スタジオでの遊びについての紹介、3回目になりました。
今回は力加減のコントロールを必要とする遊びについてです。
力が強いこと自体は悪いことではありません。
困るのは、力加減を必要に応じてうまく調節できないことにあります。
スタジオに来て下さる子たちの中にも、力のコントロールが苦手な子たちがいます。
何をするときも思いっきり力を入れてしまう。
優しく投げる、蹴るが苦手で、常に全力。
生きていくうえでは思いっきり力を込めるだけではなく、そーっと力を入れたり、優しく触ったり、弱い力で投げたり、置いたり、軽くやっておく、肩の力を抜いてリラックスして取り組むなど、場面や使う物に応じて力加減を調整する必要があります。
スパークでは強制的に何かをさせることはありません。
遊びに対して「やりたい!」と思って初めて遊びが成立します。
<力加減のコントロールにつながっている遊びの例>
・的を狙ってボールや物を投げる
→思いっきり投げるだけでは当たらない、入らない
・強弱をつけてボールを蹴る、投げる、転がすなど
→強く蹴ったり、優しく蹴ったり 強弱の中で力加減を知る
・不安定な場所を渡る
→全力で走るだけでは落ちてしまうので気を付けながらそーっと渡る
・ごっこ遊び・見立て遊びの中で
→ごっこ遊び・見立て遊びの中では様々なシーンが現れます。
音を立てないようそーっと相手に近づくこともあれば、思いっきり大きな音でビックリさせることもあったり。
スタジオでは療育士がお子様につきながら適宜声をかけながら力のコントロールを促しています。
「そーっとだよ」「つよく!」と言ったり、声のトーンや擬音語で表現したり。
子ども一人一人が興味を持った遊びの中で、力のコントロールが身に付くよう遊びを展開しています。
その中で療育士・親御さんは子どもに共感し、褒めることで「できた!もっとやりたい!」という気持ちを引出します。
これは心理学的には「正の強化」と言います。
脳科学的にはドーパミンという快感情を引き起こすホルモンの分泌を高めることにつながり、脳の発達に貢献します。
*「正の強化」=何か(ご褒美)を与えて行動をもっとやりたいと思わせること。できたらお菓子をあげるなどがこれにあたる。
スパークでは人と人との関わり合いを大切にしているので、共感すること、褒めること、認められることなど、人間関係から生まれる喜びが行動を促進するきっかけになります。
さらに、「できた!もっとやりたい!」という気持ちは自己肯定感を高めていき、さらなるチャレンジを促します。
スパークでは力のコントロールを身に付ける遊びをする中で、人と関わる楽しさを知ることや自己肯定感を高めること、脳の活動を促すことなど、様々な面からアプローチしていくことで、子どもたちの発達に働きかけています。