子ども達が大人と同じように全身を使ったり手先が器用になったりするためには、長い時間が掛かります。
身体機能の発達は「上から下」「中心から末端」と言われています。
「手先が不器用」というお悩みに対して、手先を使う細かい運動も大切ですが、体を大きく使う運動も手先の発達に関係しています。
1人1人の段階に合わせた遊びや関わりが効果的です。
子どもの身体機能の発達が「中心から末端」と言われてもイメージしにくいと思いますので、説明します。
一番わかりやすいのは赤ちゃんです。
始めは首が座るだけだったのが、寝返り、お座りに発展します。
徐々に末端が成長し始め、腕、脚が発達し始めるとずりばいやハイハイをします。
更に発達が下、末端へ進むことで立つこと、歩くことができるようになります。
首から始まって最後は足(上から下)。
胴体の動きから手足の動きへ(中心から末端)。
このようになっています。
この順番は立って歩けるようになる段階で終わるわけではありません。
成熟するまで続いていきます。
手先が上手に使えるまでの「中心から末端」の経路を見ていきます。
胴体と腕が繋がっているところ(肩)の動きが自由になる
↓
肘の曲げ伸ばしが自由になる
↓
手首の動きが自由になる
↓
手を握る、開く動きが自由になる(力がつく)
↓
指先を自由に使えるようになる
段階がもっとも分かりやすいのがお絵かきです。
腕全体で殴り描きするような段階は、肩や肘がメインです。
細かい線などは無理だけれど、おおざっぱになぞったりできるようになってくると少しずつ手首も使えるように。
指先を使えるようになってくると、細かい絵を描けるようになってきます。
「手先が不器用だから、手先を使う細かい遊びをする」
これも大切です。
できないからといって経験を奪ってしまうことは良くないからです。
それと並行して、手のひらは自由自在に力を調整しながら握ったり開いたりできるかを確認したいところ。
もしそれがまだなら、クマさん歩き、手押し車、
他にも手押し相撲、引っ張りあいっこ、鉄棒にぶら下がり、ジャングルジムといった遊びを積極的に取り入れたいところです。
意識的に手のひらを開くこと、握ることを繰り返すことで、指先の前段階である手のひらの発達を促すことができます。
ふにゃふにゃっと握っている場合は、「ぎゅーだよ」とか「パーだよ」と言った声掛けや実際に手をひらいて教えてあげることも効果的です。
「開く」「握る」といった言葉は子どもにとって分かりにくいので、「ギュー」などの擬音語+触れてあげることの方が伝わりやすいです。