スタジオから日々のあれこれお届けします
9月1日の防災の日に合わせて、療育の一環として防災訓練を実施しました。
ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
火災の場合と地震の場合の2パターンに分けて、訓練を行うことができました。
突然大きなアラーム音が鳴ったり、施設前の公園に避難したり。
子ども達にとって普段の療育とは違う雰囲気で、びっくりすることも多かったかもしれませんが、最後までがんばって取り組んでくれました。
我々スタッフにとっても、防災の意識を高め、有事の際の対処について見直す良い機会になりました。
今後も防災訓練は定期的に実施していこうと考えています。
訓練の後には巨大エアホイールも登場!!
不定期ですが、エアホイールは今後も登場します。
お父様お母様と一緒に入っていただくことも出来ますので、また登場した際には是非お楽しみください!
筋感覚という言葉を聞いたことがありますか?
筋感覚とは「自分の体のどこがどのように動いているか」を感じる能力です。
筋感覚は視覚や聴覚などの五感と同じくらい脳で精密にコントロールされています。
正しい姿勢を保ったり、自分の腕や脚、頭がどの位置にあるのかを感じたりするときに筋感覚が重要になります。
発達に特性や遅れのある子どもたちは、人や物にぶつかりやすかったり、良い姿勢を保てなかったり、運動にぎこちなさがあることも少なくありません。
こういった難しさを生む理由の1つに筋感覚の弱さが考えられます。
ではどうすれば子どもたちの筋感覚を鍛えることができるのでしょうか。
筋感覚も他の感覚同様に体(筋肉)からの脳への刺激と、脳からの指令で成り立っています。
筋肉をたくさん使う、すなわち運動をするなかで筋感覚が刺激され、鍛えられていきます。
ところが、子どもたちに運動を強制しても、自ら集中して体に意識を向けることはありません。
そこで必要なのが、楽しく遊ぶ中で体をたくさん使うということ。
「楽しい」という感情から積極的に遊びを展開し、体を意識すること、たくさん刺激が入ることで筋感覚が鍛えられて行きます。
特に筋肉に強い刺激が入る運動や、バランスを取る運動、くぐったりまたいだりといった物を避ける遊びが効果的です。
押したり引いたり、走ったり、跳んだり、ぐらぐらする場所を歩いたり。
お家や公園で可能な遊びはもちろん筋感覚を鍛えることに繋がってきます。
強制的に運動をさせるのではなく、機会をたくさん与えてあげることが大切です。
できるだけ外に出て遊ぶ機会、親と体を使って遊ぶ機会(登る、抱っこで回すetc)を可能な範囲でたくさん作ってあげて下さい。
強制はせず、体を動かすことが嫌いにならないように気をつけてあげて下さい。
スパーク西京極では、子どもたちにとって体を動かす良い機会になれるよう、スタッフたちが楽しく関わって遊びを展開しています。
「体幹が弱く、姿勢が維持できない」というお悩みがある場合、どういった遊びをしていけば良いのでしょうか。
姿勢を維持することは、どんな運動をする時にも大切です。
じっと座っているだけでなく、ふらつかずに歩く、走る、こけないようにする、遊ぶ。
姿勢を保つことは日常生活では欠かせません。
「姿勢が維持するのが苦手」という子に対して「体幹を強くすること」だけをすれば良いというものでもありません。
もちろん体幹を強くすることは大切ですが、
それとプラスして感覚を刺激する遊びも取り入れたいところです。
というのも、姿勢を維持するには今の自分の状態を感じる力が必要だからです。
「今自分の姿勢が崩れている」
「腰が曲がっている」
「首が前に出ている」
「膝に力が入っている」
「立っている地面は柔らかい、硬い」など
こういったことを感じてから、それに応じて体をコントロールしていきます。
「これくらい力を入れると体が真っ直ぐになる」
「ここに力を入れると真っ直ぐになる」
ところが、体幹が弱いと、思った通りに姿勢を維持することができません。
このときに「体幹の強さ」が必要になります。
また、もし体幹が強くても、感じる力が未熟であれば体のコントロールは出来ません。
今の自分の状態を感じることができなければ、どこにどれだけ力を入れて良いのか、どんな状態にすれば良いのかわからないからです。
子どもたちの体にたくさんの感覚刺激を入れていくことで、感じる力は強くなっていきます。
【必要な感覚】
体性感覚・・皮膚や筋肉、関節の動きを感じ取り、触れているもの、触れられているものと自分の状態を知ります。
前庭感覚・・バランスを取るときに必要な感覚。
視覚・・物との距離感や視野の広さ。
筋感覚・・筋肉の収縮や緊張の具合を知る感覚。
【遊びの種類】
強い力を出す遊び・・走る、ジャンプ、ボールを投げる蹴る、ぶら下がる、手押し車など。
バランスを取る遊び・・不安定な遊具に乗る、大人の背中に乗る、バランスボールなど。
目で追う遊び・・ボール遊び、追いかけっこなど。
触れる遊び・・粘土やスライム遊び、抱っこ、水遊び、くすぐり遊びなど。
様々な地面を体験・・砂場や芝生、川、ビーチなど。可能な場合は裸足で。
まとめてしまうと、「たくさんの種類の遊びをやりこむ」ということです。
特に強い力を出す遊びやバランスを取る遊びはそれ自体が体幹を強化する遊びでもあります。
体幹が弱いと言われる子たちには、体幹を強化する遊びだけでなく、感覚を刺激する遊びもたくさん経験させてあげて下さい。
「体を真っ直ぐにしなさい!」と言われても、
今自分の体がどれだけ曲がっているのか、
どの程度力を入れれば真っ直ぐを保てるのか、
そもそも真っ直ぐってどんな状態?
