前回は、“直立姿勢の問題”についてお話ししました。
↑“直立姿勢の問題”
子どもの頃に姿勢を少しでも改善するために、私たち大人が出来ることは何なのか。
今回は2つ目の“姿勢を維持する問題”についてお話します。
姿勢の悪さは発達上の様々な問題と大きく関係してきます。
例えば、、、
小学校で椅子に座る時に、イスをがたがた揺らす。机に対して頬杖をつく。貧乏ゆすりなどがあります。
立っている時であれば、朝礼の時にウロウロ歩き回る。上半身をユラユラさせる。机の範囲から足を出して座る。
体育館など地面に座る時には、体育座りで姿勢が安定しないため、前後左右に手を着くなどが見られます。
特に座る時は姿勢の安定が難しく、少しでも安定するために地面との接地面を多くしようする傾向があります。
このように姿勢の維持が出来ない理由で、
「あの子は落ち着きがない。」「じっとしていられない。」など言われることが多くあります。
姿勢の維持は脳と大きく関わっています。
筋肉(骨格筋)は2つに分類できます。
緊張筋:静的運動、収縮速度は遅いが疲れにくい。持久系の運動脳から刺激うけているのではなく、
脳に刺激を与えている。
相性筋:動的運動、収縮速度は速いが回復が遅く疲れやすい。
そのため、、、
姿勢の維持が出来ている=筋緊張が正しく緊張している。
姿勢が悪い=大脳の活動レベルが低下しやすい。目は覚めているが脳が活性しきってない。
朝からボーっとしてる。ゴロゴロしている。
などが考えられています。
このような子どもは、抗重力筋の弱さが原因かもしれません。
抗重力筋とは、地球の重力に対して姿勢を維持するための筋肉のことを言います。この筋力は重力と抗重力筋が均等に釣り合って初めて、姿勢を維持できます。
抗重力筋は、背中・腹筋・お尻・太もも・ふくらはぎ にあります。
この背中・腹筋・お尻・太もも・ふくらはぎの抗重力筋力が重力に対してバランスを保っているため、座ったり立ったりすることが出来るのです。
では、実際に姿勢を維持するためにどのような運動が必要なのでしょうか?
①抗重力伸展活動 うつ伏せから体をそる運動
例)ブリッジ、かめさん、雑巾がけ、手押し車
②抗重力屈曲活動 仰向けからおなかに向かって体を丸める運動
例)綱引き、登り棒、トンネルくぐり、四つ這い
筋肉は使うことでしか発達・機能しません。
そのため筋肉を使わなければ、姿勢の維持がどんどん難しくなってくるかもしれません。
このように「姿勢が悪い」「落ち着きがない」だけで終わらせるのではなく、
身体を使った遊びを沢山行うことで抗重力筋が発達し、姿勢改善に繋がっていきます。
スパーク運動療育では、子どもたちは、指導員や親御さまと一緒に身体を動かす活動をたくさん行っています。
楽しみながら身体を使うことで、自然に筋肉の発達を促していきます。