今回は5歳の運動発達の段階についてです。
5歳の段階になると、体を動かすことそのものが上手になるのはもちろんですが、運動を通じて心の調整ができるようになっていきます。
*発育発達のスピードには個人差があり、実年齢とそれとが必ずしも一致しないこともあります。
実年齢ではなく、発達の段階に合わせた関り方が大切になります。
5歳の段階になると、4歳の頃よりも不安定な遊具の上や、不安定な姿勢での遊びが上手になります。
年齢が低い程、姿勢制御の視覚への依存度が高いですが、
4歳、5歳となるにつれ徐々に他の感覚(筋感覚やバランス感覚など)も発達してくることが影響しています。
5歳さんになるとずいぶん体の軸もしっかりとしますが、
姿勢の制御が確立されるのは10歳ころまでかかるので、もう少し先です。
シンプルな運動能力を挙げると、片足立ちで10秒近くキープできるようになるのもこの頃です。
不安定さへの対応が可能になるので、竹馬や木登りといったバランスを取る遊びにチャレンジできます。
これらは幼稚園によっては運動会でも年長さんの課題として取り入れられてます。
この頃には自転車も乗れるようになります。
指先もますます器用になります。
各指が独立して器用に動かせるようになるので、お箸を使って食べたり、文字を書いたりといった就学に向けた日常生活での指先の運動にも取り組み始めます。
お箸やペンを扱うことは3~4歳さんでも可能ではありますが、5歳さんではそれがスムーズになります。
静的三指握りと言って親指、人差し指、中指が近付いたぎこちない握りだったのが、
4~6歳ころになると動的三指握りといって、薬指と小指が曲がり、残りの三指が細かく動くためです。
キャッチボールができるのもこの頃。
キャッチボールは相手と自分の動きを合わせたり、予測をしたり、動きを臨機応変に調整したり。
そーっと投げたり、思いっきり投げたり。
こういった運動を調整する経験を通じて、体に対する手ごたえを感じることで心の調整に繋がります。
そーっと動くことで慎重にやってみる気持ち、
思いっきり動くことと、活発な気持ち。
心と体は生まれたときからリンクしていますが、5歳頃からはこの調整の力が育ち始めます。
「もう5歳なのに、全然出来ない」と不安になられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
飛び級のような発達は出来ないので、今どの段階かを見極めた上で、お子様1人1人に合わせた接し方が必要になります。
1~4歳までの運動発達も過去の記事にまとめてありますので、ご参照ください。
そして何よりも運動は経験の数が大切になります。
お外で遊ぶ経験、日常生活や工作を通じて指先を動かす経験など、可能な範囲で機会を増やしてあげることが発達に繋がります。