平仮名を織り交ぜていきました。

そうしているうちに、子ども達の方から「書きたい」「なんて読むの?」という言葉が増えてきました。



からだすごろく

「からだすごろく」と言うとなんだかすごい感じがしますが、ルールや方法は普通のすごろくと同じです。

ただ、マス目をマットや台や段差、細く丸めたタオルなどにして、駒を自分自身にするというものです。

さいころでも良いですし、1~10までを書いた数字カードでもOKです。

スパーク西京極では、段ボールとカラーテープで作ったカードやさいころを使用しました。


出た目の数だけ自分自身が進むので、数の概念を体感しやすく、足場に変化をつけることで運動としての効果も期待できます。


1つだけ注意点が、、、。

子どもが勝つ様にしないと、心が折れてしまう場合があるので、こっそりと細工をしておく必要があります(苦笑)

なので、数字カードを引いて進む方がやりやすいです(笑)


得点ボード

年長さんくらいになると、「対決したい!」と言う子たちも多いです。

風船バレーボールやサッカー対決など、得点を競い合うゲーム遊びはとっても良い。


ホワイトボードに得点表を作ります。

得点表をつくるとなると、対戦者の名前を書かないといけません。

名前の下に得点を書いていきます。

なんとか書けるようになってほしい「自分の名前」に親しむ機会にもなります。

得点が入る度に数字も増えていくので、数字とも親しめます。


初めは保護者が書いてあげて良いです。

興味を持ち始めると、「自分で書きたい」と言うようになります。


この遊びでも注意が必要。

大人が勝つのはたまにでいいです(笑)


先生ロボット

おんぶでも肩車でもOKです。

大人と子どもでとりあえず合体してロボットになります。

このロボットは、さいころの目や数字カードで出た数だけ歩きます。


もしくは、出た数字だけスピードがアップしたりダウンしたりします。

(10はとっても速くて、1はゆっくり など)


ロボットに名前を付けて、体に貼りつけても良いですね。

ひらがなに親しむ機会になります。


平仮名(数)かいじゅう

この遊びはある程度ひらがなを覚えてきた子で行いました。

平仮名かいじゅうは、ひらがなの書かれた紙を全身に貼りつけた怪獣です。

この怪獣をやっつけるには、怪獣が言った平仮名を取る必要があります。

平仮名が全部取れると怪獣は降参します。


海馬をたくさん使おう

将来的にひらがなや数字を覚えていくために、メインとなる領域は海馬と呼ばれています。

海馬は文字や運動など、あらゆるものを「憶える」ために必要な領域です。


文字そのものに触れる機会だけでなく、海馬を刺激するような遊びで土台となる力を養ってあげることも発達に効果があります。


海馬をよく使う遊びとして、神経衰弱などが有名です。

神経衰弱は無理にトランプでなくてもよくて、好きなイラストなどでも代用できます。

「覚える」という作業を使う遊びが効果的です。

最近では知育玩具も充実しているので、いろいろ調べてみるのも面白いかもしれません。


「楽しい」を第一に強制はしない

とにかく楽しいを第一に考えて、強制をすることはしません。

強制をしてしまうと、ひらがなや数字そのものが嫌いになってしまいます。

まずは興味を持ってもらうことを大切に、今回紹介したような遊びをスパーク西京極でも子ども達の気持ちに寄り添いながらおこなってきました。


こどもたちのごっこ遊び④:一緒に遊ぶ人数が年齢とともに少しずつ増えていく

ごっこ遊びを自分以外の他者と楽しむためには、「イメージを共有すること」が必要になります。


おままごとをするなら、家族のイメージ、仮面ライダーごっこなら、仮面ライダーのイメージがある程度共有されていないと成立しません。


1~2歳の頃に始まる初期のごっこ遊び(過去のブログを参照)では、そのイメージの共有がまだまだ上手くいかないので、お互いにかみ合っているのかいないのか、なんとも言えない感じになることもよくあります。


大人や年長の子が間に入って、イメージを繋ぐ役割をしてくれると、子ども同士で比較的スムーズにイメージの共有が可能になります。


他者とイメージを共有する

もう少し発達が進んでくると、他者とイメージを共有できるようになってきます。

そうすると、大人やお友達とまずは1対1で遊べるようになります。

おおよそ発達年齢が3歳になるころにはそれが可能で、「ごっこ遊び」が成立しているなあという印象を受けます。


ただし、まだまだ遊ぶ対象は主に1対1です。

目の前の大人、目の前のお友達とのやり取りがメインで、複数人で集まって集団でごっこ遊びをするのはもう少し先です。

一緒にその場に集まって遊んでいるような雰囲気もありますが、イメージを複数名で共有できていたりできていなかったりします。


この時も大人やごっこ遊びの上手な子がイメージを繋ぐ役割を担うことで、1対2~3人で遊べたりします。


遊ぶ対象が増えてくる

3~4人集まって、イメージを共有しながらごっこ遊びを展開するのは、おおよそ4歳の前半頃から。

この頃には大人が居なくても、子ども同士で共通のイメージを共有して遊び始めます。


ごっこ遊びのイメージ世界での簡単なルールを守るようになったり、必要なものを一緒に作るようになるのもこのころからです。


とは言え、「はじまる」というだけで完全に切り替わるわけではないので、別々の場所で同じような遊びをする「並行遊び」も行います。

少しずつお友達や大人などの他者と一緒イメージを共有する機会が増えていくような印象です。


その中で子ども同士巻き起こる衝突や問題解決、役割、イメージ共有などを通じて、子ども達は生きていくのに必要な力(想像力や思考力、共感性など)を伸ばしていきます。



遊び足りていない子もいる

遊びは子どもの発達に不可欠です。

ところが、様々な理由があって遊び足りていない子たちもいます。

遊び足りていないとは、疲れてエネルギーの限界まで遊ぶという意味ではなく、(それも大事ですが)

