1日30分、様々な動きを含んだ運動がADHD特性を緩和する

近年、運動をすることがADHDと呼ばれる子どもたちにとって効果的だということが分かってきています。


では、運動と言ってもどんな強度、どんな種類の運動を、どれだけの時間取り組めばよいのでしょうか?


米国の研究では1日30分、8週間の運動プログラムをADHDと診断された子ども14人(5~8歳児)に処方しました。

毎回の運動プログラムは下記のような感じ。


・軽く息が弾む程度の運動:心臓バクバクではない

・1~2分のウォーミングアップ

・小集団に分かれての4種類のサーキット

・1つのサーキットを6分(4種類×6分)

・対象物を運ぶ、スキップ、ランニング、ホッピング、クラブウォーキング(四つ這いの反対向きで歩く)などの様々な動き


このような感じで運動プログラムを実施したところ、ADHDと診断された子たちの運動機能、認知機能、ソーシャルスキル、自己肯定感などが向上するという結果が得られたそうです。


なるほど、、、、。


様々な動き、、、


小集団、、、


軽く息の弾むような運動、、、


30分程度の運動、、、


これって、スパーク西京極でしている遊びとすごく似ているではありませんか!

研究のように毎日通っていただくことはできませんが、定期的に運動をすることで同様の効果が期待できます。


こういった効果が出る理由として、最近は運動をすることによるホルモン分泌や神経伝達の影響が考えられています。

人間の体は複雑すぎて、まだはっきりとしたことは理解されていませんが、運動と特性は非常に深い関係性にあることは確かだそうです。


もし、ご家庭でも機会があれば、お子様の興味を持たれた運動や遊びを少しでも一緒にやってみてください。

走ったり、ボールや風船を使ったり、ジャンプ(飛び乗る、飛び降りる、飛び越える)したりといったシンプルな遊びからでも!


参考文献:

Alan L Smith et al: Pilot physical activity intervention reduces severity of ADHD symptoms in young children. Journal of attention disorders 17 (1) 70-82, 2013.

科学的にも証明されつつある自閉特性の子への運動効果

自閉特性を持つ子たちが運動をすることで、運動能力のみならず、ソーシャルスキルも高まるという効果が科学的に証明されつつあります。


ソーシャルスキルは他者と良好な関係を築き、社会に適応していこうという力のことです。


オランダの研究者によって行われたメタアナリシス研究(たくさんの研究結果をまとめて分析したもの)では、16本の研究、133人の自閉症者(子ども~大人まで)に対する運動の効果が分析されました。



研究では水泳、ランニング、サイクリング、筋トレ、ウォーキングなど様々な運動が行われました。

運動の多くは1回につき20~60分、継続期間は2週間から1年間まで様々なものがありました。


結果として自閉症がある人の運動能力に加えてソーシャルスキルの向上効果がありました。

さらに、集団での運動プログラムより、個別での運動プログラムの方が効果が高いということが示唆されました。

(サッカー等のチームスポーツに対する研究が無かったという分析の限界はあります)


研究はあくまでも研究であり、効果を保障するものではありません。

しかし、ここから考えられることは、、、

・定期的な運動が効果的

・個別の方が効果的な可能性あり

・これに加えて丁寧な関わり方をすれば、より効果的?!



スパーク運動療育西京極スタジオでは、60分運動を主体とした個別療育に加え、療育スタッフや他児との関わりを通じて、自閉特性のある子どもたちの感情、社会スキルの発達を促しています。

お問い合わせや見学等、お気軽にお電話またはお問い合わせホームよりご連絡下さい。

電話:075-754-7278

お問い合わせホーム:https://daiki.kyoto/nishikyogoku/contact


今後もスタジオでの日々や、発達に関する情報を発信していきますので、よろしくお願いいたします!


参考文献

Sowa M, Meulenbroek R.  Effects of physical exercise on autism spectrum disorders: a meta-analysis. Research in Autism Spectrum Disorders 2012; 6(1): 46-57.

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1750946711001516

女の子座り(割座)をしていませんか?

スタジオにはADHDや自閉症などの特性に加え、「力が弱い(押したり引いたり)」「歩き方や走り方がぎこちない」「バランスをよく崩す」と言ったお悩みを持つお子さまたちがいらっしゃいます。


そういった子たちを見ていて、ふと気になったことがあります。


「この子たち、よく割座(女の子座り)してない?」

*全員ではありません

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というわけで、調べてみました。

割座が習慣化することで体にデメリットがある

まず、割座がどんな状態かと言うと

股関節が大きく内側に捻られ、すねは外側に捻られます。


この状態が続くと、太ももの骨(大腿骨)の捻じれの角度(前捻角)が大きくなってしまいます。


正常な人の前捻角は約15°と言われています。

程よく捻じれているからこそ、人間特有の動きができます。


・程よく体の中心に足が来るから片足立ちがしやすい

・類人猿よりは前捻角が大きいからこそ、股関節を開いて力強い二足歩行ができる


歩くときは、踵からついて、やや外側、最後に親指のつま先、というふうに体重移動をします。

股関節を開けるからこそ、これが出来ます。


割座が習慣化してしまうと、前念角が40°を超える場合もあります(正常15°)。


こういった状態で成長していくと、、、、

・股関節が硬くなる(開けない)

・骨盤や太もも、すねの歪み

将来的に足首や膝、股関節の痛みが出やすい

・股関節を外に開けないと、お尻に力が入りにくい→お尻の筋肉が付きにくい→体幹が弱くなる


また、普段の歩き方、立ち姿が内股になってしまうことがあります。

内股では地面からの力を伝えにくく、走ったり歩いたり、押したり、引いたりといった基本的な動きも弱くなります。

お尻に力が入らないと、体幹にもスイッチが入らないので、「よくこける」「フラフラ」するといったことにもつながってきます。


子どもたちを見ていて

内股の子たち、割座をよくしている子たちを見ていると、確かにこの傾向があるなと思います。

子どもによっては、割座のままマットやイスを押そうとして全然力が入っていなかったり、体がすぐに曲がってしまったりしています(胴体を一直線に保てない)。

そんな時は、「しゃがんだ方が良いじゃない?」「立った方がいいんちゃう?」「足の指ついたら強く押せたで!」とスパークらしい声のかけ方でやんわりと伝えるようにしています。


おうちでも可能な範囲で割座が習慣化しないように気を付けてみられてはいかがでしょうか?

