なぜ、じっと座っていることが出来ないの?

日頃、花咲くみらいカプリスの活動にご理解・ご協力ありがとうございます。

今回は、落ち着きがなくじっと座っていられないお子さんの特徴と対策についてお話します。


じっと座っていられない。同じ場所にいることが出来ない。

なんで?と感じる保護者の方もおられると思います。

その理由として・・・

★外からの情報量(換気扇の音や工事現場の音・緊急車両の音・他者の話し声など)が多くて集中できない

★気が散りやすい・他人のことが気になってしまう

★体感が弱く、同じ姿勢を保持出来ない

★椅子が体のサイズに合っていないため、足が宙に浮いている

★今、何する時なのかを理解していない

など、様々な要因が考えられます。


では、どのようにすれば座れる時間が長くなるのでしょうか。

一例としていくつか挙げてみました。


★体幹や筋力をつける

→まずは身体を大きくたくさん動かして、自分の身体を知ることが大切です。

→バランスボールや鉄棒・トランポリンなど、身近な遊具でも体幹は鍛えられます。

→体幹がしっかりすると、姿勢よく椅子に座ることが出来ます。


★活動の見通しをつける

→次に何をするのか、その活動をどこまで頑張ればいいのか、などをお子さまがわかるように示すことが大切です。

→視覚優位なお子さまも多いので、絵や図で示すことも有効です。


★終わりを明確にする

→ご褒美シールなどを活用し、終わりを明確に伝えることで、ここまで頑張ろうという気持ちが芽生えます。


★細かく区切りを付ける

→「ここまで出来たら見せに来てね」など細かく区切りをつけ、座っている時間の中に、ほんの少し立つ機会も作ります。


全てが効果的というわけではなく、お子さまによりそれぞれなのですが、

どの方法が一番合うのかを、一緒に模索していければと思います。


落ち着きがないのはどうして?~感覚の統合が上手くいくには~

日頃は、花咲くみらいカプリスの活動にご理解・ご協力をありがとうございます。


子どもがじっとしていられない、落ち着きなく動く、などには以下のような理由が考えられます。

例えば・・・

①動きたい

②今いる場所やしていることに興味が持てない

③気持ちを上手く言葉で伝えられない・伝わらない

④気になること(情報)がたくさんあって落ち着かない

⑤不安感が強い

感覚の統合の未発達 などなど・・・

今回は、⑥の感覚統合について少しお話します。


そもそも感覚統合って何!?

感覚統合とは、脳に入ってくるさまざまな感覚刺激を、目的に応じて整理整頓・調整することです。

脳に入ってくる刺激の交通整理が出来るようになる=感覚を統合する、ことになります。


例えば、今目の前で話をしている相手がいるとします。

その声の他にも人は、さまざまな声や音を同時にキャッチしています。

別で話をしている人の声・工事現場の音・電車の音・鳥や動物の鳴き声など・・・《キャッチされた音=聴覚刺激》です。

入ってくる様々な情報は、脳の中で重要なものかそうでないものに分けられ、音のボリュームが調整されます。

話をしている相手の声は大きく聞こえるように。その他の音は小さくあまり聞こえなくなる。という様に調整されています。

この調整が上手くいっている状態=感覚統合ができている状態、環境に対して順応が出来ている状態、です。

それに対して感覚統合が上手くいかない時は、全ての音が同じボリュームで聞こえているというイメージです。

この状態の時に落ち着いて相手の話に集中することは大人でも難しいです。


感覚刺激には、目から入ってくる視覚刺激、耳から入ってくる聴覚刺激、皮膚で感じる触覚刺激など、なじみ深い「五感」があります。また、無意識に使っている、前庭覚(平衡感覚)や固有覚(力の入れ具合)という感覚もあります。

こうした感覚刺激に対して、私たちは生きるための原始的な反射である「防衛反応」をします。この反応が、落ち着きのなさと関わるポイントです。

例えば、たくさんの人がいてあちこちから話し声がするところ、大きな音がする場所、密閉された空間でマイクを通した音が聞こえる場面などで、落ち着きがなくなることがある。もしくは、耳をふさぐ、その場から立ち去ろうとする、泣き叫ぶ。
聴覚過敏による防衛反応の可能性が考えられます。

