スタジオ便り

スタジオから日々のあれこれお届けします

具体的な言葉で関わってみよう

喋れるようになった、口が達者になったと言えど未就学児。

まだまだ大人程には言葉でのコミュニケーションは上手ではありません。


どんな伝え方をしていけば、少しでも伝わりやすくなるのか。

今回はその一例である「具体的な言葉」をテーマに書いていきます。


指示や質問をちゃんと理解しているようなしていないような....なんだか不安だなあ。

そう思われる親御さんに何かヒントになればと思います。


ずっとこの話し方をするわけではなく、ちょっと「ん?」と思うなら一時的に段階を下げてみるのも良いですよというくらいの感じで受け取ってもらえればと思います。


好き?

「好きな遊びは何?」と問いかけると「わからない」と答える子、もしくは顔が「?」になっていて質問を上手く理解・処理できていない子がいます。

「好き」という意味が分かっていない場合もありますし、

「好き」の意味が分かっていても好きな遊びが無いから「わからない」と言っているのかもしれません。


後者の場合は今回は一旦置いておきます。

前者の場合、「好き」とか「嫌い」が分かってくるのは3歳ころからなので、まだ年齢的に幼い場合は気長に待ってあげても良いと思います。

実年齢は3歳以上でも発達の年齢が3歳未満の場合もありますので、その場合も急かさず気長に関わっていきます。

とは言え、「〇〇が好き?」「〇〇好きだね」など、「好き」の意味が理解できるように沢山話しかけてあげることは必要です。



遊び?

「好きな遊びは何?」と言う質問で、もう1つ難しいところが「遊び」です。

遊びには膨大な数があります。

おいかけっこ?縄跳び?粘土?すべり台?おままごと?などなど。


「好きな遊び」を答えるには

そういった無限にある活動のことを「遊び」というひとくくりの抽象的な概念として理解する必要があります。


「食べ物」もそうです。

「色」もそうですね。

「人」もそうです。


食べ物が分かりやすいですね。

具体的な「おにぎり」「カレーライス」「ラーメン」などは存在していますが、「食べ物」という「食べ物」は抽象的で存在していません。


まだこれがはっきりとしていない子にとっては、ある意味答えの自由度が高すぎる質問は難しいようです。


具体的に選択肢を示してみる

以上のことを踏まえまして、質問の仕方を変えてみます。

「好きな遊びは何?」

「すべり台が好き?」

「粘土が好き?」


といった感じで、具体的に聞いてあげます。


これは他のシーンでも使えます。

何か嫌なことがあって泣いている。

でも自分では何が苦しいか分からない。


「何が嫌だった?」と聞いても本人はピンと来ていない。



「〇〇が痛い?」

「〇〇されたのが嫌だった?」

「〇〇に行くのが嫌?」


考えられる選択肢を提示していってあげると答えやすくなります。



お片付けが苦手?

お片付けが苦手で、お子さんが部屋をすぐに散らかしてしまうというお悩みはありませんか?

 

楽しく遊んでいるうちにごちゃごちゃになってしまった部屋を見て、せっかくさっき片付けたのに・・・とため息をつきたくなること、ありますよね。

とはいえ、片付けや整理整頓は大人でも苦手なもの・・・。

 

今回は少しでも上手にお片付けが出来る工夫を紹介していきたいと思います。

 

そもそも、どうして片付けが苦手なの?

それは、「わすれっぽい」特性があることが原因の一つとして考えられます。

活動そのものに気を取られて、出したものを片付けることを忘れてしまう・・・

出したものを片付けようとおもっても、どこから出したのかを忘れてしまう・・・

 

部屋が散らかるとどうなる?

散らかっている部屋では・・・

 

・気が散りやすくなる

・物が無くなりやすくなる

 

その結果として

 

・遊びや作業に集中しにくい

・パニックに繋がる

 

あらかじめ環境を整えておくことでそういった事態を防げる可能性があります。

 

部屋が散らかる前に

一番大切なのは、『散らかる前に片付ける』ということです。部屋が足の踏み場もないほど散らかってしまったあとだと、私たち大人でも片付けをするのが億劫になりますよね・・・

 

まずは一緒に片付けを行っていきます。

大人の手助けがある中で片付けの経験を積み、慣れてきたら徐々に大人の援助の手を減らしていきます。

あせらず、子どものペースに合わせてゆっくりと取り組んでいきましょう。

初めのころは定期的に声掛けをおこなっていくのがポイントです。

また、お片付けのやり取りの中で、子どもさんが「手伝って」と言えた際には、上手に言えた事をたくさん褒めてあげて下さい。

 

視覚情報を取り入れてみる!

お子さんの中には、出したものがどこにあったのかわからず片付けられないという場合があります。

それを解消して片付けをするための工夫として、

 

  • 物の置き場所を決める
  • 決めた場所に絵や写真・文字などでマークを付ける

 

などが有効だと考えられます。

 

スパーク西京極でも、療育道具の整理整頓のために引き出しの一つ一つに写真を貼っています!



