スプーンやフォークをはじめとした、生活で必要な道具を使えるようになることは、発達における課題の一つです。
スパークでは「〇〇をできるようにする」という療育は行っておりませんが、保護者からのご相談を受けることもありますので、ブログでシェアしておきます。
道具を扱えるようになるには、身体図式が発達していくことが必要になります。
身体図式とは、感覚や運動に関連した脳内で作り上げる自分の体の地図のことです。
私たちは痛いところやかゆいところがあれば、無意識でそこに手を持っていくことが出来ます。
自分の足が腕がどこにあるのか、動かしているときはどれくらい離れているかといったことを私たちは無意識に知っています。
身体図式を高めるには、体性感覚と視覚が一致してくる必要があります。
体性感覚は皮膚や筋肉、関節、腱、内臓からくる感覚のことです。
自分の関節がどれくらい伸びているか、どれくらいの力がかかっているかといったことを感じ取ります。
体性感覚は、体の外にも及びます。
フォークで食べ物を刺すと、フォークの先で食べ物が柔らかいのか固いのか、つるつるしているのかを感じることが出来ます。
固いならもっと力を入れなければいけませんし、柔らかければ優しい力で刺さないといけません。
この様に、道具を自分の体の延長としてイメージすることが出来るか。
自分の関節の伸び具合や、力の入り具合をどれだけ感じとることが出来るか。
そして、これらが視覚から入る情報とマッチしているかが大切になります。
発達に特性のある子たちは、感覚過敏の問題等を持っているため、こういった能力の発達に困難を持つ場合があります。
どのような遊びを通して身体図式や体性感覚を伸ばしていってあげれば良いのでしょうか。
大きく分けて3種類の遊びが効果的です。
引っ張りあい(タオル綱引き)、押し合い(お相撲)、手押し車、ジャンプ、ジャングルジムなど。
体は中心から末端にかけて発達していくので、ダイナミックな力を出す運動で、筋肉や関節に刺激を入れ、体性感覚を養います。
お家で取り組める代表例は、スライムや粘土です。
様々な感覚のものに触れることで手先の感覚を養います。
バットやラケットでボールを打つ(止まった状態や転がしで良い)ような遊びで、自分の体の延長線上に道具があるという感覚を養います。
こういった遊びは効果的ですが、子どもたちに無理にさせる必要はありません。
楽しいと思えないのに、無理強いされると継続できません。
スパーク西京極では、主に「関節や筋肉に強い刺激が入る遊び」をたくさん取り入れています。
そして、遊びの中で褒めること、共感することや療育士との積極的なやりとりを通じて、様々なことにチャレンジしようという感情の発達を促しています。