また、感覚統合が上手くいっていない場合に起こることとして、足元が不安定な場所や電車の中など、揺れにおびえて落ち着かない。
⇒前庭覚(平衡感覚)の感覚統合がうまくいっていない時期にある、重力不安の可能性が考えられます。

そんな時の対応方として・・・

【原始系】⇒【識別系】

感覚刺激の交通整理が追い付いていない場合は、原始的な反応をしているだけなので、識別系のスイッチを入れてあげると良いです。

識別系のスイッチとは、ものを見て、触って、音を聞いて、「ん?これなんだ?」と確かめようとする仕組みのことです。

例えば、髪の毛を切ることを嫌がる子どもたちは、首筋や耳に冷たい刃物が当たった時の感覚刺激に対して、原始的な反射である触覚防衛反応がはたらいていることが多いと言われています。
そんな時は、はさみを見せて触らせたり、鏡を見せてどんな風に切るのかを確認させたり、実際に大人が髪の毛を切られている場面を見せたりすると、これから何が起こるのかを理解し確かめることによって、原始的な反射にブレーキがかかるようになります。

このように、感覚の統合がうまくいっていない子どもたちには、「普段から感覚刺激を入れつつ、識別系のネットワークが優位になるようにかかわる」ことも、ポイントの一つです。

是非、お子さまとお出かけされた時などに感覚を意識出来るような声掛けをしてみてあげて下さい。

勝敗のある遊びを楽しむためには

今回は、たとえゲームに負けても勝敗のある遊びを楽しめるにはどうすればいいか、考えていきたいと思います。

カプリスでは、ルールのある遊びや勝ち負けの付くゲームなどをたくさんしています。

ゲームに負けると大人でも多少は悔しさを感じるものですが、成長過程にある子ども、特に未就学児のお子さんは、自分が負けることや思い通りにならないことに対して、怒りを抑えきれないことがあります。

ゲーム中に泣き出したり、癇癪を起こしたり、負けると分かるとゲームを途中で投げ出してしまったり・・・

自分が勝てるようにゲームのルールを勝手に変えてしまうお子さんも、カプリスにはたくさんいます。

なぜそんなことをしてしまうのか?

自分の負の感情と向き合えず、感情のコントロールがうまく出来ないことが大きな理由です。


ゲームに負けて悔しいと思うことは、決して悪いことではありません。

悔しいと思う気持ちが、次へのステップややる気に繋がることも多いものです。

また、勝つためにどうすれば良いかを試行錯誤することで、考える力も育ちます。

カプリスでは、感情のコントロールが少しずつ出来るように、以下の4つの方法を療育中に実践しています。


1つ目は、勝っても負けても「楽しいこと」を伝える

 競い合うこと自体の楽しさや、負けても学びや成長に繋がる楽しさがあることを、丁寧に伝えています。

 年長児の小集団療育では、勝敗の場面を実際に体験し「勝っても負けても楽しさがある」ことに気付くきっかけを作ってい   

 ます。

2つ目は、勝った時、負けた時の振る舞い方を伝える

 まずは、ゲームを始める前に「勝負ごとには勝ち負けがある」ことを認識してもらいます。

 ・自分が勝った時に、負けたお友だちをからかわない

 ・自分が負けた時は、勝った人を拍手する

 など、勝っても負けてもお互いが気持ち良く楽しむための約束をします。

 負けても約束が守れると、しっかりと褒めて「楽しくゲームに参加できた!」という自信が持てるように

 サポートしています。

3つ目は、負けた時もたくさん褒める

 たとえ負けてしまっても、

 「ここがかっこよかったよ!」「ここの時、上手に出来ていたね!」「あと少しだったね」など、

 具体的に褒めることで自己肯定感を高められるようにしています。

4つ目は、「勝たせてあげる」ことは控えめに

 大人が手加減して子どもに勝たせてあげることはその場しのぎであり、本来身に付けなければならない、

 「負けた時の振る舞い方」や、「感情のコントロール」を習得できるチャンスが減ってしまいます。

 カプリスでは、勝つだけでなく、あえて負ける経験もたくさんしてもらいます。


勝敗のある遊びを繰り返すことで、泣いたりわめいたりしながらも、少しずつ感情のコントロールができるようになってもらいたいと思っています。

ゲームを通して学びやワクワク感を楽しめるよう、子どもたちと一緒にたくさん身体を動かして遊んでいきます!

