子どもがついてしまうウソと対応

幼児期の子ども達は発達の過程で、悪気はなくウソをついてしまうことがあります。

真実と異なることを言うので、大人のこちら側としては対応に困ってしまうこともあるかもしれません。


ですが、幼児期の子どもが付くウソは大人が悪意や忖度を持ってつくウソとは質の異なるものであることも多いです。

その理由を知っていれば、少し対応にも余裕が出てくるのではないでしょうか。


①まだまだ未熟な子どもの悩

幼児期になり、言葉も達者になると「ウソ」を言うようになります。

その理由の1つとして脳の発達がまだ大人と比べて未熟だから。


大人顔負けにしっかり話すので、見かけ上では分かりませんがまだまだ子どもの悩、とくに記憶に関係する場所は未熟です。

なので、過去のエピソードを聞くと、順番や活動が真実と異なる場合があります。

まだ大人ほど多くの物事を一度に記憶しておくことができません。

その記憶の量の差が原因で結果的に「ウソ」になることがあります。


例えば、「遠足で最初は何をしたの?」と聞くと、

実際は最初に遊具で遊んだにも関わらず、「お弁当を食べた」と答えたり。

お弁当の印象が強かったので、それをよく覚えていたということが考えられます。


記憶が大人ほどではないと言うことを踏まえておくと寛容に接することができそうですね。


②話をつなげるためのウソ

子どもたちは、大人と比べるとまだまだお話をする力も未熟です。

筋道を立ててストーリーを語ることも未熟ですし、まだ大人程の語彙力もありません。


それでもお話を繋げていこうと子どもなりに頑張る中で、

大人からすると「ウソ」に聞こえてしまうことを言ってしまうことがあります。


話しを繋げるためにウソを補助的に、本人は悪気無く、使ってしまいます。

対応ですが、まずは話しを遮らず聞いてあげることで、「話したい」という子どもの気持ちを大切にします。

話し言葉は話す中で育ちます。

そして筋道を立てて話すことは、書き言葉の習得にも繋がります。

話したい気持ちを大切にすることで後の発達に繋がります。


③自分の身を守るためのウソ

「叱られたくない」という気持ちから、自分の身を守るために苦し紛れにつくウソもあります。

明らかにお漏らしをしているのに、「してない」。

明らかにお部屋を片付けていないのに、「片付けた」。


バレバレですから、大人のこちらとしては余計に怒ってしまったり、問い詰めてしまったりしそうになるかもしれません。

しかし、それをしてしまうと余計と「身を守るためのウソ」が助長されてしまいます。

子どもなりに「やっちゃった」と思っているわけなので、気持ちを察して代弁するような関わりが良いです。


④現実と願望を混同していることもある

自分の願望と現実とが混同している場合もあります。


例)

現実:友達の玩具を自分が取った

願望:友達が貸してくれる

発言:「〇〇くんが貸してくれた」


この時も、頭ごなしに怒るだけではなく「貸して欲しかった」という気持ちへの代弁をしつつ、ある程度優しく見守ってあげます。

年齢と共に徐々に願望と現実とが区別てきるようになっていきます。


⑤ウソをつけることも発達の一つ

ウソをつけることも発達の1つです。

それは遊びや普段のやりとりの中にも垣間見ることができます。

ウソをつける、ウソを理解できるということは冗談を楽しめることに繋がります。



「え?今背中触った?笑」

「ううん、僕じゃいよ(ニヤニヤ)」

「ほんまに~?笑」


みたいなやりとりを楽しめるのもウソを理解しているから。


ウソをつくようになったことをネガティブとだけ捉えず、

「発達が進んだのかな」とポジティブな面でも捉えてみるのもいいかもしれませんね。



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