新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、療育の前後にはアルコール消毒と次亜塩素酸希釈液での拭取りを行なっています。
療育前後には職員の手洗いうがいとアルコール消毒。
療育室全体へのアルコール噴霧で除菌。
使用した遊び道具やドア等の次亜塩素酸希釈液での拭取り。
スタジオで使用している次亜塩素酸希釈液の作り方です。
ご家庭でも手に入る製品から作れるので、感染予防にご活用下さい!
長く不安な日々が続きますが、最大限の感染予防とスパークらしい笑顔の療育で頑張ります!
保護者の皆さまへ
平素はスパーク西京極の運営に多大なご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
皆さまにおかれましては、テレワークへの移行、幼稚園・保育園の休園要請や政府からの外出自粛要請など生活に多大な影響が及んでいることと存じます。
4月8日時点では、スパーク運動療育西京極スタジオが属する「児童発達支援事業」に於いては
原則開所しますが各施設にて判断するものとします。
との通達がなされております。(新型コロナウィルスに関する行政通知 4月8日時点参照)
保護者の方々より
・感染リスクを避けたいので当面お休みさせて下さい。
・幼稚園や保育園が休みになり自宅で過ごす時間が増え、体を動かす機会が殆ど無いので子どものストレスが増しています。スパークが唯一体を動かせる機会なので、ぜひとも開所を継続してもらえると助かります。
・平時であれば休みの時はショッピングモールや遊園地などに行ったりするんですが、今の環境でそういった場所に行くのは怖いですし、それらの施設と比較してもスパークの方が人の密度等や感染リスクは圧倒的に低いので、開所を継続してほしいです。
など、様々なご意見を頂いております。
これら、皆さまのご意見や感染のリスク、行政からの要請などを踏まえ、当事業所は、
可能な限りの感染防止策を講じながら、開所を継続する
こととさせていただきました。
※感染防止の為、以下を再度お願い・お知らせさせて頂きます。
★ご利用されるお子さま、ご家族の皆さまへのお願い★
・通所前、ご自宅にて検温をお願いします。
※お子さま、ご家族のどなたかに発熱(37.5℃以上)がある場合は、通所をお控え下さい。
・通所時、当施設玄関にて来所者全員、検温をさせて頂きます。
※発熱(37.5℃以上)がある場合は、その日の療育はキャンセルとし、ご帰宅頂きます。
・来所時、帰所時に玄関にて、手指のアルコール消毒をお願いします。
・感染防止の観点からも、療育を受けるお子さま以外の兄弟姉妹さまにつきましては、極力お連れにならないよう、お願いいたします。
★当施設での取り組み★
・全職員が出社前および出勤時に検温
・療育前後のうがい手洗い
・スタジオ内の換気
療育中は、安全確保の観点から20㎝程度窓を開け換気。
療育と療育の間は、窓を全開にして換気。
・スタジオ及び療育道具の消毒
アルコールのスプレー噴霧(壁、床面、ボール、布類等)
次亜塩素酸希釈液での拭き取り(ドアノブ、手すり、マット、大きなボール、キッズステップ等)
スパーク運動療育 西京極スタジオ
管理者 熊谷 利衣子
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に係る市内の子育て支援施設等の対応
(4月8日現在)
1 所管施設における対応
⑴ 保育園等(保育園,認定こども園,小規模保育事業所等)
ア 通常保育に係る取扱い
保護者等に対し,可能な限り,家庭保育の協力を依頼したうえで,原則として開所します。 なお,家庭的保育の協力依頼は,一旦は5月6日までとし,以降は,状況を踏まえたうえで改めて判断します。 |
イ 一時預かり事業
保護者等に対し,緊急性が乏しい場合は,利用を控えていただくよう依頼したうえで,受入れを行うこととします。 |