偏食の原因って・・・!?

こんにちは。

今回は、多くの保護者が悩んでいる子どもの偏食について、お伝えします。


工夫して作った食事を食べてもらえなかったり、早く片付けたいのに食事に時間がかかったり・・・

親からするとストレスばかりがたまると思います。

偏食の原因はさまざまですが、一例として

①味覚の発達 ②口腔機能の未発達 ③スプーン・お箸などがうまく使えない ④感覚過敏 ⑤強いこだわり

などが挙げられます。それぞれを簡単に説明すると・・・

①味覚の発達

離乳食はどんな味でも受け入れられる時期ですが、幼児期になると五味をしっかり区別できるようになり、味の好みが出てきます。また、自我も育つため、気分によって食べたり食べなかったりも多くなります。


②口腔機能の未発達

咀嚼など口をうまく動かす機能が未発達の為、どうしても丸飲みになったり、噛みやすいものばかり食べたり。

同じ食感の食材を安心して食べる傾向があります。


③スプーン・お箸などがうまく使えない

ヨーグルトや汁物をスプーンですくって口に運んだり、お箸で小さなものをつまんだり、が苦手なので、手でつかんで食べられるような食べ物に偏ってしまいがちです。


④感覚過敏

症状の中には「感覚過敏」「嗅覚過敏」「触覚過敏」があります。

咀嚼音が不快、揚げ物の衣が口の中を刺すように感じる、ケチャップの匂いが苦手、などで食べられない場合もあります。


⑤強いこだわり

同じ食品を食べ続け他の食品に興味がない、初めて食べたものに違和感を覚えると、その後一切同じ食品を口にしない、など、特性傾向から来る強いこだわりも考えられます。


このように、偏食の原因はさまざま考えられますが、食事の時間が親子とも苦痛に感じる場合は、”食べてもらいたい気持ちを休憩する”ことも一つです。

偏食の克服には、ある程度の時間がかかります。

「苦手な食べ物の匂いをかげただけでもOK!」などスモールステップを大切にしながら、子どもの達成感を感じられると良いですね。


✨「あずかり療育(未満児・年少児)」では、毎回一緒にお昼ごはんを食べます。

✨「小集団療育(年長児)」では、定期的にクッキングの活動があります。

✨「毎月のイベント」でも、おにぎりを作ったり、お菓子を作ったりします。


親子の楽しい食卓になるよう、療育をとおして指導員もお手伝いさせていただきます!!


10月10日は『目の愛護デー👀』

10と10を横向きにすると、人の顔の目と眉に見えることから、10月10日が『目の愛護デー』として制定されました。

目は、人間の生活にとって欠かせない身体の一部です。

目の感覚である『視覚』は、『五感』の1つです。

『触覚』や『聴覚』などの他の感覚と統合されることによって、我々人間は外界からの情報を『認知』することができます。

これを『感覚統合』といいます。

『五感』の他にも大切な感覚として『固有受容覚』と『前庭覚』があります。

これらの感覚の統合が上手く行われていないと、感覚の受け取り方に偏りが出ます。自分を取り巻く状況を把握して、適切な行動を取るのが難しくなります。

例えば、

・落ち着きがない

・体の動かし方にぎこちなさがある

・言語の発達がゆっくりである

・細かい作業が苦手

などが特徴としてあげられます。

療育の中ではさまざまな感覚を体感し、発達の基礎となる『感覚』の統合を促す活動を行っています。


『視覚』の発達には、特に『眼球運動』が欠かせません。

6歳までの期間は視力だけでなく、近くのものや遠くのものにピントを合わせることや、見たいものへ視線を向ける、『眼球運動』の能力が育つ時期といわれています。


近年、スマホを見る時間が長くなっている子どもが増えています。

スマホは身体を動かすことなく、眼球運動も狭い画面の範囲だけになってしまうため、眼球運動の発達が遅れたり、悪くなったりする可能性が指摘されています。

一方、外や広い場所で身体を動かして遊ぶ際は、身体を大きく動かすことができるだけでなく、遠くを見たり近くを見たり、身体の動きに合わせて目を使うので、自然とピントを合わせることで眼球運動の練習ができます。

さらに、外は自然の風や移り変わる景色、聞こえる音にも多様な変化があるため、視覚以外の多くの感覚を刺激することができます。


『運動の秋!』と言われるこの季節に、広い場所や外で身体をたくさん動かして、いろいろな『感覚』を体感してみましょう!!


