ハイハイは大切!

赤ちゃんが生まれてから歩けるようになるまでに通る道、ハイハイ。

実は、このハイハイはとっても大切な運動なのです。


ハイハイがどういう運動か。

人の体は、体幹部(腕、脚、頭を除いた胴体部分)に力が入り、背骨が安定して、初めて四肢(腕や脚)がしっかりと動きます。


ハイハイは体幹をまっすぐにし、腕と脚を動かす動作です。

腕と足でしっかりと体を支えないと、前に進むことが出来ません。


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赤ちゃんは何度もハイハイをすることによって、体幹を安定させて四肢を動かす機能を高めていきます。

この機能は、立って歩くことを始め、様々な運動をする上での大事な基礎となってきます。


また、ハイハイをするときにはしっかりと手をパーで地面について、体を支えないといけません。

これは将来的に、こけた際に地面に手をつく動き、押す動きなど、様々なシーンに繋がってきます。


ハイハイの期間が短かった、段階を飛ばして立ってしまったなどが、後々身体機能の発達に響いてくることもあると聞きます。

カプリスでは療育の遊びの中で、トンネルをくぐったり、マットによじ登ったり、といった自然な形でハイハイができる遊びに取り組んでいます。

こういった遊びを通じて、体幹や手の機能も高まっていくことが期待されます。

手先が不器用【身体の発達は中心から末端へ】

保護者の方から、「うちの子は手先が不器用で心配です・・・」

というお声をよく頂きます。

そこで今回は、身体の発達について少しお話します。


子どもたちが大人と同じように全身を使って活動したり、手先が器用になったりするには、長い時間が掛かります。

身体機能の発達は、「上から下」「中心から末端」と言われています。

「手先が不器用」というお悩みに対して、手先を使う細かい運動を繰り返すこともそれなりには大切です。

ただ、体を大きく使う運動が手先の発達には大きく関係しています。

1人1人の段階に合わせた遊びやかかわりが効果的です。


上から下、中心から末端へ

子どもの身体機能の発達が「中心から末端」と言われてもイメージしにくいと思いますので、説明します。


一番わかりやすいのは赤ちゃんです。

始めは首が座るだけだったのが、寝返り、おすわり、に発展します。

徐々に末端が成長し始め、腕、脚が発達し始めると、ずりばいやハイハイをします。

更に発達が下、末端へ進むことで立つこと、歩くことができるようになります。


首から始まって最後は足(上から下)。

胴体の動きから手足の動きへ(中心から末端)。


身体機能の発達は、おおまかにこのようになっています。

この順番は、立って歩けるようになる段階で終わるわけではありません。

成熟するまで続いていきます。


手先が上手に使えるには?

手先が上手に使えるまでの「中心から末端」の経路を見ていきます。


胴体と腕が繋がっているところ(肩)の動きが自由になる

肘の曲げ伸ばしが自由になる

手首の動きが自由になる

手を握る、開く動きが自由になる(力がつく)

指先を自由に使えるようになる


段階がもっとも分かりやすいのが、お絵かきです。

腕全体で殴り描きするような段階は、肩や肘がメインです。

細かい線などは無理だけれど、おおざっぱになぞったりできるようになってくると、少しずつ手首も使えるように。

指先を使えるようになってくると、細かい絵を描けるようになってきます。


どんな遊びをする?