それが分からないことには、姿勢を真っ直ぐにできません。
それを知るための土台が感覚です。
強制はせずに、楽しいと思える遊びで感覚をたくさん刺激してあげて下さい。
保護者の皆さま
平素はスパーク西京極の運営に多大なご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
9月1日の防災の日を中心に、毎年9月は地震や火災などの災害に対する認識を深め、それに対処する心構えを身につける月間となっております。
そこで、当スタジオでも有事の際にスタッフが利用者様及び自らの安全を確保するための適切な行動がとれるように、療育時間をお借りして防災訓練を実施することになりました。
職員体制の都合で以下の日程で訓練を実施することとなりましたのでご理解の程をお願いいたします。
防災訓練も療育の一環として、「地震や火事の時にどの様に行動するか」「普段と少し違う流れでも療育士のサポートを通じて気持ちの切り替えをすること」などを狙いとしています。
訓練に向けて、スタッフ全員準備に励んでおります。
どうぞよろしくお願いいたします。
※日時:9/24(木)各療育時間内(間に20分程度)
9/29(火)各療育時間内(間に20分程度)
※場所:スパーク運動療育西京極スタジオ 療育室→西中公園(外に移動の際に使用)
※定員:各時間につき定員3名
※当日のスケジュール:療育開始~15分【通常通りの療育】
↓
~35分【火災、地震アラームが鳴って訓練スタート】
(スタジオから西中公園の中央まで避難)
↓
~60分【防災のお話/療育/保護者へのフィードバック】
※①~③枠目は地震の想定 ④~⑤枠目は火災の想定での実施となります。
※普段の療育では、大きすぎてあまり出す機会の無い療育道具が特別に、
登場しますのでお楽しみに。(保護者の方も一緒に楽しんで頂けます♪)
※注意事項やお願い
・療育対象ではないご兄弟ご姉妹をお連れになる場合は、親御さまが責任を持って対応して頂きます様、よろしくお願い致します。
(ご兄弟ご姉妹の事故等には対応しかねますこと、ご了承ください。)
・訓練の際、大きな音でアラーム音を鳴らします。
聴覚過敏等があるお子様は事前にお知らせくださいます様、お願いいたします。
・多くの人数で移動を行います。移動の際の転倒や衝突にはご注意ください。
・スタジオ→公園へ行く際、道路を渡ります。
・雨天の場合、中止となります。
スパーク運動療育西京極スタジオ
管理者 熊谷 利衣子
まだまだ厳しい暑さの日もありますが、徐々に秋らしいお天気になってきました。
夏の間は熱中症対策のため、公園等を利用した屋外での療育は控えておりましたが、
9月下旬から10月上旬を目途に再開していくことにいたしました。
スタッフの人員体制や、お子様の発達段階に応じて実施します。
5月~6月に実施し、好評をいただきましたフィールドスパークatアクアリーナも開催予定です。
*定期の方と初参加の方が優先となります。HP上での詳しい案内と募集についてはもうしばらくお待ちください。
スパーク西京極では昨年度の冬から屋外での療育をスタートしました。
外でたくさん体を動かすことで、屋内で遊ぶ何倍も五感が刺激され、子どもたちの発育発達に良い影響が出やすくなります。
外で体を動かすメリットについては、
こちらの記事をご参考に
今年はスパーク西京極がオープンしてから初の秋の屋外療育です。
夏とは違い、気候も穏やかで運動しやすいシーズンです。
思いっきり体を動かして、楽しい時間を過ごしましょう。
「集中力が全くない」「集中して話を聞くことが出来ない」と言ったお悩みを聞くことがよくあります。
その一方で、普段は集中できないけれど、ある特定の物事には集中しすぎてしまうというお悩みを聞くこともあります。
こういった特性はADHDや自閉症スペクトラムと言われる子たちによく見られるようで、療育でもその姿を垣間見ることができます。
スパーク運動療育では主に子どもたちの感情へ働きかけるアプローチで発達の支援をしています。
集中力も「感情」と非常に関係が深く、遊びを通じた様々な経験から鍛えることができます。
集中力が続かない原因は様々です。
ストレスが高い、気持ちのコントロールが苦手、気が散りやすい、感覚特性があって視覚や聴覚に過敏がある等です。
