スタジオから日々のあれこれお届けします
スパーク西京極における療育環境の調整やメリットについてご紹介したいと思います。
スパーク西京極では、大きな部屋が一つと小さな部屋が一つあります。
同時に利用していただけるのは、最大3名のお子様です。
3名同時の場合は、大きな部屋を中央で区切って2名で空間を共有して遊んでいます。
残りの1名は小さな部屋で遊びます。
小さい部屋と大きい部屋の扉は閉め切ってしますが、
大きい部屋ではお子様2人が空間を共有することになります。
中央で区切っていますので、交わることは無いのですが
様子が見えたり、声が聞こえたりします。
こういった他の子が見える環境というのは、子どもにとってメリットがあります。
その1つがイメージをつかむきっかけになるということです。
遊びは型にはまったものではなく、イメージが膨らんで展開していくものです。
ところが、そのイメージがまだ未熟な子もいらっしゃいます。
そんな時に、他の子どもが遊んでいる姿というのがイメージをつかむきっかけになります。
実際、「ぼくもあれがしたい」といった言葉を聞いたり、真似て遊び始めたり、ジーっと食い入るように眺めていたりします。
とは言え、デメリットもあります。
視覚的にも聴覚的にも、隣で遊んでいる子どもからくる刺激で集中できないというお子様もいらっしゃいます。
集中できない以外にも、恥ずかしくて動けなくなることもあります。
その場合は、マットなどで衝立を作り、視覚情報を減らしています。
それだけでもかなり集中力が上がります。
それでも聴覚的な刺激で気が散ってしまう場合は、優先的に小さい部屋で療育を行うようにしています。
他の子が同じ空間にいることで良い刺激をもらって欲しい子、
集中して遊び込むことが必要な子、
他者がいる空間でも遊べる様になって欲しい子
パニックをおこしてしまいやすい子など、
1人1人に応じた環境を可能な限り整えて療育にあたっています。
地震をはじめとした有事の際の避難場所は「西京極小学校」です。
スタジオにも経路の地図を貼っているので、是非ご確認ください。
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定期的に避難訓練等も実施し、スタジオの安全管理に努めていこうと思います。
今回は、よくおしゃべりをする子について紹介していこうと思います。
「うちの子はよくしゃべるけれど大丈夫かなあ」という親御さんもいらっしゃると思いますので、
多弁というテーマで何かしら良い情報提供が出来ればと思います。
一般的な人と比べてしゃべりすぎなくらい「よくしゃべる」という人のことを多弁と言ったりします。
とにかく言葉が多く、こちらが入る隙もないくらいのマシンガントークが出ることもあります。
年齢を問わず多弁な人はいて、そもそもの気質であったり、何かしらの精神的な理由があったりと、その理由は様々だそうです。
多弁はADHDの特徴の1つとされています。
とは言え、多弁だけでADHDを疑ってしまって良いわけではないそうです。
なのでADHDについて改めて少しだけ触れておきたいと思います。
ADHDはAttention-deficit hyperactivity disorderの略です。
意外と略語を知らない方も多いかと。
Attention-deficit(注意欠陥)
Hyperactivity(多動)
disorder(不調、変調という意味合いが強い 一般的に想像される「障害」という意味合いではない)
この「多動」が体だけでなく「お口」の多動にも当てはまるとして「多弁」が兆候の1つとして言われます。
とは言え「多弁=ADHD」と決めつけることはできません。
というのも子ども達は4歳頃に「多弁」になる時期が訪れるからです。
子どもたちは生まれた瞬間に話ができるようになるわけでなく、
「うー」とか「あうあう」と言った喃語から始まって、
それが徐々に「ママ」「ブーブー」などの意味のある言葉が出始めて、
2語、3語と話すようになり、
多語文になり、
徐々に言葉が完成していきます。
そして4歳ごろ(個人差がありますので、発達の段階が4歳頃と捉えてください)になると、一応ではありますが、話し言葉が完成する時期になります。
この時期、子どもは話すことへの興味がとっても高まります。
話すことが楽しくて楽しくて、一時的に非常におしゃべりが多くなります。
この時期を「多弁期」と呼ぶこともあります。
ですが、これは一時的なものなので、ある程度満たされれば落ち着きます。
1日の中でゆっくり話を聞いてあげる時間を5分でも10分でも取ってあげることがあっても良いそうです。
ADHD特性による多弁なのか、言葉の完成時期による一時的な多弁なのか
じっくり様子を見てみることが必要になります。
4月8日、9日の2日間お休みをいただきまして、社内研修を行いました。
スパーク本部から清水先生と酒井先生に来ていただき、スパーク運動療育について改めて理解とスキルを深めることができました。
これからもスタッフ1人1人が自己研鑽を怠らず、子ども達と保護者の皆さまに寄り添った良い事業所づくりに励んでまいります。
数字や平仮名は小学校に入ってから学ぶものなので、無理に未就学の頃から勉強する必要はありません。
それでも、なかなか興味を持ってもらえないと保護者としては不安が残ります。
というわけで、今回は数字や平仮名になかなか興味を持てなかった子たちへの遊びの中での親しみ方を、
スタジオで実際に行ってきた遊びを例にしながら紹介していこうと思います。
また、将来的に数字や平仮名を覚えていく為に効果的な遊びを脳科学的なところと絡めて少し紹介できればと思います。
まずは数字や平仮名を好きになってもらうことや興味を持ってもらい、触れる機会をたくさん作ることを大切にしていました。
まず覚えなくても良いので、遊びの中で自然と数字や平仮名を織り交ぜていきました。