「手先が不器用だから、手先を使う細かい遊びをする」

前述したとおり、これも確かに大切です。

できないからといって、経験を奪ってしまうことは良くないです。


それと並行して、手のひらは「自由自在に力を調整しながら握ったり開いたりできるか」を確認します。

もしそれがまだなら、クマさん歩き、手押し車、

他にも手押し相撲、引っ張りあいっこ、鉄棒にぶら下がり、ジャングルジム、といった遊びを積極的に取り入れたいところです。


意識的に手のひらを開くこと、握ることを繰り返すことで、指先の前段階である手のひらの発達を促す、ことができます。

ふにゃふにゃっと握っている場合は、

「ぎゅーだよ」とか「パーだよ」と言った声掛けや、実際に手をひらいて教えてあげることも子どもたちには効果的です。

「開く」「握る」といった言葉が分かりにくい場合は、「ギュー」などの擬音語+触れてあげることの方が伝わりやすいです。


カプリスでは、身体を大きく動かす粗大運動や有酸素運動を大切にしています。

手先の不器用さを改善させるために、絵を一生懸命に描かせたり、手指を使う制作ばかりしたり、その出来栄えを評価したりはしません。

身体機能の発達理論に基づいて、「上から下」「中心から末端」を意識しながら、

遊びをとおして楽しく身体を動かし、「できた!」「やった!」の気持ちをいっぱい味わいながら、心身の発達を目指しています。

「聞いて聞いて」に寄り添うために

 日頃は花咲くみらいカプリスにご理解、ご協力ありがとうございます。

まだまだ寒さが厳しい日が続いていますが、少しずつ春の気配も感じられるようになってきました。

進級や卒園が近づき、一人ひとりの成長を感じる季節でもあります。残りのカプリスでの生活も楽しく過ごせるよう、温かく見守っていきたいと思います。


 さて、子どもたちからよく「聞いて!」「みて!」という声がたくさん聞こえることはありませんか?

成長の中で子どもたちは、自分の経験や考えを誰かに伝えたい気持ちをどんどんふくらませています。

これは、「聞いて、聞いての時期」とも呼ばれ、自己表現や自己肯定感を育む大切なプロセスです。

この時期の子どもたちは、自分の話を聞いてもらえることで「自分は大切にされている」と感じ、安心感を得ます。

そして、その安心感がさらなる成長や挑戦の力になります。

また、「聞いて」「見て」と伝えようとするのは、自分の気持ちや考えを共有したいという成長のサインでもあります。

カプリスでは、子どもの話しをじっくり聞く時間を大切にし、その気持ちを広げるための質問や声掛けを行っています。

「聞いて 聞いて」の行動を、要求ではなく、自己表現やコミュニケーションを育てるチャンスとして捉えています。


忙しい日々ですが、子どもの話に

①じっくり耳を傾ける

②共感し受け止める

③質問して興味を示す

時間を親子でできる範囲で作ってみてはいかがでしょうか。

こうした時間をつくる、設けることで、子どもとの信頼関係がより深まり自己表現も豊かになっていきます。


子どもたちがたくさんの「聞いて 聞いて」を届けてくれるのは、親子の絆がしっかりと築かれている証でもあります。

この貴重な時期を一緒に見守っていけることを楽しみにしています。

季節の変わり目が苦手なのはなぜ??

 ここ最近、朝晩の気温差を感じるようになってきました。

温度差が大きくなる季節の変わり目は大人でも体調不良になりやすいです。

この時期の子どもの様子で、

「朝から身体がだるそうでボーっとしている」

「あまりご飯をたべてくれない」

「いらいらしていて癇癪が増えた」

などの困りごとはないでしょうか。

理由はさまざまあるのですが、今回は3つ挙げてお話します。


①生活リズムの乱れ

日照時間や気温が変動し、朝起きる時間や寝る時間のリズムが崩れやすくなります。

特に発達障害のある子どもは、体内時計の調整が難しい傾向があるため、生活リズムが崩れると睡眠の質が低下し、体調が不安定になることがあります。


②感覚の敏感さ

発達障害のある子どもは、温度や湿度の変化に対して敏感であることが多く、体の不快感や疲労感を引き起こしやすいです。

寒さや暑さを強く感じやすいので、ストレスや不快感が積み重なり、体調不良につながりやすくなります。


③ストレスや不安の増加

季節が変わると保育園、幼稚園、家庭のスケジュールも変化するため、ルーティンの乱れにストレスや不安を感じる子どもが多くいます。

変化に対応しづらい特性を持つ子どもにとって、予定が不規則になったり、周囲が慌ただしくなったりすることで体調に影響を及ぼしやすくなります。


これらの理由もあり、季節の変わり目には体調不良が生じやすいと考えられています。

カプリスでも、その日その日の子どもたちの様子を見ながら、ストレスを軽減する工夫をしています。

安心できる環境でストレスを下げて、楽しく過ごしてもらいたいと思います。

写し絵における効果

年中・年長児さんの小集団療育では、写し絵に取り組んでいます。

写し絵とは、お手本の上に白い紙を重ねてなぞる遊びです。

見本の絵を紙の上から、鉛筆などでなぞると、思い描いた絵に極めて近い作品ができます。

写し絵はさまざまな面で子どもの発達やスキル向上に役立つことが知られています。特に発達障害や学習障害を持つ子どもにとって、写し絵は次のような効果をもたらす可能性があります。