最後に、

『目の愛護デー』という日をきっかけに、『目』のことについてお子さまとお話ししてみてはいかがでしょうか?

「目がいつもしてくれていることって何だろう?」

「目が見えなくなったらどうなるだろう?」

などやりとりを楽しむ中で、子どもたちも『目』について考えることができそうですね^^


花咲くみらいカプリスでは、

🌸未満児さん、年少児さん対象の「あずかり療育」

🌸身体を動かしながらソーシャルスキルトレーニングを行う「個別療育」

🌸同じ時間帯のお友だちと楽しく遊ぶ「グループ療育」

🌸年中児さん、年長児さん対象の「集団療育」

などを総合的に提供しております。


見学や体験は随時受付中です!

お気軽にお問い合わせください。


『いやいや期』と『4歳の壁』の違いって??


2歳頃の子どもの大きな特徴の一つに、第一次反抗期、いわゆる『いやいや期』があります。

この時期は自己主張が強くなってきます。「こうしたい」という気持ちを言葉でうまく表現することが難しく、「いやだ!」と大声で泣いたり、癇癪を起こしてしまったりします。「いやいや期」は決してダメなものではなく、多かれ少なかれ、成長過程でどのお子さんも経験する大切なプロセスです。

この時期は同時に、「じぶんで!!」も出てきます。まだまだ自分で出来ないことが多い2歳児さんですが、なんでも「じぶんでやる!」と言います。結果的に自分では出来ず、うまくできないことで癇癪を起こしてしまいます。


一方で、『4歳の壁』という言葉を聞いたことのある親御さまもいらっしゃるのではないでしょうか。

4歳頃の子どもは使える言葉も増えて、自己主張もはっきり言えるようになってきます。「いやいや期」とは異なり、「○○だからいや!」と、ある程度理由も含めた意思表示ができます。

この頃は基本的な生活習慣が身につき、先生やお友だちとの遊びの中で社会性も育ってきます。心も認知能力も大きく成長する時期が4歳児さんなのです。

その急激な成長に戸惑ったり、不安を感じたり。その苛立ちを自分でうまく言葉で伝えられないことから、第一次反抗期のような態度(大声で泣いたり、癇癪を起こしたりなど)を取ることも多くなります。

これを『4歳の壁』とも呼びます。

 

子どもは一人ひとり、性格も発達のスピードも違います。必ずしも2歳児で「いやいや期」、4歳児で「4歳の壁」、というわけではありませんが、どのような理由で癇癪を起しているのかを大人は理解することが大切です。

療育の中でも、まずは指導員が子どもの気持ちを受け止めます。

なぜ癇癪を起しているのか?その理由を知り、受け止めつつ、自分の意思を言葉にする取り組みや、癇癪以外の方法で自分の気持ちを伝えることが学べるよう、一人ひとりの子どもに寄り添った支援をおこなっています。


癇癪自体は、子どもが育つ中で珍しくないことですが、その激しさや、いつまで続くかわからないことで、親御さまは疲れを感じてしまうこともあると思います。辛いときやイライラしてしまうときなどお話を聞かせて頂き、一緒に考えていきましょう。

『4歳の壁』を乗り越えれば、きっと、ひとまわり成長した姿を見せてくれるはずですsmile

                

おしゃべりを我慢できない!

年中児、年長児になると、園で集団で活動する場面が増えていきます。

カプリスの療育でも、年長児さんは月に2回、2時間の集団活動を行っています。

(10月からは毎週実施します。年中児クラスは冬から始まります。)


集団行動が苦手で先生の指示が入らず、お話を聞く時間に勝手に喋ってしまったり、

みんなで話し合う時に、自分の話したいことだけを一方的に話したり、

お友だちの話を遮って喋り始めてしまったり・・・

「このままでは小学校に入学しても集団についていけず、困ってしまうのではないか?」

「一方的に喋るので、お友だちに嫌われないだろうか?」

このようなご心配をお持ちの保護者はたくさんおられるのではないでしょうか?


