つま先立ちで歩く、とても内股になっている、自分の足をもう片方の足で踏みつけてしまう、など、
親御さまから足に関するご相談を受けることがあります。
こういったお悩みは、自閉症スペクトラムをはじめとした発達特性を持っているお子さまに見られる特徴の1つだと言われています。
今回は「つま先立ちで歩く」について、一般的に言われている理由と遊びによるサポートをご紹介したいと思います。
*状態によっては理学療法士、作業療法士などの専門家による支援が必要になることもありますので、一度医療機関や療育センターにご相談されることをおすすめします。
足の裏や踵に何らかの感覚の過敏があり、地面に足がつくことが不快に感じてしまいます。
そのため、嫌な感覚を避けようとして踵を上げてつま先歩きをしてしまうことがあります。
逆につま先に過敏がある場合は、重心を踵に置いて、つま先を上げて歩く子もいるそうです。
感覚過敏があり、つま先立ちを続けた結果として筋肉が緊張がちになり、関節の動きが硬くなることに繋がることもあります。
感覚過敏とはまた違った感覚の特性があります。
人それぞれ「心地よい」と感じる感覚は様々で、発達に特性を持つ子たちの中にはつま先立ちの感覚を好む場合があります。
心地よい感覚を味わうために、つま先立ちやつま先歩きをしていると考えられます。
気に入った感覚をなんども繰り返す「常同行動」と呼ばれる状態と言えます。
この場合にも慢性的につま先歩きが続くことで、関節の動きが硬くなってしまうことがあります。
感覚過敏や常同行動といった感覚特性が発端でつま先歩きが癖づいてしまい、足首が動きにくくなることがあります。
それ以外にも、感覚特性は無いけれど、下半身の筋肉が未発達なため、足首を上手に使うことが難しいということも考えられます。
発達障害と言われる子たちの多くが、「身体面の成長のゆっくりさ」を持っています。
先天的な疾患などで、足首や膝などの関節が動きにくい場合があります。
疾患なのか、発達のゆっくりさなのか、感覚特性なのかを見極めるために、医師や療育センター等に相談をしてみることをおすすめします。
状態によっては理学療法士、作業療法士などの専門家による支援が必要になることもあります。
専門家による支援以外に、ご家庭でも遊びを通じた様々な経験を積むことが発達の手助けになります。
感覚過敏に対しては、アスレチックや芝生、マットやクッションなど様々な足場の上で遊ぶこと、足の裏をくすぐったり揉んであげたりして感覚に慣れさせてあげることなどがあります。
いずれも、「嫌!」と言うお子さまに対して無理に行う必要はありません。
無理なく楽しめる範囲から始めることが良いと言われています。
常同行動の場合にも、身近な様々な感触の物を足に触れさせてあげて、つま先立ち以外の「気に入った感覚」を見つけてあげること、
「踵もつけるんだよ!」という大人からの声掛けも良いそうです。
発達がゆっくりの場合にも、足にさまざまな感覚を入れてあげることが効果的です。
他にも外で走ったり、ボールを蹴ったり投げたり、遊具に登ったり。
運動の機会を増やしてあげることもとても大事で効果があります。