1視覚・運動協調性の向上

・写し絵は、目で見たものを手で再現する過程を通じて、視覚と運動の協調性を養います。これにより、手先の器用さや細かい動きをコントロールする力が向上します。

・視覚と手の動きを一致させる練習ができるため、書字のスキル向上にもつながります。


2集中力の向上

・写し絵を行う際には、細部を観察し、慎重に線をたどる必要があります。これにより、集中力が養われ、持続的に一つの活動に取りくむ力が強化されます。

・絵を完成させるという達成感が集中力を持続させる動機付けになります。


3自信と達成感の向上

・写し絵は、比較的簡単に形を再現できるため、成功体験を積みやすいです。これにより、自己肯定感や自信が高まり、次の課題に取りくむ意欲が生まれます。

・「できた」という経験が、他の活動に対しても積極的に挑戦する姿勢を育む可能性があります。


4認知能力の向上

・線や形、パターンをたどることで、形状認識や空間認識が向上します。これらの認知スキルは、他の学習活動や日常生活にも応用可能です。


5創造性の発展

・初めは写し絵として作品をなぞることから始まりますが、次第に自分のアイディアやアレンジを加えるようになることで、創造性が育まれます。

・写し絵を通じて得たスキルを応用して、自分で絵を描く力が発展することもあります。


6感覚統合の促進

・写し絵はでは、視覚的な入力とそれに対する運動的な出力が統合されます。これが、感覚統合のトレーニングになります。

感覚統合が改善されると、生活全般においても自分の身体や周囲の環境に対する理解が深まり、適切な反応ができるようになります。


7社会的スキルの向上

・お友だちと写し絵を見せあったり、感想を言いあったりする機会が増えます。これにより、コミュニケーション能力や協調性が向上します。


写し絵はこれらの効果を得る為の療育手段です。

楽しく取りくみ、自信を育み、さまざまなスキルを総合的に発達させることが期待できます。

カプリスで完成させた、写し絵を是非一緒に見てあげてください!!

熱中症に注意!!

今年は例年よりかなり遅れて梅雨入りしましたね。

梅雨が明けると、夏本番です。

今年も猛暑が予想され、熱中症が心配な季節がやってきます。

特に発達障害のある子どもは熱中症になりやすいため、注意が必要です。

なぜ、熱中症になりやすいのでしょうか?

主な原因は3つあります。


①汗をかきにくく体に熱がこもってしまう

人は自律神経機能の働きで気温の上下に関わらず、体温を一定に保とうとバランスをとっています。

しかし、発達障害などによりこの機能の働きが悪い場合、暑い所にいると体温はだんだん上がり、寒い所にいると体温は下がってしまいます。

体温調節が苦手なタイプは汗が出にくいために、熱が体にこもってしまうのです。


②「あつい」「のどがかわいた」などを上手く伝えることが難しい

発達障害のある子どもの中には、自分の体に起こっている暑さ、寒さ、空腹感、痛みや疲れなどの症状に鈍感な場合があります。

そのため暑いということや、のどがかわいたことを自覚できず、周囲に伝えられない場合があります。


③特定の服装にこだわりがあり、気温が高くても厚着をしてしまう

こだわりの強さや感覚面のかたよりによって、季節にあわない服を着る場合があります。


カプリスでは、療育中の子どもたちの様子を見ながら水分補給の声かけや室温の調節を行い、子どもたちが少しでも快適に過ごせるように配慮しています。

暑さ対策をしながら、元気に夏をのりきりたいですね!!

新年度は不安定になりやすい・・・

新年度は子どもも親も慣れない環境に、かなりの不安や悩みが出てくる時期だと思います。寒暖差の影響や気圧の変化の影響などで気分が落ち込んでしまうこともあります。

今回は新しい生活によってストレスを感じやすいのはなぜか??についてお話ししたいと思います。さまざまな理由がありますが3つご紹介します。

①環境の変化が苦手

発達に凸凹がある子は環境の変化についていくことが苦手な傾向があります。特に人の変化に慣れることに時間がかかり、進級がストレスの一つになることがあります。

②不安や恐怖を感じやすい

想像できないことに対して不安を抱いたり、想像しすぎて不安になってしまったりと、慣れないことに対する、不安や恐怖を感じやすいことがあります。

③感覚過敏

担任の先生の声や同じクラスの子の声、周囲から聞こえてくる音など聞こえ方が変わってきます。保育室が変わる場合は、光の入り方や、給食室が近くなるなどの理由で臭いによる苦痛も伴う場合もあります。


このような自分が感じているさまざまな思いを誰かに伝えることが難しく、それもストレスに繋がっていると考えられます。

子どもたちの表情をよく観察しながら、子どもからの小さなSOSに気付けるように。

カプリスではメンタル面でのサポートもしています。

お子さまが楽しい気持ちで新生活が送れますように☆彡 

なぜ、じっと座っていることが出来ないの?

