スタジオ便り

スタジオから日々のあれこれお届けします

自己中心性と脱中心化

子どもたちが発達していく過程で、自己中心性と脱中心化というキーワードがあります。


①自己中心性

幼児期の子どもに見られる認識は自己中心性の傾向が強いとされています。

自己中心性とは、物事が自分にとってどう見えるかという視点から外界を認識するということです。

常に認識の軸がいつも自分にあります。


幼児期の子どもの多くは、「自分と相手では見ている位置が違うから、見える景色も違う」といった認識はまだ難しいです。

例えば「自分がお気にいりのおもちゃでも、相手にとってはお気に入りじゃないかもしれない」といった認識はまだ難しい。

基本的には相手も自分も「同じ」と認識しています。


この自己中心的な段階は全ての子が通る道であり、何ら不自然なことではありません。

ただし、人間社会は人と人との相互関係で成立している複雑なものです。

ある程度で自己中心的な認識から抜け出し、「脱中心化」することが求められます。


②脱中心化

相手と自分では見えている世界や考え方などが異なると理解し、自己中心的な認識から抜け出すことを脱中心化と言います。

個人差があれど、おおよそ7歳程度で脱中心化が始まると言われています

丁度小学校1年生くらいからです。


この脱中心化を促すのは、人と人とのやり取りを通じた人間関係によるものです。

そして、自己中心性の段階が十分に満たされてから、次のステップとして脱中心化が訪れます。


③関わりの中で発達する

子どもたちは大人や周りの子どもたちとの関わりの中で発達します。

脱中心化もその1つです。

年齢的にも未就学の頃からたくさんの関わりをすることが大切になります。


ところが、発達に特性がある子どもたちは他者との関係を気づくことに困難や不安がありがちです。

そこでスパークでは遊びを通じて、療育士が子どもの楽しい気持ちを引出し、共感し、発達に必要な関わりの場を提供しています。

【脳科学の紹介】発達期のセロトニンが自閉症に関係?

自閉症をはじめとする発達障害に関する研究はまだまだ発展途上です。

それでも日々新しいことが分かりつつあります。


スパーク運動療育西京極スタジオでは、運動や人との関わりを通じて子どもたちの「脳」の発達を促すことを目的としています。


そこで今回は日本の理化学研究所(通称:理研)が2017年に発表した自閉症と脳に関する研究をご紹介します。


研究のテーマは、

【発達期のセロトニンが自閉症に重要-脳内セロトニンを回復させることで症状が改善-】

というものです。


元の研究紹介リンク→https://www.riken.jp/press/2017/20170622_1/


*研究は自閉症モデルのマウスを使ったものであり、人への応用は今後に期待です。

それでも運動を中心としたスパークの取り組みが自閉症児の脳にポジティブな影響を及ぼす可能性を感じるものでした。


①まずセロトニンとは?

セロトニンは脳や神経の働きに必要な、神経伝達物質のひとつです。セロトニン神経は脳のあらゆるところに存在し、神経と脳の発達の重要な物質として知られています。

セロトニンは社会性行動、攻撃性行動や性行動とも関係性が示唆されていて、少なすぎも多すぎも良くないとされています。


セロトニンは食事から摂取したトリプトファン(アミノ酸の一種。アミノ酸が集まるとタンパク質。)から脳内で作られます。

身近な食べ物はお肉、お魚、卵など。


また、お外で遊んで日光を浴びることや、運動をすることで体内でのセロトニン量が増えると言うことが知られています。

睡眠に重要な役割を持つメラトニンの前駆体(セロトニンはメラトニンの前段階)ですから、安定した睡眠習慣にも関係しています。


②自閉症モデルのマウスはセロトニン量が少ない

この研究で、自閉症モデルのマウスは生後間もない時期から脳内セロトニン量が減少していました。

人間の自閉症者でもセロトニン量が減少していることは以前から言われています。


そこで、自閉症モデルマウスのセロトニン量を増やすためにSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)を生後3日から離乳まで投与しました。

