日頃は、花咲くみらいカプリスの活動にご理解・ご協力をありがとうございます。
子どもがじっとしていられない、落ち着きなく動く、などには以下のような理由が考えられます。
例えば・・・
①動きたい
②今いる場所やしていることに興味が持てない
③気持ちを上手く言葉で伝えられない・伝わらない
④気になること(情報)がたくさんあって落ち着かない
⑤不安感が強い
⑥感覚の統合の未発達 などなど・・・
今回は、⑥の感覚統合について少しお話します。
そもそも感覚統合って何!?
感覚統合とは、脳に入ってくるさまざまな感覚刺激を、目的に応じて整理整頓・調整することです。
脳に入ってくる刺激の交通整理が出来るようになる=感覚を統合する、ことになります。
例えば、今目の前で話をしている相手がいるとします。
その声の他にも人は、さまざまな声や音を同時にキャッチしています。
別で話をしている人の声・工事現場の音・電車の音・鳥や動物の鳴き声など・・・《キャッチされた音=聴覚刺激》です。
入ってくる様々な情報は、脳の中で重要なものかそうでないものに分けられ、音のボリュームが調整されます。
話をしている相手の声は大きく聞こえるように。その他の音は小さくあまり聞こえなくなる。という様に調整されています。
この調整が上手くいっている状態=感覚統合ができている状態、環境に対して順応が出来ている状態、です。
それに対して感覚統合が上手くいかない時は、全ての音が同じボリュームで聞こえているというイメージです。
この状態の時に落ち着いて相手の話に集中することは大人でも難しいです。
感覚刺激には、目から入ってくる視覚刺激、耳から入ってくる聴覚刺激、皮膚で感じる触覚刺激など、なじみ深い「五感」があります。また、無意識に使っている、前庭覚(平衡感覚)や固有覚(力の入れ具合)という感覚もあります。
こうした感覚刺激に対して、私たちは生きるための原始的な反射である「防衛反応」をします。この反応が、落ち着きのなさと関わるポイントです。
例えば、たくさんの人がいてあちこちから話し声がするところ、大きな音がする場所、密閉された空間でマイクを通した音が聞こえる場面などで、落ち着きがなくなることがある。もしくは、耳をふさぐ、その場から立ち去ろうとする、泣き叫ぶ。
⇒聴覚過敏による防衛反応の可能性が考えられます。
また、感覚統合が上手くいっていない場合に起こることとして、足元が不安定な場所や電車の中など、揺れにおびえて落ち着かない。
⇒前庭覚(平衡感覚)の感覚統合がうまくいっていない時期にある、重力不安の可能性が考えられます。
そんな時の対応方として・・・
【原始系】⇒【識別系】
感覚刺激の交通整理が追い付いていない場合は、原始的な反応をしているだけなので、識別系のスイッチを入れてあげると良いです。
識別系のスイッチとは、ものを見て、触って、音を聞いて、「ん?これなんだ?」と確かめようとする仕組みのことです。
例えば、髪の毛を切ることを嫌がる子どもたちは、首筋や耳に冷たい刃物が当たった時の感覚刺激に対して、原始的な反射である触覚防衛反応がはたらいていることが多いと言われています。
そんな時は、はさみを見せて触らせたり、鏡を見せてどんな風に切るのかを確認させたり、実際に大人が髪の毛を切られている場面を見せたりすると、これから何が起こるのかを理解し確かめることによって、原始的な反射にブレーキがかかるようになります。
このように、感覚の統合がうまくいっていない子どもたちには、「普段から感覚刺激を入れつつ、識別系のネットワークが優位になるようにかかわる」ことも、ポイントの一つです。
是非、お子さまとお出かけされた時などに感覚を意識出来るような声掛けをしてみてあげて下さい。