スタジオから日々のあれこれお届けします
スパーク西京極がオープンして2度目の年長さんの卒園となりました。
たくさんの年長さんたちが卒園となりました。
これから先も、たくさん遊んでたくさん楽しんでもらえたらいいなと思います!
卒業の子たちには、卒業証書と似顔絵&寄せ書きをプレゼントしました。
またいつでも元気な姿を見せに来てね!
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ごっこ遊びは、子ども達の想像力を伸ばすのにとても良い遊びです。
ブログにはごっこ遊びの素晴らしさを複数回に分けて書いています。
今回はそれと関連して、ごっこ遊びの中で必ず出てくる「見立てる」という行為について考えていきたいと思います。
おままごとで遊ぶためには、必要なものを準備しないといけません。
例えばお料理のシーン。
作りたい料理に、そこにある具材のおもちゃだけでは足りないことがあります。
焼きそばを作ろう!
と思ったのはいいけれど、具材のおもちゃはにんじんや玉ねぎしかない。
そこで子ども達はどうするか。
縄跳びを麺に「見立てて」みたり、茶色いブロックをお肉に「見立てて」みたり。
この見立てると言う行動には想像力が必要です。
ごっこ遊びでは「本物」を使いません。
「偽物」もしくは「見立てたもの」を本物のようにイメージして使う必要があります。
そうした経験を積む中で、想像力が伸びていきます。
だからといってリアルなものを全く置かないと言うのは、また良くなくて
2~3歳ころはイメージそのものがはっきりしていないので、上手に見立てたり製作したりすることは難しいようです。
なので、ある程度リアルなもの、わかりやすいものを準備したり、大人が見立ててあげるなどの援助が効果的です。
スパーク西京極に通う子ども達もごっこ遊びが大好きです。
1人1人の段階を見極めながら、ごっこ遊びを行い、子ども達と関わっています。
もちろんごっこ遊び以外も!
前回のブログからの続きで、しばらくは子ども達のごっこ遊びについて深堀していきます。
ごっこ遊びが始まるのは1歳ころからと言われます。
基礎的なイメージの力が芽生えてくるのが1歳半頃ですから、それと同じか少し後にごっこ遊びが出現するようです。
初期のごっこ遊びは、まだ他者と複雑な関わりがあるという感じではありません。
おままごとなどで想像されるごっこ遊びはもっと後です。
その基礎となる遊びがこの頃から始まります。
初期のごっこ遊びは「ごっこ遊び」というよりは「模倣遊び」「再現遊び」と言ったほうが正確かもしれません。
日常生活で印象に残っている事柄をイメージし、それを真似する感じで遊びます。
例)
・洗濯ものを干すふりをする→母親が家事をする姿の模倣
・コップに砂を入れて飲むふりをする→ご飯の時の再現
などなど、特に大人の様子をよく見ながら、遊びの中でそれを表現します。
これが初期のごっこ遊びです。
まだまだ「なりきっている」とか「役割」とかそういうのはありません。
お母さんになりきって洗濯ものを干しているのではなく、洗濯物を干すお母さんを真似ているような感じです。
その場に他の子や大人がいても「一緒にしている」という感覚もまだまだ少ないです。
なので、この時期の関わり方としては、役割等を設定してあげるというよりは「反応」を大切にしてあげることが必要です。
1歳の子どもが、お皿に砂を入れて食べるふりをしていたとします。
もしくは、大人の私たちにそのお皿を差し出してきたとします。
あくまでもまだまだ再現をしている頃ですから、大人の私たちが「あ、これはご飯だな」とくみとってあげて、
「いただきまーす!」「ぱくぱくぱく」と言って食べるふりをして、再現の世界を充実させてあげます。
まだまだそこから大きく遊びを膨らませることは難しいので、子どもたちは再び繰り返したり、自分も「いただきます」の真似をしたりします。
2歳頃になるとかなりイメージの力も発達してきますし、言葉も増えてきます。
ただ、まだまだお友達とイメージをしっかり共有し合うことは難しいので、
噛みあっているような噛み合っていないような感じになります。
積極的にイメージを共有しようとする気持ちが出てくるので他の子を誘ったり、
「〇〇買ってきてー!」みたいな感じで巻き込もうとしてみたりします。
そこで相手の子が乗って来てくれると、遊びが発展していきますが、できたりできなかったりです。
まだまだ各自で遊ぶ並行遊びの時期。
協力して1つの家族をつくると言うより、あっちこっちでお家?お母さん?が林立しているような感じです。
各々が各々の世界観で遊んでいます。
大人の助けがあると、物の貸し借りができて関わりがあったり、イメージを共有できることがあったりします。
子ども達は様々な遊びを通じて発達をしていきます。
その一つが「ごっこ遊び」です。
おままごとをしたり、好きなキャラクターになりきったり。
ほとんどの人が多かれ少なかれ通ってきた道ではないでしょうか。
そんなごっこ遊びについて、数回に分けてブログに綴っていこうと思います。
なぜ子ども達は熱中するのか?なぜ発達において大切になるのか?
どうやって関わればいいのか?
