こんにちは。放課後等デイサービスカプリスです。
最近は、体幹という言葉が一般的に使われるようになり、体幹トレーニングの重要性も広く浸透してきています。
そもそも体幹とは、字のとおり体の幹になる胴体部分のことを指しますが、
なぜ、この体幹を鍛えることが重要なのでしょうか?
腕や脚だけを強く鍛えたとしても、それらを支える胴体部分がふらふらしていては、体が安定しません。
体幹を鍛えることは、日常生活の歩行や姿勢の改善、疲れにくい体づくりができるなど大いにメリットがあるのです。
子どもたちも例外ではなく、強い体幹を作ることが重要です。
発達障害を持つ子どもたちの中には、発達の特性によって生まれつき体幹が弱い子どもが多くいます。
体幹が弱いと体が安定しないので、スムーズに活動できないことが少なからずあります。
例えば、、、
・食事に時間がかかる
・勉強したくても長時間座ることが難しい
・字を書くことがうまくできない
・友達と同じように遊べない、すぐに疲れてしまう
・身体がぐにゃぐにゃ・フラフラとしてうまく体操や運動ができない
など、体幹の弱さは、日常のあらゆる場面での困りごとにつながります。
発達障害を抱える子どもたちは、障害特性による直接的な困りごとのほかにも、
目には見えないところで、周囲の人が想像もできないような
多くの生き辛さやストレスに悩まされていることがあります。
できる・できないなどの表面的な行動だけで判断せず、
できていても無理をしていないか、できない場合はその理由や背景をしっかりと見極めてあげることが大切です。
<体幹が弱い子どもに見られる3つの特徴>
体幹が弱い子どもに見られるのは、主に以下のような特徴です。
・「姿勢が悪くなる」
・「集中力が低下してじっとしていられない」
・「まっすぐ走れない」
体幹の弱さからくる特徴では、姿勢が悪くなることが一番想像しやすいかもしれませんが、
実は、集中力や運動面などで困りごとが出てきます。
このような特徴は家庭でも見られるものですが、学校のような集団生活の場のほうが、よりはっきりと見えてきます。
姿勢が悪くなる
体幹が弱いと体が上手に支えられない為、姿勢の保持が困難です。
「まっすぐ座れない」「背もたれにもたれて、足を前に投げ出す」「猫背で頬づえをつく」
「机に突っ伏してしまう」「椅子の上に足を乗せて膝を立てる」などの行動が見られます。
立ち姿勢でも「まっすぐ立てない」「ふらふらしている」ことが多く、安定しません。
その見た目から、やる気がない・態度が悪いと誤解されてしまうことがありますが、決してそうではありません。
体幹が弱いために自分の体重を支えられずどうにか座っているので、このような状態になってしまいます。
集中力が低下してじっとしていられない
姿勢保持が困難なので、長時間座っているなど同じ姿勢でいることはとても辛いことです。
そのため、椅子に座っている時も足をぶらぶらさせたり、何度も立ち歩いてしまったり、
時には寝転んでしまうこともあります。
この状態では、授業を受けたくても集中することが難しくなってしまいますね。
また、じっとしていられないことで、ADHD(注意欠如・多動性障害)特性の多動と間違われることもあります。
まっすぐ走れない
体の軸が安定しないので、まっすぐに走ることが困難です。
走ろうとしても体がぐにゃぐにゃして、うまくバランスが取れず、
ドタバタ走ったりふらふらしてしまうので、かけっこでも速く走ることができません。
〈体幹が弱い子ことで生じる2つの困りごと〉
体幹が弱いことは、想像以上に子どもの心身の成長に影響を与えます。
子どもが家庭に次いで多くの時間を過ごす学校生活の中でも、
学習、運動、遊び、食事など、すべての活動での困りごとにつながりやすくなります。
できないことや辛いことが多いと、子どもの自信や自己肯定感を下げてしまうことになり、
