自閉症スペクトラムの1つ、アスペルガー症候群は、1900年代中ごろにオーストリアで小児科医をしていたハンス・アスペルガー先生の名前から来ています。
現代においてアスペルガーと診断される特性を、世界で初めて詳細に記録、報告したのがアスペルガー先生です。
アスペルガー先生は第一次・二次世界大戦で世界が混沌とする中、そういった特性を持った子たちに対して療育を行っていました。
療育の内容は、当時ではとても先見の明のある内容でした。
それは、身体を沢山動かして遊ぶこと、音楽を楽しむこと、子どもたち一人一人の興味に寄り添って伸ばしてあげることでした。
この療育のスタンスはスパークを含め、現代の療育では主流になりつつありますが、当時ではなかなか思いつかなかった内容でした。
それから数十年、医療現場では自閉症やアスペルガーと呼ばれるような子たちを施設に送り込んで隔離してしまったり、現在では過酷で効果の無いとされている療法を行ってしまいます。
いつの時代も子どもにとっては思いっきり楽しく遊ぶこと、そしてその中で社会性を育み、できることを少しずつ増やしていくことが大切です。
ですが、豊かな遊び場(*)や遊ぶ機会自体が減っていることが現状としてあります。
(*思いっきり体を動かせること、こども同士で自由に遊べることなど)
遊ぶ場はあっても特性のせいでうまく輪に入っていけないこともあります。
スパーク西京極では豊かな遊び場を提供するとともに、療育士がサポートをしながら社会性や運動機能等の発達などを促していきます。
<参考書籍>
自閉症の世界 多様性に満ちた内面の世界 スティーブ・シルバーマン著 正高信男・入口真夕子翻訳 ブルーバックス 2017年