ウ 病児・病後児保育事業
保護者等に対し,児童の状況等により,新型コロナウイルス感染症の罹患が疑われる場合は,利用を控えていただくよう依頼したうえで,受入れを行うこととします。 |
⑵ 私立幼稚園
ア 通常教育期間に係る取扱い
市立学校園における対応を踏まえ,各園において判断するものとします。 |
イ 保育を必要とする園児の取扱い(預かり保育・2歳児接続保育)
保育を必要とする児童(預かり保育の定期利用や2歳児接続保育の対象児)が一定数在籍していることから,家庭保育の協力を依頼したうえで,保護者のニーズ等,各園の事情を踏まえ,可能な限り受入に努めていただくことを基本とします。 |
⑶ 児童館・学童保育所等
ア 学童クラブ
保護者等に対し,可能な限り,家庭保育の協力を依頼したうえで,原則として開所します。開所時間は,通常どおりとします。 なお,家庭保育の協力依頼は,一旦は5月6日までとし,以降は,状況を踏まえたうえで改めて判断します。 |
イ 自由来館事業,つどいの広場
不特定の児童間の接触があることから,休館・休所します。 |
ウ 放課後まなび教室
市立小学校における対応を踏まえ,休止します。 |
⑷ 障害児支援施設(児童発達支援・放課後等デイサービス)
原則開所しますが,各事業者において判断するものとします。 |
⑸ こどもみらい館
不特定の利用者の接触がある「元気ランド」は利用休止します。 会議室等の貸館については,感染拡大防止の観点から,主催者側に参加者の体調把握をしていただくとともに,密閉・密集・密接の3つの「密」を避け,不要不急の会議については控えていただくよう,主催者に依頼することとします。 |
⑹ こども体育館,青少年活動センター,ひとり親家庭支援センター「ゆめあす」など
休館・休所はしませんが,会議室等の貸館については,感染拡大防止の観点から,主催者側に参加者の体調把握をしていただくとともに,密閉・密集・密接の3つの「密」を避け,不要不急の会議については控えていただくよう,主催者に依頼することとします。 |
2 区役所・支所子どもはぐくみ室における対応
⑴ 事業を中止するもの
ア これまでから中止しているもの
以下事業は,近距離で会話等しながら実施,かつ,知識の提供や交流等を行うものであり,他の相談業務で代替可能であることから,5月6日まで中止します。
事業名 |
対象 |
事業概要 |
開催頻度 |
プレママ・パパ教室 |
妊婦及びその家族 |
妊娠中の過ごし方や歯科・栄養等に関する講話を実施 |
概ね月1回 |
親子すこやか 発達教室 |
幼児とその保護者 |
心理発達に課題がある幼児とその保護者に対するグループワークを実施 |
概ね月1回 |
親子で楽しむ 健康教室 (所内実施型) |
乳幼児及びその保護者 |
乳幼児とその保護者との交流・育児や栄養等に関する講話を実施 |
不定期 |
乳幼児健康相談 |
乳幼児及びその保護者 |
乳幼児とその保護者の相談に応じる |
予約制 |
絵本ふれあい事業 |
乳幼児及びその保護者 |
乳幼児とその保護者に絵本の読み聞かせを行う |
乳幼児 健診時 |
イ 4月13日から中止するもの
4月13日から5月6日まで休止しますが,休止となった対象者全員に対しては,電話や訪問により,丁寧に対応します。
併せて,心理指導の経過観察が必要と判断される等,特に支援が必要な子どもについては,引き続き,個別相談を行います。
事業名 |
対象 |
事業概要 |
開催頻度 |
乳幼児健康診査 (4箇月・8箇月・ 1歳半・3歳) |
乳幼児及びその保護者 |
乳幼児の発達・発育の確認及び育児・歯科・栄養指導を実施 |
各健診 月1~4回 |
3 上記1,2の対応に係る期間の目途
5月6日まで
4 その他
上記「1」~「3」の取扱いについて,状況が変化した場合は,速やかに見直します。