心の成長にも影響を与えてしまいかねません。
全身の発達に影響する
子どもの発達には、中心から末端に、上から下に向かって発達していく順序性があります。
つまり、体の中心である体幹が十分に発達していなければ、その先の腕や指先、足などの発達は促されません。
全身をバランス良く発達させていくためには、
まずは体の軸になる体幹をしっかりと育てておくことが前提条件になるのです。
学校生活が辛くなる
学校では、椅子に座って授業を受ける時間がとても長いので、
姿勢保持の難しさや集中できないことによる困りごとや辛さが、より顕著に現れます。
また、まっすぐ走れないことで体育の授業や運動会などで、悲しい思いをすることもあります。
友達との遊びで鬼ごっこやサッカーなどをして遊ぶときにも、
運動面の苦手さが影響して、楽しく遊べないことがあります。
こうしたことが毎日続くと、だんだんと学校へ行くことが辛くなってしまいます。
また学校の授業は、小学校なら45分です。
45分間椅子に座ったままで姿勢を保ち続け、なおかつ先生の話に耳を傾けて授業に集中しなければいけません。
体幹が弱い子にとっては、座り姿勢を保つことだけで精一杯なことです。
その状態でさらに先生の話を聞き、板書をノートに書き写すなどは大人の想像以上に難しく、
座っているのが辛くて、席を立って歩きまわってしまう子どももいます。
そうなると、授業への参加自体が難しくなってしまいます。
授業中に集中して話を聞くことや活動への参加ができないと、
知的な遅れはないのに勉強についていけず、自信を無くし学力低下に陥ってしまうこともあります。
まずは遊びの中で楽しく体幹トレーニング
では、どのように体幹を鍛えていけば良いのでしょうか?
子どもたちが無理なく体幹トレーニングを続けるためには、
遊びの中で楽しく行うことが最も重要なポイントになります。
例えば、トランポリンや縄跳びなどのジャンプ遊び、木登りやジャングルジム、ブランコなど
公園にある遊具で遊ぶことも、体幹やバランス感覚を鍛えるトレーニングになるのでオススメです。
ぜひ、子どもが楽しくトライできるトレーニング遊びを見つけてあげてください。
例えば、縄越え遊び。
これは、カプリスでも盛り上がる遊びのひとつです。
①2つの椅子の足などにゴム紐をくくりつけて、高さのある障害物を作ります。
②ゴム紐の前に立ち、両足を揃えたカンガルージャンプでゴム紐を跳び越えます。
③ゴム紐に当たらずに跳び越せるようになったら、着地で音がしない静かなジャンプで行ってみよう!
腕を振って、膝のクッションを使い、足の指先を強く踏ん張るのがポイントです。
この遊びでは、高さのある障害物を跳び越えることで、跳躍力や空間認知力が養われます。
また、ジャンプ遊びでは腹筋背筋を刺激して、体幹も鍛えることができます。
音がしない静かなジャンプができるようになると、足の指先の踏ん張る力が付いて、
立ち姿勢でふらふらしなくなります。
さらに全身の連動性も身に付くので、スムーズでなめらかな動きの獲得にもつながっていきます。
他にも牛乳パックで作った「牛乳パックぽっくり」で競争をし、楽しみながらバランス感覚を鍛えています。
子どもにとっては、遊んでいるだけで力が身に付きできることが増えるので、
楽しくてどんどん取り組み、さらにどんどん力がつく!!という好循環の中で無理なく活動していくことができます。
※牛乳ぽっくりについて、詳しく書いているブログもあるので、そちらも併せてお読みください。
このようにカプリスでは、運動専用の広い療育室や公園で、遊びながら楽しく体幹トレーニングをしています(^^)
身体を動かすことによって体幹を鍛え、集中力が高まり、学習面でも高い効果が得られています。
体験や見学は随時受付中です!お気軽にお問い合わせください。