ご安心ください。

場面に応じた態度や話し方のルールは、療育の中で、日常の中で、

繰り返し楽しく練習することで、次第に習得していくことができます♪♪


「おしゃべりが我慢できない!」背景としては、以下のようなことが考えられます。


①話の全体を理解できず、知っている単語に反応する

絵本で出てきた単語に、瞬時に「それ知ってる!」などと反応する場合、

文章全体を把握できていない可能性があります。

よくわからない話の中に自分の知っている単語が出てくると、嬉しくて飛びついてしまうのです。

そんな時は、短くわかりやすい言葉で伝えるよう心掛けてみましょう。

話の流れを理解して全体をつかめるようになるには、まずは言葉の理解力を伸ばす必要があります。

それには長い言葉で話すよりも、短めの声かけが有効です♪

短い言葉を確実に理解する経験を繰り返し、力を積み上げていきましょう!

また、具体的なものを説明するときには本物や写真を見せるなど、

言葉と視覚の両方で伝えることも有効な手立てです。

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②順番に話すことの楽しさがわかっていない

一方的なおしゃべりが多い子どもの場合、会話することの楽しさを体感出来ていない可能性があります。

言葉のキャッチボールの必要性が理解できるようサポートしていきましょう♪

「聞く」ことで楽しくなる遊びを取り入れてみましょう♪

例えば、「しりとり」は前の人の言葉をよく聞いていないと、

自分の番で答えられずに楽しめない遊びです。

また、「なぞなぞ」では、問題を出す人と答える人の役割を交代しながら遊ぶのもオススメです。

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③誰が話す場面なのか理解できない

例えば園生活の中で、先生が前でお話をしていても

「今は先生が話す時間」と理解できず、話し出してしまう子どももいます。

先生やお友だちが話している途中でも、かまわずにどんどん話しかけてくることも。

一例ですが、マイクを使って、誰が話す場面かを分かりやすくするのもいいかもしれません。

普段の会話の中でも、玩具のマイクなどを用意して、

「マイクを持っている人が話す」というルールにするなどもオススメです。

「マイクを持っている人=話す/持っていない人=話してはいけない」

視覚に訴えることでわかりやすくなります。

マイクのような物を使ったところから、少しずつジェスチャーに移行し、

最後は身振り手振りなどなくても、今は誰が話す場面なのか全体を見ながら理解することが出来るようになります。

もちろん、すぐにはわからないので、繰り返し楽しく取り入れることが大切です。

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このように、「お喋りが我慢できない」という行動には、さまざまな背景が隠れています。

今は何をする時間かを言葉でわからせる前に、ちょっとした工夫や配慮で、

「今はお喋りする時間じゃないんだな」「今は先生のお話を聞く時間だな」などを

子どもたちが自然に理解できるように、

あくまで楽しみながら一人ひとりに寄り添ったサポートをおこなっています。


花咲くみらいカプリスでは、

🌸未満児さん、年少児さん対象の「あずかり療育」

🌸身体を動かしながらソーシャルスキルトレーニングを行う「個別療育」

🌸同じ時間帯のお友だちと楽しく遊ぶ「グループ療育」

🌸年中児さん、年長児さん対象の「集団療育」

を総合的に提供しております。


見学や体験は随時受付中です。

お気軽にお問い合わせください。

つま先で歩く?自閉症を持つ子の発達特性

つま先立ちで歩く、とても内股になっている、自分の足をもう片方の足で踏みつけてしまう、など、

親御さまから足に関するご相談を受けることがあります。

 

こういったお悩みは、自閉症スペクトラムをはじめとした発達特性を持っているお子さまに見られる特徴の1つだと言われています。

 

今回は「つま先立ちで歩く」について、一般的に言われている理由と遊びによるサポートをご紹介したいと思います。

 

*状態によっては理学療法士、作業療法士などの専門家による支援が必要になることもありますので、一度医療機関や療育センターにご相談されることをおすすめします。

 

理由1.感覚過敏がある?

足の裏や踵に何らかの感覚の過敏があり、地面に足がつくことが不快に感じてしまいます。

そのため、嫌な感覚を避けようとして踵を上げてつま先歩きをしてしまうことがあります。

逆につま先に過敏がある場合は、重心を踵に置いて、つま先を上げて歩く子もいるそうです。

感覚過敏があり、つま先立ちを続けた結果として筋肉が緊張がちになり、関節の動きが硬くなることに繋がることもあります。


理由2.感覚を味わっている?