スパーク運動療育では「共動・共感」という言葉を子どもとの関わりの基本にしています。
「共感」は検索すれば出てきますが、「共動」は出てきません。
「共動」はスパーク独自の言葉です。
私も初めてスパークを知った時、「共動」ってなんだろうって検索したけど出てこなかったのを覚えています(笑)
共感は他者の気持ちを理解し共有することですが、スパークでは気持ちに加えて体の動きでも表現することを大切にしています。
人それぞれですが、嬉しい時に飛び跳ねたり、ガッツポーズが出たりします。
悲しい時は肩を落としたり。
人の感情には動きがつきものです。
なので、「共感」だけでなく「共動」という言葉を用いて、心と体を沢山使って表現するような子どもとの関わり方をしています。
具体的にどんな関わり方をするかですが、まずは褒めることです。
褒めると言っても、先生が生徒を褒めるような声掛け、身振り手振りではなく、子どもと同目線で関わることを大切にしています。
褒めるシーンは主に3つです。
1.ありのままを褒める
2.頑張っている過程を応援、励ます
3.達成を喜び合う
ありのままを褒めるのは、来所時に療育士達が子どもの服装を褒めたり、来てくれたことに感謝を示したりといった感じです。
他にも、子どもたちが見つけた遊びに対して「そんなん見つけたの!?すごい!」と反応するようなシーンです。
頑張っている過程を応援するのは、何か遊びにチャレンジしている時に「がんばれー!」という声掛け、身振り手振りをすることです。
チャレンジが成功すれば、「喜び合う」ように褒めます。
結果的に「すごいー!」とか言っているのですが、言い方が上からにならないようにしています。
共動についても、子どもの遊びを一緒になってやってみること、気持ちを体で表現することを大切にしています。
こういった共動・共感の関わりをすることで、子どもたちの感情にはたらきかけ、コミュニケーションにつながる信頼関係のベースを構築しています。
また、発達に特性のある子たちはストレスに曝される機会が多いため、ありのままを認める共感の声かけが重要になります。
信頼関係が構築され、ストレスが和らいだ状態でやり取りをすることで考える力、表現する力が身につきます。
他者に認められることや、やり取りができた経験は自己肯定感の高まりにつながります。
このサイクルの中で子どもたちは感情を発達させ、社会性を育んでいきます。
スパークでは発達心理学に基づいて遊びを7段階に分けて考えています。
遊びの段階は子どもたちの発達の段階とリンクしており、療育で提供する遊びの内容もこの段階に沿ったものとなっています。
スパークでは「遊びの進化レベル」と呼んだりもしています。
お子様の普段の様子や療育時の様子と重ね合わせて読んでいただければと思います。
まず最初は他者やその遊びに対して注意が向くかどうかです。
療育の時であれば療育士が遊んでいる感覚情報(視覚:療育士の動き、聴覚:声や音 etc)に対して注意が向く様子があるかどうかです。
感覚情報として入ってきた情報に対して「なんだろう?」と興味を示すのが次の段階です。
注意を向けるだけではなく、「なんだろう?」と考えるため1つ段階が上がっています。
「なんだろう?」と興味を示した感覚情報に対して、「自分も行ってみよう、やってみよう」と行動に移す段階です。
興味を行動に移したということで1つ段階が上がっていると考えます。
行動に対して意味が見いだせてくるとまた一つ段階が上がります。
行動と意味の違いをボール遊びを例に紹介します。
行動:療育士がボールを投げている様子に興味を持ち、子どももボールを投げて遊ぶ。
意味:目標に向かってボールを投げる。 療育士の方へ投げたり、的を狙って投げたりする。
ただその場で投げるという遊びは行動の段階ですが、そこに「狙う」という意味が追加されると遊びの段階が上がります。
なんとなく理解いただけましたでしょうか?
