【研究】運動が自閉症スペクトラム児の情動制御の力を高める

運動が自閉症スペクトラムの子たちに対して効果があるのか。

日進月歩で研究が進んでいます。


2020年に発表された

Impact of a Physical Exercise Intervention on Emotion Regulation and Behavioral Functioning in Children with Autism Spectrum Disorder

(自閉症スペクトラム児の情動コントロールと行動機能に対する身体活動の影響)

という研究では、8~12歳の自閉症スペクトラムと診断された子たちに対して12週間のジョギングに取り組んでもらいました。

すると、ジョギングに取り組んだ子たちは、そうでない子たちと比べて自身の情動を制御する力が伸びているということが明らかになりました。

情動というのは、嬉しい、悲しい、怖い、怒りなどを示す急激で強い感情のことです。

情動のコントロールが上手くいかないと、

思い通りにいかない時などに強い癇癪を起してしまい、どうしようもなくなってしまったりします。

ジョギング、つまり走ることってとてもシンプルな運動ですよね。

それだけでも成長が見られるわけですから、発達には心身の強いつながりを感じますね。

自閉症スペクトラムと運動に関する研究はまだまだ少ないですし、どういう関係があるのかはこれからの研究に期待です。

それでも、2016年の

A systematic review of the behavioural outcomes following exercise interventions for children and youth with autism spectrum disorder(自閉症スペクトラム児に対する運動介入後の行動変化について)

というシステマティックレビュー(たくさんの研究をまとめて分析したもの)においても、

運動の効果が認められています。

ジョギング、水泳、ダンス、格闘技からヨガまで、様々な運動で効果が確認されています。


「楽しい」と思える範囲で体を動かして遊ぶ機会をたくさん作ってあげたいものですね。


もちろんスパーク西京極でも、遊びの中で子どものペースに合わせて体を動かしていただいています。

「運動」といった固い枠組みだとなかなか楽しんで取り組めないこともあるので、

「遊び」ということで、何よりも「楽しい」を大切にアプローチさせていただいております。


この記事の参考文献

Brief Report: Impact of a Physical Exercise Intervention on Emotion Regulation and Behavioral Functioning in Children with Autism Spectrum Disorder | SpringerLink

A systematic review of the behavioural outcomes following exercise interventions for children and youth with autism spectrum disorder - Emily Bremer, Michael Crozier, Meghann Lloyd, 2016 (sagepub.com)

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