日頃、花咲くみらいカプリスの活動にご理解・ご協力ありがとうございます。

今回は、落ち着きがなくじっと座っていられないお子さんの特徴と対策についてお話します。


じっと座っていられない。同じ場所にいることが出来ない。

なんで?と感じる保護者の方もおられると思います。

その理由として・・・

★外からの情報量(換気扇の音や工事現場の音・緊急車両の音・他者の話し声など)が多くて集中できない

★気が散りやすい・他人のことが気になってしまう

★体感が弱く、同じ姿勢を保持出来ない

★椅子が体のサイズに合っていないため、足が宙に浮いている

★今、何する時なのかを理解していない

など、様々な要因が考えられます。


では、どのようにすれば座れる時間が長くなるのでしょうか。

一例としていくつか挙げてみました。


★体幹や筋力をつける

→まずは身体を大きくたくさん動かして、自分の身体を知ることが大切です。

→バランスボールや鉄棒・トランポリンなど、身近な遊具でも体幹は鍛えられます。

→体幹がしっかりすると、姿勢よく椅子に座ることが出来ます。


★活動の見通しをつける

→次に何をするのか、その活動をどこまで頑張ればいいのか、などをお子さまがわかるように示すことが大切です。

→視覚優位なお子さまも多いので、絵や図で示すことも有効です。


★終わりを明確にする

→ご褒美シールなどを活用し、終わりを明確に伝えることで、ここまで頑張ろうという気持ちが芽生えます。


★細かく区切りを付ける

→「ここまで出来たら見せに来てね」など細かく区切りをつけ、座っている時間の中に、ほんの少し立つ機会も作ります。


全てが効果的というわけではなく、お子さまによりそれぞれなのですが、

どの方法が一番合うのかを、一緒に模索していければと思います。


落ち着きがないのはどうして?~感覚の統合が上手くいくには~

日頃は、花咲くみらいカプリスの活動にご理解・ご協力をありがとうございます。


子どもがじっとしていられない、落ち着きなく動く、などには以下のような理由が考えられます。

例えば・・・

①動きたい

②今いる場所やしていることに興味が持てない

③気持ちを上手く言葉で伝えられない・伝わらない

④気になること(情報)がたくさんあって落ち着かない

⑤不安感が強い

感覚の統合の未発達 などなど・・・

今回は、⑥の感覚統合について少しお話します。


そもそも感覚統合って何!?

感覚統合とは、脳に入ってくるさまざまな感覚刺激を、目的に応じて整理整頓・調整することです。

脳に入ってくる刺激の交通整理が出来るようになる=感覚を統合する、ことになります。


例えば、今目の前で話をしている相手がいるとします。

その声の他にも人は、さまざまな声や音を同時にキャッチしています。

別で話をしている人の声・工事現場の音・電車の音・鳥や動物の鳴き声など・・・《キャッチされた音=聴覚刺激》です。

入ってくる様々な情報は、脳の中で重要なものかそうでないものに分けられ、音のボリュームが調整されます。

話をしている相手の声は大きく聞こえるように。その他の音は小さくあまり聞こえなくなる。という様に調整されています。

この調整が上手くいっている状態=感覚統合ができている状態、環境に対して順応が出来ている状態、です。

それに対して感覚統合が上手くいかない時は、全ての音が同じボリュームで聞こえているというイメージです。

この状態の時に落ち着いて相手の話に集中することは大人でも難しいです。


感覚刺激には、目から入ってくる視覚刺激、耳から入ってくる聴覚刺激、皮膚で感じる触覚刺激など、なじみ深い「五感」があります。また、無意識に使っている、前庭覚(平衡感覚)や固有覚(力の入れ具合)という感覚もあります。

こうした感覚刺激に対して、私たちは生きるための原始的な反射である「防衛反応」をします。この反応が、落ち着きのなさと関わるポイントです。

例えば、たくさんの人がいてあちこちから話し声がするところ、大きな音がする場所、密閉された空間でマイクを通した音が聞こえる場面などで、落ち着きがなくなることがある。もしくは、耳をふさぐ、その場から立ち去ろうとする、泣き叫ぶ。
聴覚過敏による防衛反応の可能性が考えられます。