発達の段階として必要な遊びを、必要なだけ遊び込めていないというような意味合いです。


時間や空間が昔より減っていることはもちろんのこと、

その子の持つ個性や特性の影響で、他の子と遊ぶ機会が減ってしまうということもあります。


スパーク西京極では、子ども達1人1人の発達に必要な遊びの段階を見極め、大人が積極的にたくさん関わることで十分な遊ぶ機会を創出し、発達を促しています。





こどもたちのごっこ遊び③:身近なものを見立てる想像力

ごっこ遊びは、子ども達の想像力を伸ばすのにとても良い遊びです。

ブログにはごっこ遊びの素晴らしさを複数回に分けて書いています。

前回は、初期のごっこ遊びについてでした。


今回はそれと関連して、ごっこ遊びの中で必ず出てくる「見立てる」という行為について考えていきたいと思います。


遊びに必要なものを「見立てて」用意する

おままごとで遊ぶためには、必要なものを準備しないといけません。

例えばお料理のシーン。

作りたい料理に、そこにある具材のおもちゃだけでは足りないことがあります。


焼きそばを作ろう!

と思ったのはいいけれど、具材のおもちゃはにんじんや玉ねぎしかない。

そこで子ども達はどうするか。

縄跳びを麺に「見立てて」みたり、茶色いブロックをお肉に「見立てて」みたり。


この見立てると言う行動には想像力が必要です。

ごっこ遊びでは「本物」を使いません。

「偽物」もしくは「見立てたもの」を本物のようにイメージして使う必要があります。


そうした経験を積む中で、想像力が伸びていきます。


だからといってリアルなものを全く置かないと言うのは、また良くなくて

2~3歳ころはイメージそのものがはっきりしていないので、上手に見立てたり製作したりすることは難しいようです。

なので、ある程度リアルなもの、わかりやすいものを準備したり、大人が見立ててあげるなどの援助が効果的です。


スパーク西京極に通う子ども達もごっこ遊びが大好きです。

1人1人の段階を見極めながら、ごっこ遊びを行い、子ども達と関わっています。

もちろんごっこ遊び以外も!




こどもたちのごっこ遊び②:普段の生活の再現から始まる

前回のブログからの続きで、しばらくは子ども達のごっこ遊びについて深堀していきます。


ごっこ遊びが始まるのは1歳ころからと言われます。

基礎的なイメージの力が芽生えてくるのが1歳半頃ですから、それと同じか少し後にごっこ遊びが出現するようです。


初期のごっこ遊びは、まだ他者と複雑な関わりがあるという感じではありません。

おままごとなどで想像されるごっこ遊びはもっと後です。

その基礎となる遊びがこの頃から始まります。


模倣遊び・再現遊び

初期のごっこ遊びは「ごっこ遊び」というよりは「模倣遊び」「再現遊び」と言ったほうが正確かもしれません。


日常生活で印象に残っている事柄をイメージし、それを真似する感じで遊びます。

例)

・洗濯ものを干すふりをする→母親が家事をする姿の模倣

・コップに砂を入れて飲むふりをする→ご飯の時の再現


などなど、特に大人の様子をよく見ながら、遊びの中でそれを表現します。

これが初期のごっこ遊びです。

まだまだ「なりきっている」とか「役割」とかそういうのはありません。


お母さんになりきって洗濯ものを干しているのではなく、洗濯物を干すお母さんを真似ているような感じです。

その場に他の子や大人がいても「一緒にしている」という感覚もまだまだ少ないです。


なので、この時期の関わり方としては、役割等を設定してあげるというよりは「反応」を大切にしてあげることが必要です。


大人が内容をくみとってあげる

1歳の子どもが、お皿に砂を入れて食べるふりをしていたとします。

もしくは、大人の私たちにそのお皿を差し出してきたとします。


あくまでもまだまだ再現をしている頃ですから、大人の私たちが「あ、これはご飯だな」とくみとってあげて、

「いただきまーす!」「ぱくぱくぱく」と言って食べるふりをして、再現の世界を充実させてあげます。

まだまだそこから大きく遊びを膨らませることは難しいので、子どもたちは再び繰り返したり、自分も「いただきます」の真似をしたりします。


イメージの共有が始まったり、始まらなかったり

2歳頃になるとかなりイメージの力も発達してきますし、言葉も増えてきます。

ただ、まだまだお友達とイメージをしっかり共有し合うことは難しいので、

噛みあっているような噛み合っていないような感じになります。


積極的にイメージを共有しようとする気持ちが出てくるので他の子を誘ったり、

「〇〇買ってきてー!」みたいな感じで巻き込もうとしてみたりします。

そこで相手の子が乗って来てくれると、遊びが発展していきますが、できたりできなかったりです。


まだまだ各自で遊ぶ並行遊びの時期。

協力して1つの家族をつくると言うより、あっちこっちでお家?お母さん?が林立しているような感じです。

各々が各々の世界観で遊んでいます。

大人の助けがあると、物の貸し借りができて関わりがあったり、イメージを共有できることがあったりします。