その結果、マウスの脳内セロトニン量が増加し、自閉症マウスに特有の症状も改善しました。


③運動はセロトニンを増やし、脳の発達を助ける

この研究ではセロトニンの量を増やすために、SSRIという薬剤が使われました。

しかし、投薬だけがセロトニンを増やす手段ではありません。


運動をすることも一つの手段であり、大きな効果が期待できる方法です。

先ほども述べましたが、セロトニンはしっかりした食事を摂ること、運動をすることで増え、夜にはメラトニンに変化して良質な睡眠をもたらします。

そう考えると子どもたちにしてあげられることは意外と単純かもしれません(それが結構難しいのですが、、、)。


「しっかり食べて、しっかり遊ぶ、そして眠る。」


この良好なサイクルを作っていくことで、セロトニンが増え、自閉症の特性を少しでも緩和していくことにつながるかもしれません。

スパーク運動療育西京極スタジオでは、運動とやりとりを通じて子どもたちの脳の発達を促しています。

上のサイクルの一つ、「しっかり遊ぶ」へのアプローチです。


Exercise is Medicin =適度な運動は薬 という言葉もあるくらい、運動には高い効果が期待されています。

スパークの療育は一見遊んでいるだけに映るかもしれません。

しかし、体を動かして人と関わるというシンプルなことが子どもたちにとって最も重要なことなのかもしれません。

<この記事の参考文献>

・発達期のセロトニンが自閉症に重要-脳内セロトニンを回復させることで症状が改善- 理化学研究所

https://www.riken.jp/press/2017/20170622_1/



子どもは関わり合いの中で発達する

生まれてから大人になるまでの発達には人との関わりが欠かせません。

他者と関係性を築くことで子どもたちは世界観を広げて発達していきます。


生まれたての赤ちゃんは母親や父親をはじめとした身近な大人との関わりが中心。

幼児期からは家族や友達、先生など様々な人との関わりを通じて発達していきます。


発達についての考え方は様々です。

その中に「認識」と「関係」の二軸で発達をとらえるという方法があります。


人間が生きていくためには①世界がどんなものか知る、②世界にはたらきかけていく、という2つの取り組みが必要です。

その取り組みの中で人は発達し、より高度で複雑な社会性を身に付けていきます。

赤ちゃんがいきなり大人の社会で生きていくのは不可能で、そこに至るまでには「認識の発達」と「関係の発達」が必要になります。


認識とは、目や耳から入った情報に意味を見出し概念的に捉えることです。

「目の前に物がある」と知覚することは認知ですが、「それはコップであり、水を飲むものだ」ととらえることが認識です。


「認識の発達」は「関係の発達」を支えています。

人間関係や社会の構造は複雑で多層的です。

人間の社会的な行動に含まれる様々な意味や約束をとらえるには認識の力が必要です。

見たまま、聞こえたままの意味だけではなく、その場の状況や人間関係、声のトーンや表情などさまざまな事を認識して本来の意味をとらえることで、社会との関係性を構築することが出来ます。


一方、「関係の発達」は「認識の発達」を支えています。

人間にとっての世界は、人間同士の社会的な関わりの世界です。

人と関わる中で物事の意味やルールを知り、認識を広げていきます。

認識を発達させるには、単独では不可能で、人と関わる必要があります。


ところが発達に特性のある子どもたちは、何らかの理由で「関係の発達」に困難が生じることがあります。

他者と感覚に違いがあったり、表現が違ったり、発達のスピードに差があったり。

「関係の発達」が進まないと、「認識の発達」も伸ばしにくくなります。


そこでスパーク運動療育西京極スタジオでは、療育士が子どもに積極的に関わることを大切にしています。

子どもたち一人一人のありのままを認め、子どもが楽しいと思える関わり方で、気持ちを引っ張ります。

そうすることで人と関わりたいという気持ちを引出し、人と関わる経験を積むことで「関係の発達」を促しています。


<参考文献>

「子どものための精神医学」 滝川一廣 医学書院 2017

春ですねぇ

今週は暖かい日が続いており、春の訪れを感じますね。


今日も公園を利用して療育をしました!

絶好の公園日和で、楽しく遊ぶ事が出来ました!

お外はぽかぽかです。


新型コロナウイルスの影響で、子ども達もお家で過ごす時間が多いと思います。

外出できる機会が減ってしまうと、体を動かす量も減ってしまいます。

非常に残念ですが、こればっかりは仕方ありませんね。


スパーク運動療育西京極スタジオは、1対1を基本とした個別療育です。

尚且つ感染症対策のアルコール消毒や手洗いうがい、療育後の換気にもしっかり取り組んでおります。

ウイルスで世間が大変なときだからこそ、安心して体を動かせる環境を整えております。



子どもがパニック状態になったときは?