意味の段階から複雑化の段階は少しハードルが上がります。
「複雑化」の段階では、遊びから受ける感覚情報やルール、情報量が増えます。
意味の段階である「的を狙ってボールを投げる遊び」に、以下のような変化が加わると複雑化になります。
・的の場所が変わる
・いろいろな的を狙う
・指定された的を狙う
・指定されたボールを探して、的に当てる
など
明らかに遊びが高度化していることが分かります。
療育士からこういった変化を提案するときに、子どもにはストレスがかかる場合があります。
なぜなら「変化」を伴うことと、「他者とのやりとり」が不可欠になるからです。
ですが、これも発達に必要な乗り越えるべきストレスであり、療育士のサポートを受けながら子どもたちは成長していきます。
複雑化の段階がしっかりしてくると子ども自らルールを提案したり、遊びに変化を持たせて膨らませていく様子が見られます。
そのようなときには、さらに高度なやり取りが療育士との間でなされ、子どもたちは関係性の発達を伸ばしていきます。
複雑化した遊びを自ら提案し、その中でリズミカルな動きができる様になってきたり、遊びの中で起こる変化に対して素早く反応できることで律動的な段階に進化します。
例えば、的になる療育士の数や距離が素早く様々に変化するのにも対応し、展開に付いて行くことが出来るとこの段階になります。
療育士や同じ時間帯にシェアしている子と役割交代をすることができ、自らルールなどを指定することも出来るような段階です。
遊びをただ単に自分のペースに持ち込むのではなく、相手のことも考えながらという段階になります。
この段階まで来ると、そのさらに上の段階だと考える「ごっこ遊び」「チームゲーム」などに取り組みやすくなります。
この遊びの段階が高いから良くて、低いからダメというものではありません。
もちろん最終的に⑦の段階まで到達し、さらに複雑な遊び、人間関係の構築ができる事に越したことはありません。
ですが、まずは1人1人の子どもたちが今の場所から着実に成長していくことが大切です。
遊びの進化レベルはその目安になるものです。
スパーク運動療育西京極スタジオでは、「運動」と「積極的な関わり」の2本を主軸とした療育を行なっています。
「運動」と聞くと、「何か特定の技能が出来るようになる場所」というふうに認識されがちですが、決してそれだけが目的ではありません。
もちろん、スパークでの遊びを通じた運動で体を沢山動かしてもらうことは「体の使い方」や「不器用さ」の改善にもつながります。
しかし、それ以外にも大切な「運動をする意味」があります。
それが脳の発達です。
もちろん体を制御するのは脳なので、先に述べた「体の使い方」や「不器用さ」、「特定の技能」も関わってはきます。
ですが、スパークで目指すのはもっと根源的で広義な脳の発達がメインになります。
脳の発達とは、体の使い方以外にも感情、社会性など様々な面での発達を意味します。
そして、これらの発達すべてに対して運動が効果的であると科学的にも現場レベルでも証明されています。
例えば、授業を落ち着いて聞いてもらうには、朝に読書で落ち着きの時間を作るより運動をした方が効果が高いなど。
意外かもしれませんが、ちゃんと根拠があります。
少し難しい話かもしれませんが、出来るだけ簡単にご紹介します。
出来れば、運動をしている時(ランニングやスイミング、子どもなら鬼ごっこ等)を想像しながら読んでみてください。
運動をすると何気に頭が冴えると思いますが、これにはちゃんと根拠があります。
運動をすると心拍数が上がります。
心拍数が上がると言うことは、血液循環が高まるということです。
血液循環が高まることで、脳にエネルギー(酸素とブドウ糖)が回りやすくなります。
すると、脳のコンディションが良くなり、認知・学習・記憶などの機能が高まることが分かっています。
また、運動をすることで脳由来神経栄養因子(BDNF)などの脳細胞を成長させる物質が分泌されます。
脳細胞の成長とは、脳神経のつながりが強化されること、脳細胞の数自体が増えることを指します。
つまり、運動は体のウォーミングアップと成長だけでなく、脳にもウォーミングアップと成長の効果をもたらすということです。
ちなみに、心拍数はドキドキやワクワクと言った感情でも上がります。
スパークでは子どもたちの楽しいという気持ち=ワクワクの感情を引き出します。
