6月になり、園や家庭でも「衣替え」が始まる時期です。
でも実はこの「衣替え」、子どもにとっては小さな変化ではなく、大きなストレスや不安になることがあります。
発達に特性のある子どもたちは、季節の変わり目で行動や気持ちが不安定になることも。
今回は、衣替えを通して見えてくる子どもたちの困りごとと、そのかかわり方について考えてみたいと思います。
◇衣替えで見られる「困りごと」の例
①感覚の敏感さ
半袖になると「肌が出る感じが落ち着かない」。
肌の素材が変わることで「ちくちく」「ぺたぺた」が気になる。
→服を脱ぎたがらない・着替えを嫌がる・不機嫌になるなどの行動につながることもあります。
【サポートの工夫】
・事前に素材が似ている服に慣れておく
・感覚に配慮した、タグなし、柔らかい素材の服を提案
・無理に一気に変えず「お家だけ半袖」などステップにわける
②こだわりの強さ
「いつも長袖じゃないとイヤ」「この服しか着たくない」
服への強いこだわりは、安心のための行動でもあります。
【サポートの工夫】
・新しい服でも「見ためが似ている」「色が同じ」など、こだわりのポイントを満たす工夫
・選ばせることで主体性と納得感を育てる
③気持ちの切り替えが苦手
季節が変わったこと、服が変わることを理解するのに時間がかかる子もいます。
「昨日は長袖だったのに」「今日は半袖?どうして?」と混乱することも。
【サポートの工夫】
・「季節のうつりかわり」を絵本やカレンダーで伝える
・生活の中で「暑くなってきたね」「服も薄くなるね」と繰り返し話題にする
◇衣替えは子どもを知るチャンス
衣替えで見られる「こだわり」「感覚の過敏」「不安定さ」は、子どもたちの特性を見るチャンスでもあります。
大人が「なぜ?」と困るその行動の裏には、ちゃんと理由があるのかもしれません。
困った行動に目を向けるだけでなく、
「どうしたら、この子が心地よく過ごせるか?」
「安心できるようにするには何が必要か?」
そんな視点でかかわっていきたいですね。
◇焦らずゆっくり
衣替えは、ただ服が変わるだけではありません。
子どもにとっては、いろいろな「特性」が表れやすい時期です。
だからこそ、焦らずゆっくり・・・
「この子にはどんなサポートが合うかな?」と、大人が寄り添い、こどもが少しでも安心できる時間にしていきましょう。