成長段階にある子どもたちは、湧きあがった感情(情動)に対して自分で折り合いをつける事が出来ず、パニック状態になることがあります。

そんな時、大人はどうしても怒ってしまったり、無理やり言うことを聞かせようとしてしまったり。

時間もなければ心の余裕もないのに、気長に丁寧に関わっていられないという方も多いはず。

仕事もあるし、家事もある、兄弟だっている。

なのに言うことを聞いてくれない。


しかし、毎回毎回上手く接することができなくても大丈夫なようです。

子どもがパニックになるような出来事が起こったうち、そのうち30%くらいの頻度で丁寧な関わりが出来ればある程度の効果が期待できるそうです。

30%なので、パニック10回につき3回くらいを最初の目標にされてみてはいかがでしょうか。


今回は自己調整(セルフレギュレーション)という考えに基づいた関わり方を示しておきます。


①パニックになっている(感情が爆発している)子どもに共感する(痛かったね、嫌だったね、やりたかったね、ハグをする など)

→子どもはストレスで脳のキャパがいっぱい。ストレスを減らして理性的なキャパを増やす。

②落ち着きを取り戻したら、理性的な話をする(やりたいけど今は行かないといけないよ 何が嫌だったの? など)

③切り替えを促すような話をする


こういった関わり方は子どもがなかなか遊びをやめない時にも効果的です。

①無理やり遊びをやめさせるのではなく、一緒になって遊び、楽しんでみる

②自分の事を認めてくれた、満足したと子どもが思えば話を聞くモードになりやすい

③一通り楽しんでから「今日はもう帰ろうか」「帰って○○しようか」など切り替えの言葉をかける。


しかしこういった関わりには時間とエネルギーがかかります。

なので毎回のようにできなくても仕方ありません。

先にも述べましたが、まずは30%からだそうです。


パニックの大きさや、その子の発達段階などによっても必要になる時間とエネルギーは変わってきます。

それでも、繰り返すことで獲得していくスキルなので可能な範囲で気長に接することが大事になってきます。

湧きあがる感情に対して自分で折り合いをつける力を育むには、その過程を根気よくサポートする必要があります。


スパーク西京極は基本的に楽しい場でありますが、子ども同士が接する中でストレスが生まれるシーンもあります。

そんな時は逆にチャンスでもあります。

子どもが自分で気持ちを切り替え、適切にその場へ対処していく術を学ぶ機会になるからです。

療育士がサポートをしながらストレスやパニックに対処していきます。


療育の様子!春のサンタさん!笑

先日の療育の様子です。

もうすぐ春ですが、小さなサンタさんがやってきました!笑

おっきな袋には何が入っているんだろう!


走るのがすっごく速いサンタさん。

煙突のぼり(マット登り)も上手でビックリ!


他にも風船で遊んだり

この風船どうなってるの?!

たくさんつながりすぎじゃない??


「運動療育」と言うと形式的な運動プログラムを提供するように聞こえますが、スパークでは子どもと療育士で自然に発生した遊びの中での運動を基本としています。

なので今回のようにサンタさんというイメージの中、たくさん体を動かして遊んだりもしています。


初の試み!公園へ!

先日、西京極スタジオの目の前にある公園で療育を行ないました!

今回が初の試みです。


お天気も良くて公園日和でした!

え!そんなところ登れるの!!

すごい!!


手の形も上手になぞってるー!