スタッフの間でも、 

「なにがどこにあるのかすぐわかって探す時間の短縮になる」

「自分が出したものでなくてもすぐに片付けられる」

と効果が実感できています。

 

そして何よりも、できたことをたくさん褒めてあげることが重要です。

 

「部屋がきれいになってきもちいいね」

 

「きちんとお片付けまで出来てえらかったね!」

 

と声をかけてたくさんほめてあげてください。

遊びに必要な物を自分で作る大切さ

遊びには物がいらないこともあれば、物が必要あるいは役立つこともあります。


例えば鬼ごっこは相手さえいれば成立するので、道具は不要です。


おままごとはどうでしょうか。

物が無くてもできるかもしれませんが、食器や食べ物のおもちゃがあるとリアリティが生まれて大変役立ちます。


これは先日ブログ担当もお子さんと遊んだのですが、

「紙飛行機とばし」

紙飛行機という物が必要になります。


こういった遊びに必要なものをあらかじめ準備しておくことも良いですが、

時には子ども自身で作ってみること(大人は手伝う)も発達にとって貴重な経験になります。


見通しを立てる経験

物をつくることそのものの楽しみを味わうことも、もちろん良いことです。

それに加えて

「作ったものを遊びに取り入れること」「作ったもので遊ぶこと」も良い経験になります。


その理由は「見通しを立てる力」が養われるからです。

「こうすればああなる」という見通しを立てる力は勝手についていくものではありません。

子どもの発達には経験が必須です。


「作ったもので遊ぶ」という経験を積む事で、「作ること」と「遊ぶこと」が繋がってきます。

楽しく遊ぶには何を作れば良いかという見通しを立てることができるようになっていきます。


試行錯誤する経験

「どうすればもっと良くなるだろう」と子どもなりに試行錯誤することも、作ったもので遊ぶことで経験することができます。


見通しを立てる力、試行錯誤して取り組む力は大人としても是非子どもに身に着けてもらいたい力ですよね。

子どもは遊びを通じて発達します。

たかだか遊び、されど遊び。

ここで培った見通しを立てる力や試行錯誤する力が将来に繋がってきます。


だからといって強制することや、何でも作らせるなどの厳しすぎることをする必要はありません。

あくまでも楽しいと思える範囲で取り組みます。


スパーク西京極でも、「自分で作りたい」と言うお子様がいらっしゃいます。

状況によりますが、自分で作ってもらったおもちゃで遊ぶこともあります。










お父さんだからこそできる子どもとの関わり方

多くの場合、子育ての初期の主役はどうしても母親になりがちと言われます。

(夫が協力しないのは、、、などがテーマのお話しでないので、今回はご容赦ください)

女性にしか妊娠、出産、授乳などができないため、子育ての初期に母親は子どもとの一体感が得やすいと言われています。


そんな中、「お父さん」という立場で遊びの中でどのように関わっていくかというのが今回のテーマです。


実は「お父さん」だからこそできる関わり方があるそうですよ。


関わり方は無数にありますが、これもまた1つの方法として参考にしていただければなと思います。

男性と女性の語りかけの違い

子どもと遊んだりする時に、知らず知らずのうちに声が高くなっていませんか?

これは自然なことで、男女に共通する現象です。

女性の場合は母親語と言われ、男性の場合は育児語とも呼ばれます。


声が普段より高くなることは共通しているのですが、普段から男性の方が声が低い場合がほとんどなので、

女性ほど高い声は出ないと言われています。

ところが、男性の方が女性よりも語り掛けの抑揚が大きいということが知られています。


ここまでまとめると

1.女性の方が男性より高い声になる

2.男性は女性ほど声は高くならないが、抑揚が女性より大きい


子どもの反応は?

では、その語り掛けで子どもの反応はどうなるのでしょうか。

今回のテーマは「お父さん」なので、お父さんはその抑揚をどう活かせば良いのでしょうか。

一緒に考えていこうと思います。


研究では、乳幼児に対してお化けや怪獣の絵本の読み聞かせを行いました。

条件は4つ。

1男性が母親語を使って読む

2男性が母親語を使わないで読む

3女性が母親語を使って読む

4女性が母親語を使わないで読む


すると男性が母親語を使って読んだ時に最も子どもが注視し、感情表出が大きかったそうです。


しかしながら、動物の絵本など楽しい優しい世界を表現する絵本ではこれが逆転するようです。

女性が読んだ方が子どもを引きつけます。


ここから分かる「お父さん」の関わり方のヒントは


「抑揚を活かせる内容で遊ぶこと」です。


・少し怖い、ハラハラドキドキする内容や教訓になるような内容の絵本はお父さんが読んでみる

・お化けごっこなどで遊ぶ

・男の子であれば怪獣とヒーローなどで遊ぶ

・かくれんぼの鬼などにお父さんがなって、ちょっとドキドキする雰囲気を出してみる


どうしてこの男女差があるの?

生きている以上、危険は付きまといます。

女性の高い声は、緊急を知らせて即効性があります。

一方、男性の低い声は子どもに対しても威厳を感じさせるようです。

よく言って聞かせる為には男性の声の方が効果があるようです。


「危ない!!」とその場で言うのは女性の方が効果的な傾向があり、

「もう危ないことはだめだよ」と落ち着いて後で言い聞かせるには男性の方が効果的な傾向があるそうです。

これは人類の長い歴史の中で獲得してきたものなのでしょうね。


こういった声の男女差を、叱ることばかりに使うのではなく

遊びの中でも使っていくことができるわけですね。


スパーク西京極はほとんど女性スタッフですが男性のスタッフも在籍しています。

語り掛けや声の違いに注目して療育を見ていただくことでも、何かヒントになるかもしれません。


<この記事の参考文献>

・「よくわかる発達心理学」 無藤隆ほか ミネルヴァ書房 2017