新しく開所予定の四条段町において、東京のスパーク本部から清水先生と酒井先生をお招きし、研修を行いました。
また、他事業所の先生も研修に加わっていただきました。
3日間みっちりと研修をしていただき、スタッフも療育について改めて深く考えることができました。
研修で得たことを活かして、新しい四条段町スタジオも西京極スタジオも更に良い療育を提供できるようにしていきます。
ご協力いただいた先生方、3日間ありがとうございました。
「力加減ができなくて」というお悩みをスタジオでもよく聞きます。
子ども達は遊びや日々の生活、他者との関りの中で力加減を知っていきます。
その中で一般的に言われていることが、「100%を知ること」です。
力加減ができるようになることは、個人単位での心身の成長だけでなく他の子と遊んでいく中でも大切になってきます。
工作や食事などの細かい作業をする際などに、力加減が出来ていないと上手くいきません。
お友達との関りでも、毎回強い力で触れ合っていると上手く関わることがで難しくなります。
好きなアニメのごっこ遊びなのに本気で叩いてしまうなどはよくある例かと思います。
力加減を少しずつできるようになっていくことで、できることも増え、さらに発達も進んでいきます。
力加減を覚えるにはまず自分の出せる力の100%を知る必要があります。
上限を知らない状態で30%、50%などに調整しようとしても難しいです。
スパーク西京極でも力加減が苦手な子たちは少なくありません。
もちろんその都度「そっとだよ」と声を掛けたりお手本を示したりはします。
ですが、それと同じくらい、思いっきり体を動かして楽しく遊んでもらうことも大切にしています。
特に強く押したり引いたり、思いっきりジャンプしたり、投げたり、全身を大きく使うことで100%の力を出す遊びを十分に満たしてあげます。
「そっと握ってね」と伝えることも必要ですが、子どもたちにとっては全力で握る経験も同等に大切なことです。
力加減だけでなく、スピードも同じです。
そっと歩く、止まる、ゆっくり走る。
それができるようになるためには、全力で走る経験が必要です。
思いっきり走るとどれくらいのスピードが出るのか。
それがわからないと、「ゆっくり」がどれくらいかは分かりにくいです。
調整する力を伸ばそうと、調整する練習ばかりをするのではなく、成長と共に強くなっていく100%の力を知るためにも全力で遊べる機会をたくさん作っていきたいものですね。
スパーク運動療育では遊びを通じた運動とやりとりを中心に子ども達の発達を促しています。
その中でも褒めることと、自発的に体を動かすことを大切にしています。
どうしてそれが大切なのか、脳科学の観点から簡単にお話ししていこうと思います。
運動の発達を支える脳の領域は2つ。
大脳基底核と小脳です。
小脳は以前もブログに書きましたので、併せてご覧ください。
大脳基底核は運動学習を担う領域の1つで、特に報酬への反応が大きいです。
脳にあるドーパミン(嬉しい感情やご褒美で分泌)というホルモンの8割近くがこの大脳基底核に集まると言われています。
大脳基底核は運動の良し悪しを、ドーパミンの分泌具合で判断しています。
運動が出来た直後に、子ども自身が「嬉しい」と思えること、そして褒めという大人やお友達からのご褒美がもらえられることで活性化し、運動を定着させていきます。
スパークでは褒めることをとても大切にしています。
褒める効果は運動の学習以外にも自己肯定感をあげることや、さらなる行動を促す原動力になるということが分かっています。
スパークで褒めるメインの理由はそっちなのですが、実は運動学習の面でも役立っています。
もう1つ運動学習に大きく関わっているのが小脳です。
小脳は失敗から学びます。
失敗した運動に対して調整して再度チャレンジしていく過程で活性化し、運動を学習していきます。
また、小脳は本人の自主性や創造性によるところも大きく、自発的な運動や遊びでさらに働きます。
スパークでは、子どもの「やってみたい」という気持ちや自由な発想を大切にしています。
その中で体を動かすことで、運動面での発達も促されていきます。
乳児期、幼児期の発達は保護者との愛着形成がベースになってきます。
子どもたちは保護してくれる大人の力が無ければ生きていくことは非常に難しいです。
そのため、養育者との関りから受ける影響はとても大きなものだと考えられます。
