子どもに共感し、一緒に気持ちを調整すること

子どもたちの社会性の発達はスキルを獲得するのと似ています。

勝手に身につくわけでも、生まれた時からできるものでもありません。

親との愛着形成をメインとした人間関係の中で育んでいくものと考えられています。


こういった「社会性のスキル」を獲得する根底には自己調整(セルフレギュレーション)と感情の発達があります。

自己調整とは自分の感情に上手く折り合いをつけて、思考や感覚、行動をうまく調整する能力のことを言います。

人生の中で直面する様々な強い情動やストレスに対して、気分を落ち着けたり、注意を適切な方へ向けたりするときに必要になる力です。


*情動=体の動きを伴う急激な感情の動き


自己調整はいきなり身に付く力ではありません。

生まれて成長していく中で少しずつ獲得していきます。


その時に私たち大人ができる関わり方が「共感」です。

共感は嬉しい時や社会的に好ましい行動ができた時だけするものではありません。

ストレスのかかるシーンや感情が爆発してどうしていいか分からない時にも使います。


たとえばビックリして感情が爆発しそうになったシーン。

まずは「嫌だった」「怖かった」という気持ちに寄り添います。

声のトーンや表情、ジェスチャーを最大限使って気を落ち着けます。

少し落ち着いてきたら、「びっくりしたけど、実は怖い物じゃなかったんだ」とか「大丈夫だよ」ということを教えてあげます。

気持ちを落ち着け、理性的に考える過程を一緒に進めてあげることで自己調整をサポートすることが出来ます。


現実的にこういった関わり方を毎回できるわけではありません。

上手くいかないことも多いです。

でもストレスのかかるシーンや感情が爆発するようなシーンは人生で1回きりではありません。

また次以降、気が付いた時だけでもそういった関わり方ができると効果的なようです。


関わる時のポイント

・落ち着いた声のトーンや表情、ジェスチャーをしっかりと使うこと

・子どもを待つこと

・子どもの様子をよく見て、言葉を聞くこと



参考にした記事(英語)

https://www.nichq.org/insight/childrens-social-and-emotional-development-starts-co-regulation

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