感覚過敏とはまた違った感覚の特性があります。

人それぞれ「心地よい」と感じる感覚は様々で、発達に特性を持つ子たちの中にはつま先立ちの感覚を好む場合があります。

心地よい感覚を味わうために、つま先立ちやつま先歩きをしていると考えられます。

気に入った感覚をなんども繰り返す「常同行動」と呼ばれる状態と言えます。 

この場合にも慢性的につま先歩きが続くことで、関節の動きが硬くなってしまうことがあります。

 

理由3.足首が動きにくい?

感覚過敏や常同行動といった感覚特性が発端でつま先歩きが癖づいてしまい、足首が動きにくくなることがあります。

それ以外にも、感覚特性は無いけれど、下半身の筋肉が未発達なため、足首を上手に使うことが難しいということも考えられます。

発達障害と言われる子たちの多くが、「身体面の成長のゆっくりさ」を持っています。

 

理由4.先天的な疾患

先天的な疾患などで、足首や膝などの関節が動きにくい場合があります。

疾患なのか、発達のゆっくりさなのか、感覚特性なのかを見極めるために、医師や療育センター等に相談をしてみることをおすすめします。

状態によっては理学療法士、作業療法士などの専門家による支援が必要になることもあります。

 

遊びを通じてどんなサポートをする?

専門家による支援以外に、ご家庭でも遊びを通じた様々な経験を積むことが発達の手助けになります。

感覚過敏に対しては、アスレチックや芝生、マットやクッションなど様々な足場の上で遊ぶこと、足の裏をくすぐったり揉んであげたりして感覚に慣れさせてあげることなどがあります。

いずれも、「嫌!」と言うお子さまに対して無理に行う必要はありません。

 

無理なく楽しめる範囲から始めることが良いと言われています。

 

常同行動の場合にも、身近な様々な感触の物を足に触れさせてあげて、つま先立ち以外の「気に入った感覚」を見つけてあげること、

「踵もつけるんだよ!」という大人からの声掛けも良いそうです。

 

発達がゆっくりの場合にも、足にさまざまな感覚を入れてあげることが効果的です。

他にも外で走ったり、ボールを蹴ったり投げたり、遊具に登ったり。

運動の機会を増やしてあげることもとても大事で効果があります。

 

どうしてそんなことするの?~こどもの気持ち~ 【固有感覚】

「子どもが、友達に勢いよく抱きついたり、親が寝ている時に上に乗ってきたりするんです。」

 

こんなお悩み、ありませんか?

子どもはどうしてそんなことをするのでしょうか?

行動をやめさせようとして、

「やめて!」「ダメでしょ!」「痛いでしょ!」など子どもを怒るのは、かえって逆効果かもしれません。


このような子どもは固有感覚の情報を脳にうまく取り組む力 が弱いかもしれません

他者から思えば、強くて痛い刺激かもしれませんが、

子ども自身は弱く感じていて、より強い刺激が欲しくてそのような行動をとっている可能性があります


感覚情報の受け取りが弱い子どもは、脳に十分な刺激が届かないためボーっとしていることが多く、

子ども自身が無意識に、覚醒レベルを高めるような遊びを行うこともあります。


そして、このような子どもは幼稚園や小学校などでお友だちとトラブルになることも多く、

「あの子は乱暴で、危ない子」と誤解されてしまうことがあります。


でも、子ども自身は、強く抱きつきたくて抱きついているわけではなく、

お友達にわざと嫌がることをしているわけでもありません。

力加減がわからないために、「乱暴な子」と誤解を受けてしまうだけなのです。


では、私たち大人は、このような課題を抱える子どもをどうサポートしていけば良いのでしょうか?

それには、

「固有受容感覚がしっかり入る遊びや活動を取り入れる」 ことが重要です!!