親や親代わりとなる人物との愛着形成が大切な理由について紹介していこうと思います。
子ども達は乳児期や幼児期に保護者との信頼関係を気付くことで「自分が生きていくこの社会は安心できるものだ」という感覚を持つようです。
最も身近な人間関係である保護者から、たくさんのスキンシップや言葉がけをしてもらうことでこの感覚が養われていきます。
保護者と子どもとの相互的なコミュニケーションを日々繰り返すことで、愛着が形成されていきます。
この形成された愛着は、その後の人生における人格形成や社会性と言われる部分にも大きな影響を与えることが分かってきています。
子どもが保護者に発生や接触で働きかけ、それに対して保護者が応答することで、子どもは保護者に対して安心して頼れる存在であると認識し、自信を持っていきます。
保護者からの働きかけ、子どもの働きかけに対する応答を大切にしていくことで愛着形成が進んでいきます。
子どもたちの心身の発達には、少なからず挑戦や困難が伴うため、「安心感」が必要になります。
体の発達であれば、重力や触覚刺激に対しての感覚が安心の材料になります。
心の発達には、前述したような「この社会は安心できるもの」という感覚もそうですし、「安全基地」としての保護者の存在も大切になってきます。
子どもは親が見守っている状況下で、遊びを通じて環境の探索であったり、物事への挑戦を行います。不安や恐怖などの感情に襲われると、避難場所として「安全基地」である保護者への接触を求めます。
スパークでも、遊びに挑戦を伴う時は、子ども達はお母さんやお父さんの所へ飛び込んでいく姿があります。
これは決して悪いことではありません。
むしろ、きちんと安全基地があるからこそ心身の発達が可能になります。
スパーク西京極では保護者にも療育に同席していただいております。
可能な範囲でかまいませんので、遊びに加わっていただくと、子ども達はとても嬉しく、発達にもプラスに働きます。
遊びに加わっていただかなくとも、子ども達が安全基地として保護者を求めた際に応答を返してあげるだけでも、有意義な時間を過ごしていただけます。
暑中お見舞い申し上げます。
8月14日(土)~8月16日(月)
スパーク西京極はお盆休みを頂きます。
休業期間中のご連絡は、留守番電話にメッセージをお願いいたします。
急を要するご連絡以外につきましては、休み明けの17日(火)に対応させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
スパーク西京極
管理者 熊谷
お子様がどれだけグルグルと回転しても目が回らない姿を見て不思議に思うことはありませんか?
何回転もしているのに真っ直ぐ歩ける、目が回らないからグルグルと回転して遊ぶことが好き。
療育をしている私達としても、子どもたちのそんな姿をよく目にします。
今回は目が全く回らない子の理由と、そんな子たちが積極的に取り組んでいきたい遊びを紹介します。
目が回らない子は前庭感覚が鈍感であったり未熟であったりすると言われています。
前庭感覚とは、耳の奥にある前庭器官(耳石器、三半規管)による感覚です。
前後左右あらゆる方向への頭(身体)の移動、傾き、加速などを感じる場所で、その情報と視覚や筋肉、関節からの情報を元に人間はバランスを保っています。
前庭感覚が未熟な子たちは姿勢保持や運動も苦手になりやすいと考えられています。
目が回らない子たちも、この前庭感覚に未熟さや鈍感さがあると考えられています。
前庭感覚と言っても、
耳石器とよばれる所で感じる直線方向への移動と、三半規管で感じる前後左右や回転があります。
目が回らない場合は特に三半規管に未熟さがあると考えられていますが、前庭感覚を全体的に刺激できるような遊びを積極的に取り組んでいくことが大切です。
揺れや不安定感のある遊びを積極的に取り入れていきたいです。
公園の遊具であれば、シーソーやブランコは揺れの刺激。
すべり台であれば前後への加速の刺激を入れて遊ぶことができます。
他にもグラグラする遊具などもおすすめです。
お子様によっては、遊具が怖い場合があるので、保護者が一緒に乗ってあげたり、小さなものからチャレンジすると良いと思います。
お家で出来る遊びなら、抱っこで様々なスピード(初めはゆっくり)、様々な方向にぐるぐると回してあげたり、保護者と関わって愛着を形成しながらも感覚を刺激できる遊びがおすすめです。
7月23日~29日の間に毎年恒例のスパーク夏祭りを開催しました!