もしかするとそれ自体も脳を良いコンディションに保つ秘訣かもしれませんね。
運動をしてイライラが解消されたり、気分がスッキリしたという経験があると思います。
これにもちゃんと理由があります。
運動をするとセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質が放出されます。
こういった神経伝達物質は感情や情動、気分と呼ばれるもののコントロールを担っています。
運動をすることで、これらのバランスが良くなり、気分が落ち着くと言われています。
気分が落ち着けば感情の調整や思考もしやすくなります。
しかも血液循環が良くなって脳は最高の状態です。
スパークではその状態で療育を行なっています。
脳が最高の状態になった中で、スパークでは様々な遊びと大人の積極的な関わりをしています。
ルールのある遊びであったり、体をコントロールする遊び、体を協調させる遊び、指先を使う遊びなど、内容は多岐にわたります。
考えて体を動かす事で脳は発達します。
大人が積極的に関わる療育スタイルは非常に効果の高いものだということが科学的に判明しています。
スパークはそこに運動の効果を上乗せしており、さらなる効果が期待できます。
脳を使いやすい状態にした中で人と関わるというイメージでしょうか。
そして、他者との関わり(やりとり)の中で脳を使うことで、もちろん脳は更なる発達をしていきます。
スパーク運動療育の特別顧問であるハーバード大学医学部精神医学准教授・臨床医であるジョン・レイティ博士の著書「脳を鍛えるには運動しかないー最新科学でわかった脳細胞の増やし方」という本があります。
この本の中にさらに詳しいことが書かれていますので、ご興味のある方はぜひ!
4/1~4/3は臨時休館をいただき、新年度準備と研修を実施しました。
ご協力ありがとうございました。
スパーク本部から先生方に来ていただき、2日間の実技研修と半日間の座学研修を行いました。
ありがとうございました!
新型コロナウイルスの感染予防として、スパークでは初のマスク着用研修!
(息が苦しかったです、、、。)
また、西京極スタジオ以外の先生方にも参加していただき、お互いに良い刺激になりました。
ありがとうございました!
研修中は1時間に1回の室内アルコール消毒と手洗いうがい。
さらに、5~10分程度のロールプレイが1つ終わるたびに消毒と手洗いうがい。
これでもかというくらい徹底しました。
実技研修では、スパークで大切にしている共動・共感の声掛けや、遊びの膨らませ方、子どもとのやりとりを中心にみんなでみっちり練習しました。
座学研修では、こちらもスパークでは初となるオンライン講義。
ZOOMというアプリで東京にいる岡田代表理事とリアルタイムで繋がっての講義。
今話題のテレワーク。
座学では発達障害のこと、そのためのアプローチのことなど、様々なことを皆で再確認することが出来ました。
集合写真もマスク!
「そういやマスクで研修した日もあったなあ」と言えるよう、新型コロナウイルスが早く終息することを願うばかりです。
最終日3日目の午後からは通常通りの療育を実施。
その時の写真を最後に。
子どもたちが発達していく過程で、自己中心性と脱中心化というキーワードがあります。
幼児期の子どもに見られる認識は自己中心性の傾向が強いとされています。
自己中心性とは、物事が自分にとってどう見えるかという視点から外界を認識するということです。
常に認識の軸がいつも自分にあります。
幼児期の子どもの多くは、「自分と相手では見ている位置が違うから、見える景色も違う」といった認識はまだ難しいです。
例えば「自分がお気にいりのおもちゃでも、相手にとってはお気に入りじゃないかもしれない」といった認識はまだ難しい。
基本的には相手も自分も「同じ」と認識しています。
この自己中心的な段階は全ての子が通る道であり、何ら不自然なことではありません。
ただし、人間社会は人と人との相互関係で成立している複雑なものです。
ある程度で自己中心的な認識から抜け出し、「脱中心化」することが求められます。
相手と自分では見えている世界や考え方などが異なると理解し、自己中心的な認識から抜け出すことを脱中心化と言います。
個人差があれど、おおよそ7歳程度で脱中心化が始まると言われています。