例えば、荷物を持ったり、新聞を破ったり、綱引き、押しくらまんじゅう、おんぶ、トランポリン、など。


固有受容感覚・・・身体の位置やはたらき、力の入り具合を感じる感覚です。
         筋肉や関節を使って感じます。


また、抱きつくことが多い子どもは、固有受容感覚の刺激だけではなく、

抱きつくことで得ることができる感覚の満足感を欲している可能性も考えられます

このような場合は相撲など、人と人とが触れあうことが出来、尚且つ力をたくさん使う遊びなどがお勧めです。


さらに、「やめて!」「ダメでしょ!」と大人が反応することが面白く、繰り返している可能性も考えられます。

その場合は、強く反応せず、違う遊びに誘うなどがお勧めです。

例)子どもが抱きつく。→ 言葉や態度で反応しない。→抱き付いてきたところから、大人側が相撲など違う遊びに切り替える。


また、お友達とのトラブルを減らすためにも、子どもがお友達に抱きつくなどした時には、

「〇〇くんのこと大好きだから抱き付いているんだよ」など、肯定的な言葉を大人から伝えるのも良いかもしれませんね。


ハサミの使用が難しい?

10年ぶりとも言われる大雪に見舞われて、あっという間に1月も終わりです。

年長児さんは後僅かで卒園となり、春にはピカピカの新1年生♪♪ 期待と不安でいっぱいなのではないでしょうか。

卒園に向けて、制作などでハサミを使用する場面も増えていると思います。カプリスでのビジョントレーニング、小集団療育等においても、ハサミを使っての活動が多くなっています。

その一方、”チョキンと切ることが難しい” ”まっすぐに切ることが出来ない” など、ハサミの使用に困難を感じている子どもたちも少なくありません。

ハサミを上手く使えない、その原因は何なのでしょうか?

ここでは主に、3つの原因と対応方法をご紹介します。


原因①:そもそもハサミを持つのが難しい

ハサミは、他の道具より持つことが難しいです。スプーンや鉛筆は握るだけで持てますが、ハサミは、指を別々の場所に入れる必要があります。手の平全体を使って握って持つ、ができないため、余計に難しさを感じます。ハサミの穴に指を通して持てたとしても、指先の力が弱いと、ハサミを安定して持つことは難しいのです。

原因②:細かな動きが難しい

指先での開閉や、手首を動かしながら曲線を切る等、ハサミを使用する時は細かな動きが必要になります。指先の力加減、指先や手首の動きの調整を行わないと、上手くハサミを扱うことは難しいのです。

原因③:協調した動きが難しい

中指と親指を使った開閉動作、ハサミを持っていない手で対象物を固定したり、移動したりという動作、”~しながら~する”、いわゆる”協調運動”の力が未発達だと、ハサミを使うことが難しくなります。

両手の協調性が不十分なお子さまは、ハサミを持つ手の手首、肘、肩の安定性や指の分離した運動が未熟で、ハサミを開閉すると同時に肩、手首に力が入りすぎてしまうだけでなく、反対の手が紙を上手に支えたり、動かしたりするのが苦手です。ハサミで切ることだけに集中してしまい、対象物への意識が薄れることで、線に沿って切ることができない場合もあります。


それでは、どのような対応方法をすればよいのでしょうか?


対応方法①:お手本を見せながら一緒に行う

ハサミを持つのが難しかったり、動かし方のイメージを持てないお子さまには、ハサミを持つお手本、切るお手本を見せてあげたり、手を添えてあげて一緒に持つことが効果的とされています。

対応方法②:両手の協調性を高める

協調運動の力を伸ばすためには、両手を使った動作や、全身を同時に使う動作を遊びに取り入れることが効果的です。具体例としては、縄跳びやサッカー、キャッチボール、制作等が挙げられます。苦手意識のあるハサミを使って練習するよりも、楽しくて自信が持てるような活動の中で協調運動の力を高めていきましょう。


ハサミを上手に使うことが難しいお子さまには、様々な理由が考えられます。

まずは子どもの様子をよく観察し、どの部分を苦手としているか確認する必要があります。苦手とする部分が見つかったら、その部分を伸ばす練習や訓練を楽しくおこなっていきましょう。

通常のはさみを扱うのが難しい場合は、使いやすいサイズや形状のはさみを使って補うという方法もあります。

ハサミはその形状から、お子さまにとっては扱いが比較的難しい道具ですが、使えるようになると、日常生活でも制作活動でも楽しみが増えて便利になります。無理をせず、少しずつ慣れていきましょう!

カプリスで実施している小集団療育でも、ハサミを使った制作作業は基本的に毎回行っています。

子どもたちに合わせてサポートしながら、「できた!」をたくさん増やしていきたいと思います!