また、感覚統合が上手くいっていない場合に起こることとして、足元が不安定な場所や電車の中など、揺れにおびえて落ち着かない。
⇒前庭覚(平衡感覚)の感覚統合がうまくいっていない時期にある、重力不安の可能性が考えられます。

そんな時の対応方として・・・

【原始系】⇒【識別系】

感覚刺激の交通整理が追い付いていない場合は、原始的な反応をしているだけなので、識別系のスイッチを入れてあげると良いです。

識別系のスイッチとは、ものを見て、触って、音を聞いて、「ん?これなんだ?」と確かめようとする仕組みのことです。

例えば、髪の毛を切ることを嫌がる子どもたちは、首筋や耳に冷たい刃物が当たった時の感覚刺激に対して、原始的な反射である触覚防衛反応がはたらいていることが多いと言われています。
そんな時は、はさみを見せて触らせたり、鏡を見せてどんな風に切るのかを確認させたり、実際に大人が髪の毛を切られている場面を見せたりすると、これから何が起こるのかを理解し確かめることによって、原始的な反射にブレーキがかかるようになります。

このように、感覚の統合がうまくいっていない子どもたちには、「普段から感覚刺激を入れつつ、識別系のネットワークが優位になるようにかかわる」ことも、ポイントの一つです。

是非、お子さまとお出かけされた時などに感覚を意識出来るような声掛けをしてみてあげて下さい。

勝敗のある遊びを楽しむためには

今回は、たとえゲームに負けても勝敗のある遊びを楽しめるにはどうすればいいか、考えていきたいと思います。

カプリスでは、ルールのある遊びや勝ち負けの付くゲームなどをたくさんしています。

ゲームに負けると大人でも多少は悔しさを感じるものですが、成長過程にある子ども、特に未就学児のお子さんは、自分が負けることや思い通りにならないことに対して、怒りを抑えきれないことがあります。

ゲーム中に泣き出したり、癇癪を起こしたり、負けると分かるとゲームを途中で投げ出してしまったり・・・

自分が勝てるようにゲームのルールを勝手に変えてしまうお子さんも、カプリスにはたくさんいます。

なぜそんなことをしてしまうのか?

自分の負の感情と向き合えず、感情のコントロールがうまく出来ないことが大きな理由です。


ゲームに負けて悔しいと思うことは、決して悪いことではありません。

悔しいと思う気持ちが、次へのステップややる気に繋がることも多いものです。

また、勝つためにどうすれば良いかを試行錯誤することで、考える力も育ちます。

カプリスでは、感情のコントロールが少しずつ出来るように、以下の4つの方法を療育中に実践しています。


1つ目は、勝っても負けても「楽しいこと」を伝える

 競い合うこと自体の楽しさや、負けても学びや成長に繋がる楽しさがあることを、丁寧に伝えています。

 年長児の小集団療育では、勝敗の場面を実際に体験し「勝っても負けても楽しさがある」ことに気付くきっかけを作ってい   

 ます。

2つ目は、勝った時、負けた時の振る舞い方を伝える

 まずは、ゲームを始める前に「勝負ごとには勝ち負けがある」ことを認識してもらいます。

 ・自分が勝った時に、負けたお友だちをからかわない

 ・自分が負けた時は、勝った人を拍手する

 など、勝っても負けてもお互いが気持ち良く楽しむための約束をします。

 負けても約束が守れると、しっかりと褒めて「楽しくゲームに参加できた!」という自信が持てるように

 サポートしています。

3つ目は、負けた時もたくさん褒める

 たとえ負けてしまっても、

 「ここがかっこよかったよ!」「ここの時、上手に出来ていたね!」「あと少しだったね」など、

 具体的に褒めることで自己肯定感を高められるようにしています。

4つ目は、「勝たせてあげる」ことは控えめに

 大人が手加減して子どもに勝たせてあげることはその場しのぎであり、本来身に付けなければならない、

 「負けた時の振る舞い方」や、「感情のコントロール」を習得できるチャンスが減ってしまいます。

 カプリスでは、勝つだけでなく、あえて負ける経験もたくさんしてもらいます。


勝敗のある遊びを繰り返すことで、泣いたりわめいたりしながらも、少しずつ感情のコントロールができるようになってもらいたいと思っています。

ゲームを通して学びやワクワク感を楽しめるよう、子どもたちと一緒にたくさん身体を動かして遊んでいきます!