子ども達の中には、お気に入りのタオルやぬいぐるみといった物を常に握りしめている場合があります。
外に行く時も常に手放せずにいると、大人としては「どうしてなんだろう?」と思ってしまいますが、
こういったタオルやぬいぐるみは「移行対象」と呼ばれるもので、無理に取り上げてしまうようなものではないと言われています。
今回はその移行対象について紹介していこうと思います。
「移行対象」とは小児科医・精神科医であるウィニコットが提唱したもので、
幼稚園や保育園に通い始める1~3歳の移行期に、母親の代わりに安心の源として持ち歩く客観的な物です。
初期の頃はタオルや毛布等の母親のぬくもりを思わせる柔らかい手触りのものが移行対象になります。
もう少し進むと、ぬいぐるみや人形などの人格を投影できるものを移行対象にします。
乳児期は何か不安なことや嫌なことがあっても、無条件に寄り添い、心のよりどころになってくれていた母親という存在があります。
しかし、幼稚園や保育園に入るころになると、常に母の存在があるわけではありません。
そんな状況下でも、心を落ち着ける為に毛布やぬいぐるみを安心の源にすると言われています。
母親から移行したわけですね。
移行対象は発達と共に徐々に消えていくと言われており、無理に取り上げる必要はないとされています。
母がいない状況でも、子どもなりに心を落ち着けようとしている過程ですので、やさしく見守ってあげてください。