そうしているうちに、子ども達の方から「書きたい」「なんて読むの?」という言葉が増えてきました。
「からだすごろく」と言うとなんだかすごい感じがしますが、ルールや方法は普通のすごろくと同じです。
ただ、マス目をマットや台や段差、細く丸めたタオルなどにして、駒を自分自身にするというものです。
さいころでも良いですし、1~10までを書いた数字カードでもOKです。
スパーク西京極では、段ボールとカラーテープで作ったカードやさいころを使用しました。
出た目の数だけ自分自身が進むので、数の概念を体感しやすく、足場に変化をつけることで運動としての効果も期待できます。
1つだけ注意点が、、、。
子どもが勝つ様にしないと、心が折れてしまう場合があるので、こっそりと細工をしておく必要があります(苦笑)
なので、数字カードを引いて進む方がやりやすいです(笑)
年長さんくらいになると、「対決したい!」と言う子たちも多いです。
風船バレーボールやサッカー対決など、得点を競い合うゲーム遊びはとっても良い。
ホワイトボードに得点表を作ります。
得点表をつくるとなると、対戦者の名前を書かないといけません。
名前の下に得点を書いていきます。
なんとか書けるようになってほしい「自分の名前」に親しむ機会にもなります。
得点が入る度に数字も増えていくので、数字とも親しめます。
初めは保護者が書いてあげて良いです。
興味を持ち始めると、「自分で書きたい」と言うようになります。
この遊びでも注意が必要。
大人が勝つのはたまにでいいです(笑)
おんぶでも肩車でもOKです。
大人と子どもでとりあえず合体してロボットになります。
このロボットは、さいころの目や数字カードで出た数だけ歩きます。
もしくは、出た数字だけスピードがアップしたりダウンしたりします。
(10はとっても速くて、1はゆっくり など)
ロボットに名前を付けて、体に貼りつけても良いですね。
ひらがなに親しむ機会になります。
この遊びはある程度ひらがなを覚えてきた子で行いました。
平仮名かいじゅうは、ひらがなの書かれた紙を全身に貼りつけた怪獣です。
この怪獣をやっつけるには、怪獣が言った平仮名を取る必要があります。
平仮名が全部取れると怪獣は降参します。
将来的にひらがなや数字を覚えていくために、メインとなる領域は海馬と呼ばれています。
海馬は文字や運動など、あらゆるものを「憶える」ために必要な領域です。
文字そのものに触れる機会だけでなく、海馬を刺激するような遊びで土台となる力を養ってあげることも発達に効果があります。
海馬をよく使う遊びとして、神経衰弱などが有名です。
神経衰弱は無理にトランプでなくてもよくて、好きなイラストなどでも代用できます。
「覚える」という作業を使う遊びが効果的です。
最近では知育玩具も充実しているので、いろいろ調べてみるのも面白いかもしれません。
とにかく楽しいを第一に考えて、強制をすることはしません。
強制をしてしまうと、ひらがなや数字そのものが嫌いになってしまいます。
まずは興味を持ってもらうことを大切に、今回紹介したような遊びをスパーク西京極でも子ども達の気持ちに寄り添いながらおこなってきました。
ごっこ遊びを自分以外の他者と楽しむためには、「イメージを共有すること」が必要になります。
おままごとをするなら、家族のイメージ、仮面ライダーごっこなら、仮面ライダーのイメージがある程度共有されていないと成立しません。
1~2歳の頃に始まる初期のごっこ遊び(過去のブログを参照)では、そのイメージの共有がまだまだ上手くいかないので、お互いにかみ合っているのかいないのか、なんとも言えない感じになることもよくあります。
大人や年長の子が間に入って、イメージを繋ぐ役割をしてくれると、子ども同士で比較的スムーズにイメージの共有が可能になります。
もう少し発達が進んでくると、他者とイメージを共有できるようになってきます。
そうすると、大人やお友達とまずは1対1で遊べるようになります。
おおよそ発達年齢が3歳になるころにはそれが可能で、「ごっこ遊び」が成立しているなあという印象を受けます。
ただし、まだまだ遊ぶ対象は主に1対1です。
目の前の大人、目の前のお友達とのやり取りがメインで、複数人で集まって集団でごっこ遊びをするのはもう少し先です。
一緒にその場に集まって遊んでいるような雰囲気もありますが、イメージを複数名で共有できていたりできていなかったりします。
この時も大人やごっこ遊びの上手な子がイメージを繋ぐ役割を担うことで、1対2~3人で遊べたりします。
3~4人集まって、イメージを共有しながらごっこ遊びを展開するのは、おおよそ4歳の前半頃から。
この頃には大人が居なくても、子ども同士で共通のイメージを共有して遊び始めます。
ごっこ遊びのイメージ世界での簡単なルールを守るようになったり、必要なものを一緒に作るようになるのもこのころからです。
とは言え、「はじまる」というだけで完全に切り替わるわけではないので、別々の場所で同じような遊びをする「並行遊び」も行います。
少しずつお友達や大人などの他者と一緒イメージを共有する機会が増えていくような印象です。
その中で子ども同士巻き起こる衝突や問題解決、役割、イメージ共有などを通じて、子ども達は生きていくのに必要な力(想像力や思考力、共感性など)を伸ばしていきます。
遊びは子どもの発達に不可欠です。
ところが、様々な理由があって遊び足りていない子たちもいます。
遊び足りていないとは、疲れてエネルギーの限界まで遊ぶという意味ではなく、(それも大事ですが)
発達の段階として必要な遊びを、必要なだけ遊び込めていないというような意味合いです。
時間や空間が昔より減っていることはもちろんのこと、
その子の持つ個性や特性の影響で、他の子と遊ぶ機会が減ってしまうということもあります。
スパーク西京極では、子ども達1人1人の発達に必要な遊びの段階を見極め、大人が積極的にたくさん関わることで十分な遊ぶ機会を創出し、発達を促しています。