いっしょに考えていこうと思います。
子ども達との関りのヒントになれば幸いです。
発達の段階に応じた関わり方は次回以降書いていこうと思います。
ごっこ遊びをするのは、おおよそ1歳~7歳ごろまでと言われています。
発達の段階次第でこの期間の出現が早くなったり遅くなったり、もしくは短くなったり長くなったりするので、
あくまでも目安として思っていただければと思います。
「7歳ごろまで」
言い換えれば「ごっこ遊びに熱中できるチャンスは7歳ごろまで!」です。
この間に、大人やお友達、もしくは1人でたくさんごっこ遊びをしていくことで、子ども達は次のような力を伸ばしていきます。
◇想像力
◇創造力
◇思考力
◇共感する力
ごっこ遊びでは、ごはんを食べる、家事をするなどの日常生活のワンシーンを再現したり、好きなキャラクターになり切ったり、設定した世界観でアドリブでやりとりをしたりと様々です。
これって実はとっても高度なことで、
本物ではないのに、それを本物のように見立てる想像力。
例)ひもをラーメンに見立てる
遊びたい世界観を再現する為に必要なおもちゃを揃え、物に見立てたり組み立てたりする想像力、思考力。
例)積み木でお家を作る
アドリブでやりとりをする想像力。
遊びの中に目的を見出し、それを実現する方法を思考する力。
思考力は将来的に数字を理解したりするためにも必要になる力です。
数字に早くから触れることも大切かもしれませんが、まずは遊びが先にきます。
「共感する力」については次章で。
ごっこ遊びをする中で、子ども達は他者を気遣う行動を体験します。
例えばおままごとをするとなれば、赤ちゃん役や弟役に対してご飯を与えたり、物を多く分けてあげたりします。
その経験が実生活に活かされ、人を助けたり、お菓子を分けたりといった行動に繋がります。
他にも、キャラクターになりきってごっこ遊びをするにしても、全員が主役になれない時があります。
全員が仮面ライダーだと、世界は平和でライダーの仕事はありません。
全員がお母さんでは家族ごっこは出来ません。
怪獣役やお父さん役を誰かがやらなければ成立しません。
そんな状況に直面し、互いに役割を交代したり、我慢して遊んでいくことも、
想像力や共感する力を働かせる機会になります。
もしくは、お母さん同士のやりとりを再現することで丸く収まる場合もあります。
どうしたら遊べるか、それを大人と一緒に考えることも思考力に繋がります。
もちろんごっこ遊びの中で高まる力はこれだけではありません。
遊びの中で自然と指先を使ったり、走り回ったり、はたまた喧嘩をしてしまったり。
それらも全て経験となり、発達の糧となります。
子ども達に何かお願いをする時にごっこ遊び要素を入れるというのは効果的です。
例えばお片付け。
「片付けなさい」と言って片付けてくれるなら苦労はしません。
そうはいかないわけですから、ごっこ遊びの要素を入れます。
例えば、ボールやブロックを「食べ物」に見立てることができる子なら、
「片付けよう!」ではなく、「食べ物(ブロック)を冷蔵庫(お片付けの箱)に入れよう!」など言って、大人も少し一緒にやってみると子どもも片付けてくれたりします。
子どもも楽しみながら片付けが出来ますし、大人としても助かります(笑)
ごっこ遊びは年齢とともに内容が高度になっていきます。
次回以降はそれを順番に考えていこうと思います。
「顔を怪我する子が増えている」
これは最近になって始まったばかりではなく、数年前から言われています。
顔を怪我してしまうということは、転んだときに手がつけずに、顔から地面に激突してしまうということです。
どうしてこういったことが増えているのでしょうか。
時代と共に、公園や幼稚園、学校などに設置される遊具の安全性が見直され、落下して頭を打つなどの危険な怪我は減少傾向にあります。
ところが、顔の怪我だけは増加しているようです。
転んだ時や落ちた時に危険を回避する能力が低下しているというのが理由の1つだと考えられています。
=手をつけない
遊具をはじめとして、遊びの中での安全性が確保されてきたことはもちろん良いことですが、
それとともに、危険に対する免疫力が年々低下していることも事実としてあるようです。
遊びの中である程度のびのびと自由に、ちょっぴり危険を伴う経験も必要だそうです。
(★危険な遊びを推奨しているわけではありません。注意事項は守りましょう。)
安全性が確保されてきたことは素晴らしいことで、その環境をフルに活用できれば良いのですが、
そもそも外で体を動かして遊ぶ量が減っているのも、顔の怪我の増加(手がつけない子の増加)に関係しているようです。
屋外で遊ぶということは、不安定なところや、傾斜のあるところ、よく滑るところなど、様々な足場を経験します。
また、ぶつからない様に気を付けたり、転んだり、遊びの中で様々な姿勢の変化を経験します。
その中で子ども達は少しずつ、上手に転べるようになっていきます。
ところがその量が減っているため、なかなか自分自身で安全を確保する能力が育ちにくいようです。
子どもたちは、遊びをたくさん経験することで、自分の体を守る術を知っていきます。
安全にかかわる要素は下記の通りです。
・運動面(身体のサイズ感、運動能力)
・精神面(衝動や注意のコントロール)
・知的面(判断する、理解する)
・社会面(ルールを守る)
上手に転ぶ能力は、このうちの運動面に分類されます。
でも、それだけでは自分自身で安全を確保することはできません。
「ここは危ないな」と判断できる能力や、注意散漫になりすぎない能力も必要になってきます。
のびのびできる環境で繰り返し遊び、様々な経験をしていくことでこれらの能力が発達していきます。
遊びの環境自体が昔ほど危なくないこと、そして遊ぶ量が減っていること、これらが相まって顔の怪我が増えています。
解決策は、可能な限り外でたくさん遊ぶことです。
特に発達に特性がある子たちは、定型発達の子よりも十分な量が必要です。
春の暖かさが出てきましたので、スパーク西京極でも外での療育の頻度を少しずつ増やしていければなと思います。
この記事の参考文献
・幼児期運動指針実践ガイド 日本発育発達学会 編 杏林書院 2014