普段の療育とは違った製作コーナーや食べ物コーナー、ゲームコーナーを楽しんでいただきました。
療育室全体も海の世界観で飾りつけし、少しでも夏を満喫してもらえたかなと思います。
夏祭りと言えばかき氷とフライドポテト!
おいしー!
全部倒して景品ゲットだ!
ピンが倒れると気持ちいいね!
磁石の釣り竿で大漁!
ポケモンや船まで釣れちゃうお魚釣り!
ストローに糸をとおしたり、テープでくっつけたりして可愛いネックレス、ブレスレット作り!
剣や動物を作ってくれたお友達もいました!
手形をおしたり、お絵かきしたりでオリジナルのうちわ作り。
今年の夏はこれで乗り切れそう??
夏祭りを無事開催することができました。
保護者の皆様、ご協力ありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします。
「運動面に不器用さがある」というお子様に関するご相談を受けることがよくあるので、運動発達に深く関わっている小脳についてご紹介します。
小脳は失敗から学ぶ脳の部位ですが、お子様によっては性格や特性、発達の段階の影響もあって失敗を嫌がる場合があります。
一度失敗してすぐに諦めてしまうと、どうしても成長はゆっくりになります。
スパーク西京極でもお子様達一人一人の「失敗」への向き合い方を日々試行錯誤しています。
小脳の働きと、小脳の発達を促すための「失敗をした時の対応」について書いていこうと思いますので
何か参考になればと思います。
小脳を始めとして、脳の働きにはまだまだ未知のところが多いですが、今のところ言われている小脳の働きを大きく分けると以下の2つです。
・バランス感覚
・運動機能の調節や記憶
実は大きさは大脳の10分の1程度ですが、神経細胞の大部分が小脳にあります。
ギュッと詰まっているイメージですね。
運動機能の調整もバランス感覚も、生まれてすぐに完璧に備わっているわけではありません。
運動経験を通じて発達していきます。
ではどんな運動経験が発達を促すかと言うと、「試行錯誤」する経験です。
例えば平均台遊び。
平均台から落ちるという失敗を繰り返す中で、「次はこうしてみよう」と考えます。
試行錯誤する中で、成功すると「できた!」という成功体験から、ちょうどよい動きの感覚を一度掴めば次から出来る様になっていきます。
この時の感覚を小脳が覚えます。
もちろんその後も失敗しないわけではありませんが。
小脳は試行錯誤の中で運動機能を高めていくわけですが、子ども達は性格や特性、発達の段階において失敗を極度に嫌うことがあります。
「失敗しそうなことはやろうとしない」
これも療育の際によく聞くお悩みです。
小脳には失敗が必要なのにどうすれば良いのだろう?
