スタジオでの遊び②:協調運動

前回に続き、スタジオで展開される遊びが子どもたちの発達にどう影響しているか、どんな能力が鍛えられるかをご紹介します。

今回は「協調運動」です。


遊びをする上での前提は前回の内容と同じです。

その遊びの中で自然と協調運動になることに取り組んでもらいます。

本人がやりたいと思う感情を大切にしています。

感情に働きかける、他者と遊び共感する、体をたくさん動かす、それらが組み合わさって心が育まれることで発達が促されます。


協調運動とは?

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協調運動とは同時に複数の動作を1つにまとめて行うことです。


身近な例でいうと、

・ハサミでものを切る(物を持つ手とハサミを動かす手が別々の動き)

・お茶碗を持ってお箸でご飯を食べる

・縄跳び(縄を回しながらタイミングよく跳ぶ)

・ジャングルジムを登る、降りる

・ボールを投げる(足の踏み出し、体の回転、ボールを離す)

・ピアノ(左右の手がばらばらの動き、足も使う)


協調運動がなぜ大切か?

日常生活や運動面で不器用さのある子の場合、協調運動が苦手な場合があります。

そこへのアプローチとして、療育では遊びの中で自然と協調運動ができるように遊びを展開しています。


スタジオでよく見られる遊びの例


・登る(布で壁登り、マットの山登り療育士の体登りなど)

→上手く手足を動かしながら、次の手足の置き場を見て考えて動く。適切なタイミングで適切な部位の力を入れる。


・くぐる

→適切なサイズに体をたたみながら、手足を動かして進む。


・キッズステップを渡る、渡りながらボールをキャッチしたり運んだり etc...


・ボール遊び

→全身をタイミングよく上手く使わないとボールは遠くに飛ばない、蹴れない、狙ったところに飛ばない

協調運動の先に目指すもの

協調運動は日常生活で起こりうる不器用さを改善していくために取り入れています。

そして、協調運動が十分にできるようになってきたらスパークではさらに次の段階を目指しています。

それは、リズム良く動くことです。


リズムと言うと、音楽に合わせて運動すること?と思われがちですが、それだけではありません。

確かに音楽に合わせて運動をすることは、体のリズムを養う為に有効な手段の1つではあります。


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リズム良く運動するとは一定のタイミング、リズムで動き続けることです。

歩行をイメージしていただくと、ずっと一定のリズムで体を動かしていることが分かると思います。

リズムを変える(速くする)と早歩き→走行になります。


音楽に合わせて体を動かすのも、4拍子なら4拍子という一定のリズムで体を動かし続けることになります。

音楽という外からの客観的な基準がある分、リズムを整えやすいです。


音楽を伴わない様々な運動・遊び・スポーツも自分の内部で感じられるリズムを刻んでいくことで高度なものになっていきます。

体を動かす時のリズムを自然と刻めるようになるには、何度も何度もたくさん体を動かしていくことが何よりです。


縄跳びであれば、同じリズムで何回も続けて跳べること。

むしろリズムがばらばらだと何回も続けて跳べませんね。


子どもたちは本来、たくさん遊ぶ中で体のリズムを養っていくものです。

スパークでは、感情やセルフレギュレーション能力、社会性の発達に働きかけるとともに、自然と身体能力にもプラスになるような豊かな遊び場を作りに努めています。


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