スパークでは発達心理学に基づいて遊びを7段階に分けて考えています。
遊びの段階は子どもたちの発達の段階とリンクしており、療育で提供する遊びの内容もこの段階に沿ったものとなっています。
スパークでは「遊びの進化レベル」と呼んだりもしています。
お子様の普段の様子や療育時の様子と重ね合わせて読んでいただければと思います。
まず最初は他者やその遊びに対して注意が向くかどうかです。
療育の時であれば療育士が遊んでいる感覚情報(視覚:療育士の動き、聴覚:声や音 etc)に対して注意が向く様子があるかどうかです。
感覚情報として入ってきた情報に対して「なんだろう?」と興味を示すのが次の段階です。
注意を向けるだけではなく、「なんだろう?」と考えるため1つ段階が上がっています。
「なんだろう?」と興味を示した感覚情報に対して、「自分も行ってみよう、やってみよう」と行動に移す段階です。
興味を行動に移したということで1つ段階が上がっていると考えます。
行動に対して意味が見いだせてくるとまた一つ段階が上がります。
行動と意味の違いをボール遊びを例に紹介します。
行動:療育士がボールを投げている様子に興味を持ち、子どももボールを投げて遊ぶ。
意味:目標に向かってボールを投げる。 療育士の方へ投げたり、的を狙って投げたりする。
ただその場で投げるという遊びは行動の段階ですが、そこに「狙う」という意味が追加されると遊びの段階が上がります。
なんとなく理解いただけましたでしょうか?
意味の段階から複雑化の段階は少しハードルが上がります。
「複雑化」の段階では、遊びから受ける感覚情報やルール、情報量が増えます。
意味の段階である「的を狙ってボールを投げる遊び」に、以下のような変化が加わると複雑化になります。
・的の場所が変わる
・いろいろな的を狙う
・指定された的を狙う
・指定されたボールを探して、的に当てる
など
明らかに遊びが高度化していることが分かります。
療育士からこういった変化を提案するときに、子どもにはストレスがかかる場合があります。
なぜなら「変化」を伴うことと、「他者とのやりとり」が不可欠になるからです。
ですが、これも発達に必要な乗り越えるべきストレスであり、療育士のサポートを受けながら子どもたちは成長していきます。
複雑化の段階がしっかりしてくると子ども自らルールを提案したり、遊びに変化を持たせて膨らませていく様子が見られます。
そのようなときには、さらに高度なやり取りが療育士との間でなされ、子どもたちは関係性の発達を伸ばしていきます。
複雑化した遊びを自ら提案し、その中でリズミカルな動きができる様になってきたり、遊びの中で起こる変化に対して素早く反応できることで律動的な段階に進化します。
例えば、的になる療育士の数や距離が素早く様々に変化するのにも対応し、展開に付いて行くことが出来るとこの段階になります。
療育士や同じ時間帯にシェアしている子と役割交代をすることができ、自らルールなどを指定することも出来るような段階です。
遊びをただ単に自分のペースに持ち込むのではなく、相手のことも考えながらという段階になります。
この段階まで来ると、そのさらに上の段階だと考える「ごっこ遊び」「チームゲーム」などに取り組みやすくなります。
この遊びの段階が高いから良くて、低いからダメというものではありません。
もちろん最終的に⑦の段階まで到達し、さらに複雑な遊び、人間関係の構築ができる事に越したことはありません。
ですが、まずは1人1人の子どもたちが今の場所から着実に成長していくことが大切です。
遊びの進化レベルはその目安になるものです。