これはスパーク西京極でも日々試行錯誤を繰り返しているテーマです。
やはり、お子様一人一人でも違いますし、その日の調子なども違います。
その中でも大切にしているが、「失敗しても良い環境づくり」です。
・大人も失敗する(一緒に遊ぶスタッフも失敗します)
・「失敗しても良いよ」「またやれば良いよ」といった声掛け
・子どもの気がしっかりと活動に向いた時に行う
・挑戦したこと自体を褒める
・応援する
・失敗した時に暗い空気にならないように気を付ける
「失敗しても良い」という声掛けや、大人も失敗する姿を見せることは特に効果的な印象です。
こどもたちの気が向いていない時は無理強いしないこともです。
気が向いた時はすごく頑張ってくれますので。
今回の内容が何か関わりのヒントになれば幸いです。
集中して長い時間楽しんでくれるのは良いことだけれど、なかなかお終いができない。
スタジオでの療育後もよくあるシーンです。
「切り替え」ですね。
ここに難しさを抱える子は少なくありません。
というか、どの子でも初めはそうです。
どういった関わり方で切り替えを促していけば良いのか。
1人1人の性格や個性もあるので、私達も試行錯誤の日々ですが、その方法を少し紹介したいと思います。
遊びが盛り上がってきて夢中になっている時に「はい。今日はお終い。」と言われると、
大人でも少し気持ちの整理がつかないというか釈然としないというか。
子ども達は尚更です。
そうならないために、事前にお終いの時間や区切り(あと何回など)を伝えておきます。
これは子どもによります。
比較的すぐに切り替えられる子には5~10分前に声を掛けますし、
難しい子には遊びが始まる前に伝え、さらに休憩中などに複数回伝えていきます。
遊びの内容自体も、徐々に盛り上がりがクールダウンしていけるように工夫したりしています。
お終いとなると、片付けやお着替えなどをしないといけません。
でもこれがまた子どもにとって面白くないわけです。
どう考えても今までしていた遊びの方が楽しいわけですから、当然切り替えたくありません。
それを楽しい雰囲気にしてしまおうという作戦です。
ただこれは難しい。
スタジオではよく「玄関まで競争!」とか「お片付け競争!」とかスタッフが持ちかけますが、
お家で毎回毎回はできないと思いますし、スパークのスタッフほどに毎回楽しそうな雰囲気前回で接するのも難しいと思います。
できそうな時にたまにやってみてください。
「お終い」という言葉に対してネガティブなイメージを持っていると、終わりたくないのが子どもたち。
なので、していた遊びが終わることよりも、その先の楽しいことを強調して切り替えを促します。
「〇〇行くからお終いにしよう」なのか「〇〇行こう!その前にお片付けしなきゃね」では子どもの反応が違います。
ちょっとした言葉かけの工夫で変わってくるので、いろいろと試してみて下さいね。
「〇〇だけれど〇〇する」力が育ってくるのは4歳ごろですので、発達の段階としてその時期に来ている子には効果のある方法です。
すぐには「終わりたくないけれど、片付けする」にはならないかもしれませんが、
「まだ遊びたいよね。まだ遊んでいいけど、後3回にしよう」など、
子どもの遊びたい気持ちに寄り添いつつ、
少し段階を落とした提案をしてみることで切り替えが促されることもあります。
スパーク西京極では、子どもたちの気持ちに寄り添いながら沢山遊ぶことで療育をしています。
というのも、子ども達は遊びの中で学び、成長していくからです。
では具体的に遊びの中でどのようなことが成長していくのでしょうか。
親や先生からの働きかけで、大小さまざまな心身の機能をつかうことも必要なことです。
それとはまた違って、自発的な要素が強い「遊び」で心身機能を使うことにも大きな意味があります。
遊びの中で子ども達は周囲の環境に働きかけていきます。
周囲の環境は、遊び相手の友人や大人、他にも遊具やおもちゃなどです。
遊び相手に働きかけると会話や行動などの反応が返ってきます。
遊具や玩具に働きかけると、物が動いたり、音がしたりといった反応が返ってきます。
こういった経験を通じて、子ども達は「自分が周りの環境を変える力を持っている」ということを知っていきます。
こういった感覚を「自己効力感」と言います。
自己効力感が高まると、積極的に物事に取り組んだりすることができます。
遊びの中で考え、他者と関わっていく中で次のような発達が促されていきます。
遊びの中で他者と衝突をしたり、助け合ったりするなかで社会性を身に付けます。
他者と共に活動していくことの喜びや連帯感を知っていきます。
思いやりや正義感、善悪の判断も遊びで知っていきます。
遊びの中のルールや世界観を通じて自然と身についていきます。
物事を比較したり、判断したり、創造したり。
自由で偶発的な「遊び」という環境だからこそ、自ら考えていくことを必要とします。
欲求を満たしたり、我慢したりといった繰り返し。
遊びの中での自由な感情表現を通じて情緒が育っていきます。
遊びは多かれ少なかれ運動を伴います。
走り回るような大きく体を使う遊びから、工作などの細かい運動を伴う遊びまで。
そこで知っていく体の使い方は、人生のあらゆる場面で役立っていきます。
スパーク西京極では楽しく遊び込むことを通じてお子様一人一人の全体的な心身の発達を促しています。