外で遊ぶことはたくさんのメリットがあります。

スタジオよりも自然に近い刺激の中で遊ぶことが出来ます。

地面の質感であったり、草木が生えていたり、風が吹いていたり、虫がいたり。

その中で体を動かすこと、感じることで子どもたちは発達していきます。


これ、てんとう虫です↓


他にも、外で日光を浴びること自体が体に良いとされています。

それは、日光を浴びると体の中でビタミンDが作られるからです。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、子どもの骨の成長に必要な栄養素です。

他にもビタミンDは免疫力を高める働きがあります。


今は新型コロナウイルスの影響で外出しにくい状況が続きますが、落ち着きましたらぜひ外へたくさん遊びに行ってみてください。


療育は基本的にスタジオ内で行ないますが、お子様の発達段階やスタッフ体制、時間帯など考慮したうえで公園も利用させていただきます。

ご希望に添えない場合もございますが、ご了承ください。

4月 臨時休業のご案内

臨時休業のご案内をさせて頂きます。

新年度準備及び社員研修の為、スパーク西京極は以下の日程でお休みをさせて頂きます。


4月

1日(水)、2日(木)は終日お休み

3日(金) 午前中お休み

(3日(金)午後より、通常通り開所させて頂きます。)


よろしくお願いいたします。


スパーク運動療育西京極スタジオ

熊谷

2/29(土)は社内研修でした!

2/29(土)は社内研修でした!


まずは有酸素運動で頭を起こします。

西京極合戦と名付けたゲーム(敵陣にカラーボールを沢山入れた方が勝ち)を全力で90秒。

朝の眠気も飛んでいきます。


脳の状態を良くしたところで、座学で子どもとの接し方、特性、脳のことなどを再確認。

話す方も聞く方も、改めて勉強になりました。


療育についてディスカッションもしました。

普段気になっていたことや疑問に感じていたことを出し合って、皆で考えることが出来ました。


休憩をはさみながら療育の練習も。

今回は褒めることをメインに!


役割交代をしながらとにかく褒めます。

「褒められると嬉しい」という気持ちを一人一人が子ども役になることで再認識できました。


お互いが褒める姿を見て、よかったところ、改善できそうなところを出し合ったり、真似できそうなところは真似してみたり。

特に「達成を褒める」「過程を褒める」ということをメインに取り組みました。

何か達成した時だけでなく、興味を持ってくれたこと、遊びに加わろうとこちらへきてくれたことなど、子どもの心の動きを含めたすべての過程を褒める練習をしました。


有意義な研修になりました。

これからも子どもたちと楽しく遊び、ともに成長していきたいなと思います。

こういう写真って全力でジャンプすると思いっきりブレちゃうんですね(笑)

子どもに共感し、一緒に気持ちを調整すること

子どもたちの社会性の発達はスキルを獲得するのと似ています。

勝手に身につくわけでも、生まれた時からできるものでもありません。

親との愛着形成をメインとした人間関係の中で育んでいくものと考えられています。


こういった「社会性のスキル」を獲得する根底には自己調整(セルフレギュレーション)と感情の発達があります。

自己調整とは自分の感情に上手く折り合いをつけて、思考や感覚、行動をうまく調整する能力のことを言います。

人生の中で直面する様々な強い情動やストレスに対して、気分を落ち着けたり、注意を適切な方へ向けたりするときに必要になる力です。


*情動=体の動きを伴う急激な感情の動き


自己調整はいきなり身に付く力ではありません。

生まれて成長していく中で少しずつ獲得していきます。


その時に私たち大人ができる関わり方が「共感」です。

共感は嬉しい時や社会的に好ましい行動ができた時だけするものではありません。

ストレスのかかるシーンや感情が爆発してどうしていいか分からない時にも使います。


たとえばビックリして感情が爆発しそうになったシーン。

まずは「嫌だった」「怖かった」という気持ちに寄り添います。

声のトーンや表情、ジェスチャーを最大限使って気を落ち着けます。

少し落ち着いてきたら、「びっくりしたけど、実は怖い物じゃなかったんだ」とか「大丈夫だよ」ということを教えてあげます。

気持ちを落ち着け、理性的に考える過程を一緒に進めてあげることで自己調整をサポートすることが出来ます。


現実的にこういった関わり方を毎回できるわけではありません。

上手くいかないことも多いです。

でもストレスのかかるシーンや感情が爆発するようなシーンは人生で1回きりではありません。

また次以降、気が付いた時だけでもそういった関わり方ができると効果的なようです。


関わる時のポイント

・落ち着いた声のトーンや表情、ジェスチャーをしっかりと使うこと

・子どもを待つこと

・子どもの様子をよく見て、言葉を聞くこと



参考にした記事(英語)

https://www.nichq.org/insight/childrens-social-and-emotional-development-starts-co-regulation