特性にもよりますが、抱っこが好きな子は多いです。
実は「抱っこ」は乳幼児期の子どもの心と体に非常に大切なことです。
1.心を落ち着け、愛着を形成する
2.前庭感覚、体性感覚、視覚を刺激して運動機能向上に関連
悲しい時、痛いとき、子どもたちはよく抱っこを求めます。
そして抱っこをすることで落ち着きを取り戻します。
これは、抱っこをすることで分泌されるホルモンが関係していると言われています。
幸せホルモンのセロトニン、愛情ホルモンのオキシトシンが分泌されることで気分を落ち着ける効果があります。
子どもたちは様々な困難に直面しても、抱っこで心を落ち着け、乗り越えていきます。
また、発育発達は親子の愛着形成をベースとしています。
抱っこを通じたオキシトシン分泌は発育発達の根っこになります。
抱っこをすることは体にも良い影響を及ぼします。
いわゆる「運動神経」「ボディイメージ」といった運動能力に関係する機能に「体性感覚」「前庭感覚」「視覚」があります。
体性感覚は「自分の体を触れられている」「物が体に触れている」「触っている」といった感覚です。
抱っこでギューっとしてあげることで、強い刺激が入り、体性感覚が鍛えられていきます。
前庭感覚は「体が左右に動いている」「上下に動いている」「スピードが速い、遅い」「バランスを取る」といった機能です。
抱っこで子どもを振る向きやスピードに関係します。
もう一つ、視覚も鍛えることができます。
ここでいう視覚は視力のことではなく、物との距離感や視野の広さのことです。
抱っこをしている時の視線をどれだけ動かしてあげられるかが関係します。
発達に不安のある子たちは
・ボディイメージが弱く、よく人や物にぶつかる
・運動がぎこちない
といった特徴があります。
こういった運動機能の根底にあるのが、体性感覚、前庭感覚、視覚です。
それぞれの感覚を刺激していくことで、脳の新しい神経回路が作られて発達が進みます。
抱っこをすることがこれらを鍛えることができるのですが、、、、
ちょっとしたコツがあります。
それが抱っこ遊びです。
ただ抱っこをするだけでなく、そこから遊びに繋げます。
運動機能を高くするための抱っこ遊びのコツは、4つ。
1.いろんな強さで体性感覚を刺激(優しいギューから強いギューまで)
2.子どもをいろんな方向へ持ち上げて前庭感覚と視覚を刺激(上下左右、斜め上、斜め下、左右回転)
3.子どもの向きを変えて前庭感覚と視覚を刺激(親の方を向く、親と反対を向く)
4.組み合わせる
*いずれも安全を考慮したうえで実施してください
*首の座っていない乳児には大きな刺激を与えない様に注意してください。
抱っこ遊びでこれらの感覚を刺激してあげることで、新しく脳の神経回路を作ることに繋がります。
泣いている時などに無理して行う必要はありません。
泣きたいとき、つらいときは落ち着くまで優しく抱っこしてあげて下さい。
愛着形成をしながら、運動機能にも必要な刺激の入る抱っこ遊び、ぜひやってみて下さい。
スパーク西京極でも抱っこはたくさん行っています。
子どもたちを褒める時、共感して寄り添う時はもちろん、抱っこ遊びもしています。
スタッフとの関係性構築や、感覚を刺激する遊びとして抱っこは大変効果的だと感じています。