いずれの場合も、スパークでは「感情」を発達させてあげることで集中力も少しずつついてくると考えています。
例えば集中して何かに取り組むには、「集中しよう!」と言う気持ちが必要です。
「楽しい」「嬉しい」といった感情が高まれば、「集中しよう」という気持ちも起こりやすくなります。
スパークでは遊びを通じて、療育士達がそういった感情に働きかけ、遊びに集中するといった経験を子どもたちに沢山積んでもらっています。
・遊びを通じて集中する経験を積む
・集中しているときは感覚特性が緩和される
・知らず知らずのうちに気持ちをコントロールする練習になっている
こういった積み重ねで少しずつ集中する力がついてきます。
普段は集中力がなかなか発揮されないけれど、ある特定の物事に集中すると、集中しすぎてしまうという場合があります。
これは、ADHDやアスペルガーの人によく見られる過集中という状態です。
例えば、ブロックで遊び始めると、すごい集中力で何時間も休まず、ご飯もトイレも忘れて取り組んでしまうなど。
過集中は「高い集中力が発揮できる」という点では長所になりますが、食事やトイレまで忘れてしまったり、体調が悪くなるまで取り組んでしまったりと、コントロールが効かないと日常生活に支障が出ることもあるそうです。
集中力のコントロールが難しい状態なので、例えば1時間おきに「お茶を飲もう」「トイレに行こう」等など定期的に気づきを促す声掛けや区切りの声掛けをしてあげると良いようです。
スパークでも、定期的に「休憩しよう」「お茶飲もう」など、一息つく声掛けを行っています。
遊びの中で一息つくことも経験の中で学んでいきます。
コントロールする術を学びながら、長所を伸ばしていってあげたいですね。
特性にもよりますが、抱っこが好きな子は多いです。
実は「抱っこ」は乳幼児期の子どもの心と体に非常に大切なことです。
1.心を落ち着け、愛着を形成する
2.前庭感覚、体性感覚、視覚を刺激して運動機能向上に関連
悲しい時、痛いとき、子どもたちはよく抱っこを求めます。
そして抱っこをすることで落ち着きを取り戻します。
これは、抱っこをすることで分泌されるホルモンが関係していると言われています。
幸せホルモンのセロトニン、愛情ホルモンのオキシトシンが分泌されることで気分を落ち着ける効果があります。
子どもたちは様々な困難に直面しても、抱っこで心を落ち着け、乗り越えていきます。
また、発育発達は親子の愛着形成をベースとしています。
抱っこを通じたオキシトシン分泌は発育発達の根っこになります。
抱っこをすることは体にも良い影響を及ぼします。
いわゆる「運動神経」「ボディイメージ」といった運動能力に関係する機能に「体性感覚」「前庭感覚」「視覚」があります。
体性感覚は「自分の体を触れられている」「物が体に触れている」「触っている」といった感覚です。
抱っこでギューっとしてあげることで、強い刺激が入り、体性感覚が鍛えられていきます。
前庭感覚は「体が左右に動いている」「上下に動いている」「スピードが速い、遅い」「バランスを取る」といった機能です。
抱っこで子どもを振る向きやスピードに関係します。
もう一つ、視覚も鍛えることができます。
ここでいう視覚は視力のことではなく、物との距離感や視野の広さのことです。
抱っこをしている時の視線をどれだけ動かしてあげられるかが関係します。
発達に不安のある子たちは
・ボディイメージが弱く、よく人や物にぶつかる
・運動がぎこちない
といった特徴があります。
こういった運動機能の根底にあるのが、体性感覚、前庭感覚、視覚です。
それぞれの感覚を刺激していくことで、脳の新しい神経回路が作られて発達が進みます。
抱っこをすることがこれらを鍛えることができるのですが、、、、
ちょっとしたコツがあります。
それが抱っこ遊びです。
ただ抱っこをするだけでなく、そこから遊びに繋げます。
運動機能を高くするための抱っこ遊びのコツは、4つ。
1.いろんな強さで体性感覚を刺激(優しいギューから強いギューまで)
2.子どもをいろんな方向へ持ち上げて前庭感覚と視覚を刺激(上下左右、斜め上、斜め下、左右回転)
3.子どもの向きを変えて前庭感覚と視覚を刺激(親の方を向く、親と反対を向く)
4.組み合わせる