丁度小学校1年生くらいからです。
この脱中心化を促すのは、人と人とのやり取りを通じた人間関係によるものです。
そして、自己中心性の段階が十分に満たされてから、次のステップとして脱中心化が訪れます。
子どもたちは大人や周りの子どもたちとの関わりの中で発達します。
脱中心化もその1つです。
年齢的にも未就学の頃からたくさんの関わりをすることが大切になります。
ところが、発達に特性がある子どもたちは他者との関係を気づくことに困難や不安がありがちです。
そこでスパークでは遊びを通じて、療育士が子どもの楽しい気持ちを引出し、共感し、発達に必要な関わりの場を提供しています。
自閉症をはじめとする発達障害に関する研究はまだまだ発展途上です。
それでも日々新しいことが分かりつつあります。
スパーク運動療育西京極スタジオでは、運動や人との関わりを通じて子どもたちの「脳」の発達を促すことを目的としています。
そこで今回は日本の理化学研究所(通称:理研)が2017年に発表した自閉症と脳に関する研究をご紹介します。
研究のテーマは、
【発達期のセロトニンが自閉症に重要-脳内セロトニンを回復させることで症状が改善-】
というものです。
元の研究紹介リンク→https://www.riken.jp/press/2017/20170622_1/
*研究は自閉症モデルのマウスを使ったものであり、人への応用は今後に期待です。
それでも運動を中心としたスパークの取り組みが自閉症児の脳にポジティブな影響を及ぼす可能性を感じるものでした。
セロトニンは脳や神経の働きに必要な、神経伝達物質のひとつです。セロトニン神経は脳のあらゆるところに存在し、神経と脳の発達の重要な物質として知られています。
セロトニンは社会性行動、攻撃性行動や性行動とも関係性が示唆されていて、少なすぎも多すぎも良くないとされています。
セロトニンは食事から摂取したトリプトファン(アミノ酸の一種。アミノ酸が集まるとタンパク質。)から脳内で作られます。
身近な食べ物はお肉、お魚、卵など。
また、お外で遊んで日光を浴びることや、運動をすることで体内でのセロトニン量が増えると言うことが知られています。
睡眠に重要な役割を持つメラトニンの前駆体(セロトニンはメラトニンの前段階)ですから、安定した睡眠習慣にも関係しています。
この研究で、自閉症モデルのマウスは生後間もない時期から脳内セロトニン量が減少していました。
人間の自閉症者でもセロトニン量が減少していることは以前から言われています。
そこで、自閉症モデルマウスのセロトニン量を増やすためにSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)を生後3日から離乳まで投与しました。
その結果、マウスの脳内セロトニン量が増加し、自閉症マウスに特有の症状も改善しました。
この研究ではセロトニンの量を増やすために、SSRIという薬剤が使われました。
しかし、投薬だけがセロトニンを増やす手段ではありません。
運動をすることも一つの手段であり、大きな効果が期待できる方法です。
先ほども述べましたが、セロトニンはしっかりした食事を摂ること、運動をすることで増え、夜にはメラトニンに変化して良質な睡眠をもたらします。
そう考えると子どもたちにしてあげられることは意外と単純かもしれません(それが結構難しいのですが、、、)。
「しっかり食べて、しっかり遊ぶ、そして眠る。」
この良好なサイクルを作っていくことで、セロトニンが増え、自閉症の特性を少しでも緩和していくことにつながるかもしれません。
スパーク運動療育西京極スタジオでは、運動とやりとりを通じて子どもたちの脳の発達を促しています。
上のサイクルの一つ、「しっかり遊ぶ」へのアプローチです。
Exercise is Medicin =適度な運動は薬 という言葉もあるくらい、運動には高い効果が期待されています。
スパークの療育は一見遊んでいるだけに映るかもしれません。
しかし、体を動かして人と関わるというシンプルなことが子どもたちにとって最も重要なことなのかもしれません。
<この記事の参考文献>
・発達期のセロトニンが自閉症に重要-脳内セロトニンを回復させることで症状が改善- 理化学研究所
https://www.riken.jp/press/2017/20170622_1/