前回のブログからの続きで、しばらくは子ども達のごっこ遊びについて深堀していきます。
ごっこ遊びが始まるのは1歳ころからと言われます。
基礎的なイメージの力が芽生えてくるのが1歳半頃ですから、それと同じか少し後にごっこ遊びが出現するようです。
初期のごっこ遊びは、まだ他者と複雑な関わりがあるという感じではありません。
おままごとなどで想像されるごっこ遊びはもっと後です。
その基礎となる遊びがこの頃から始まります。
初期のごっこ遊びは「ごっこ遊び」というよりは「模倣遊び」「再現遊び」と言ったほうが正確かもしれません。
日常生活で印象に残っている事柄をイメージし、それを真似する感じで遊びます。
例)
・洗濯ものを干すふりをする→母親が家事をする姿の模倣
・コップに砂を入れて飲むふりをする→ご飯の時の再現
などなど、特に大人の様子をよく見ながら、遊びの中でそれを表現します。
これが初期のごっこ遊びです。
まだまだ「なりきっている」とか「役割」とかそういうのはありません。
お母さんになりきって洗濯ものを干しているのではなく、洗濯物を干すお母さんを真似ているような感じです。
その場に他の子や大人がいても「一緒にしている」という感覚もまだまだ少ないです。
なので、この時期の関わり方としては、役割等を設定してあげるというよりは「反応」を大切にしてあげることが必要です。
1歳の子どもが、お皿に砂を入れて食べるふりをしていたとします。
もしくは、大人の私たちにそのお皿を差し出してきたとします。
あくまでもまだまだ再現をしている頃ですから、大人の私たちが「あ、これはご飯だな」とくみとってあげて、
「いただきまーす!」「ぱくぱくぱく」と言って食べるふりをして、再現の世界を充実させてあげます。
まだまだそこから大きく遊びを膨らませることは難しいので、子どもたちは再び繰り返したり、自分も「いただきます」の真似をしたりします。
2歳頃になるとかなりイメージの力も発達してきますし、言葉も増えてきます。
ただ、まだまだお友達とイメージをしっかり共有し合うことは難しいので、
噛みあっているような噛み合っていないような感じになります。
積極的にイメージを共有しようとする気持ちが出てくるので他の子を誘ったり、
「〇〇買ってきてー!」みたいな感じで巻き込もうとしてみたりします。
そこで相手の子が乗って来てくれると、遊びが発展していきますが、できたりできなかったりです。
まだまだ各自で遊ぶ並行遊びの時期。
協力して1つの家族をつくると言うより、あっちこっちでお家?お母さん?が林立しているような感じです。
各々が各々の世界観で遊んでいます。
大人の助けがあると、物の貸し借りができて関わりがあったり、イメージを共有できることがあったりします。