*いずれも安全を考慮したうえで実施してください
*首の座っていない乳児には大きな刺激を与えない様に注意してください。
抱っこ遊びでこれらの感覚を刺激してあげることで、新しく脳の神経回路を作ることに繋がります。
泣いている時などに無理して行う必要はありません。
泣きたいとき、つらいときは落ち着くまで優しく抱っこしてあげて下さい。
愛着形成をしながら、運動機能にも必要な刺激の入る抱っこ遊び、ぜひやってみて下さい。
スパーク西京極でも抱っこはたくさん行っています。
子どもたちを褒める時、共感して寄り添う時はもちろん、抱っこ遊びもしています。
スタッフとの関係性構築や、感覚を刺激する遊びとして抱っこは大変効果的だと感じています。
勉強やスポーツでは「繰り返すこと」がとても大切にされています。
それは遊びでも同じで「繰り返すこと」には、心にも体にも重要な意味があります。
遊びは子どもたちにとって他者とのかかわりや感情の調整を学ぶ場であり、脳と体の機能を育む場です。
一度しただけでは不十分で、繰り返し取り組むことで心と体に定着していきます。
スパークは「運動」を基本とした遊びを行っています。
運動には様々な種類があります。
・有酸素運動(血流を増加させて頭がよく働く。ホルモンが出て気分が落ち着く。神経細胞を増やす物質も出る)
・粗大運動(ジャンプやかけっこ等、筋力や感覚の基礎を養う)
・協調運動(2つ以上の動作を同時に行い、動きを協調させる:縄跳びなど)
・コントロールの運動(ボール投げ等、体の動きを調整する運動)
・微細運動(字を書いたり、お箸をもったりすることに繋がる細かい指先の運動)
こういった運動をすることで脳の神経細胞が発達し、情動や体をコントロールする力がついていきます。
加えて筋力や心肺機能も向上していきます。
ところが、こういった運動(遊び)は1回だけでは効果が無く、何度も、何日も繰り返していくことで効果を発揮します。
勉強やスポーツも繰り返すことで上達したり覚えたりします。
これも、脳の神経細胞が発達していくからこそです。
遊びも同じで、遊びの中で何度も繰り返して体を使うことで脳が発達していきます。
遊びは体を動かすことだけが目的ではなく、遊びの中で他者と関わり、コミュニケーションを取る能力を身に付けるという目的もあります。
コミュニケーションも練習です。
1回だけではなかなか身に付きません。
繰り返すこと、すなわち遊んでたくさん他者と関わることで養われます。
発達に特性のある子たちは、特性ゆえにその機会が少なくなってしまったり、関わり方を学ぶことが難しかったりします。
そこで、スパーク西京極では必ずお子様1人に対して1人の療育スタッフが担当して、何度も何度も関わって、コミュニケーションの練習を促しています。
遊びに対して意味を見出すためにも繰り返しが重要です。
子どもが行った何気ない行動も、大人が「それ面白いね」と言って拾ってあげることで
何気ない行動に意味が生まれます。
行動に意味が生まれると遊びになります。
遊びになるとコミュニケーションへとつながっていきます。
繰り返して遊ぶうちに意味が定着し、「こうやって遊ぶんだ」と子どもたちがは学び、他者と関われる機会を増やしていきます。
時々余裕がある時だけで良いので、
お子様が何気なく投げたボール、何気なくジャンプした、走った
いろいろな行動にアンテナを張ってみてください。
遊びは身近にあふれています。
先日、スパーク西京極の職員で施設利用者様が通われている幼稚園を訪問させていただきました。
スパーク西京極では以前から必要に応じて幼稚園・保育園との連携を取っています。
こちらから園を訪問してお子様たちの普段の様子を見たり、園の先生方にスパークでの様子を見に来ていただいたりしています。
園との連携の際には、先生方との話し合いの時間も確保し、お子様一人一人の現在の課題や支援の方向性について共有しています。
園での様子を見ておくことで、普段スパークでは見られない子どもたちんの様子を知ることができます。
その中で、新しく長所を見つけることができたり、療育で支援していくべき課題が明らかになったりします。
園との連携で得た情報は、その後スタッフ間で共有し、その後の療育に役立てています。
今後も必要に応じて順次園訪問を行っていく予定です。