正座はなかなか厳しいかも知れませんが、あぐらへの促しが良いかと思われます。

あぐらは股関節を開くので、割座で硬くなった股関節にとって良いストレッチにもなります。


「力が弱い(押したり引いたり)」「歩き方や走り方がぎこちない」「バランスをよく崩す」といったお悩みの原因は、割座以外にもあると思いますが、何か少しでも改善すればなと思います。


ハイハイは大切!

赤ちゃんが生まれてから歩けるようになるまでに通る道、ハイハイ。

実はこのハイハイはとっても大切な運動です。


ハイハイがどういう運動か。

人の体は、体幹部(腕、脚、頭を除いた胴体部分)に力が入り、背骨が安定して初めて四肢(腕や脚)がしっかりと動きます。


ハイハイは体幹をまっすぐにし、腕と脚を動かします。

また、腕と足でしっかりと体を支えないと進むことが出来ません。


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赤ちゃんは何度もハイハイをすることによって、体幹を安定させて四肢を動かす機能を高めていきます。

この機能は立って歩くことを始め、、様々な運動をする上で基礎となってきます。


また、ハイハイをするときにしっかりと手をパーで地面について、体を支えないといけません。

これは将来的に、こけた際に地面に手をつく動き、押す動きなど様々なシーンに繋がってきます。


ハイハイの期間が短かった、段階を飛ばして立ってしまったなどで、後々響いてくることもあると聞きます。

スパーク西京極でも、トンネルをくぐったり、マットによじ登ったりといった自然な形でハイハイができる遊びに取り組んでいます。

こういった遊びを通じて体幹や手の機能も高まっていくことが期待されます。

体の発達は基本的に中心から末端へ

ブログでは特性に関して様々な事を書いていますが、そういえば体の使い方の発達に関してはあまり触れていませんでした。

今回は発達していく順番をテーマに、体について考えていこうと思います。



私たち人間が体を操る機能は、生まれてから成熟するまで長い時間をかけて発達していきます。

そしてその順番と言うのが、「中心から末端へ」というのが基本となります。


分かりやすい例を一つ。

子どもにクレヨンやペンで絵を描いてもらいます。


①年齢の低い子ほど、末端の発達未熟ですので、描かれる絵は点や線をこすり付けたようなものです。

おおよそ1~2歳です。 肩や胸などから動かし、体の重みで押さえつけるように描きます。


②1歳半~3歳くらいになると、線や曲線、円などを自分の意思を持って描けるようになってきます。

意志を持って肩や胸を使って描いています。


③3~4歳になると、ぎこちないですが、丸や三角、四角などを描き、それに対して食べ物や人物などの意味を見出します。

このころになると、肘の動きもコントロールされ始めます。


④4~5歳になると簡単な図形を組み合わせて、自分の知っている生き物などを描くようになります。

大小様々な図形を描くので手首や指先をコントロールする必要があります。


⑤5~6歳になると、このころには少し複雑な線や図形も描けるようになります。

知的にも情緒的にも発達が進み、自分の周囲の物の概念を理解したり、物の大小や関係性も理解して描きます。

家の前に立っている自分の様子を描けたりしてきます。

このころには指先をコントロールする力がますます伸びていきます。


未就学の年齢はここまでなので、紹介はこのあたりまで。

ここに載せている年齢はあくまでも平均であり、発達には個人差があります。



もちろん、こういった絵の発達を見ていく中で知的な能力や認識、他者との関係性の発達など、体の機能とは別の要素も大切になってきます。

ですが、絵の進化は体の発達もある程度反映しています。

体重を乗せてこすり付けるように描いていた段階から、胸→肩→肘→手首→指先というように「中心から末端へ」体をコントロールする力が伸びていく様子がよくわかります。


これは絵に限らず、体の操作全般に言えることです。

手先が不器用な子に必要なことは、


①大きく体を動かして遊ぶ経験を沢山積むこと(段階を満たしていく)

②自分の体を意識してコントロールする経験を沢山積むこと


スパーク運動療育西京極スタジオでは、大きく体を動かす経験はもちろんのこと、様々な遊びを通じて自分の体を意識してコントロールする経験も、遊びを通してたくさん積んでいただくことが出来ます。

子どもの汗と水分補給

6月になって30℃を超える日が続いていますね。

これから本格的に夏に向かっていくにあたって、水分補給が欠かせなくなってきます。


実は子どもたちは大人と同じくらいか、それ以上に水分を必要とします。


子どもは大人よりも水分が必要

子どもは大人と同じ数の汗腺(かんせん)を持っています。

汗腺は汗を出す体の器官のことで、皮膚のあちこちに存在しています。


汗腺の数は同じなのに、体は大人より小さいため、子どもたちは相対的に汗をかく量が多くなります。

それと同様に、必要な水分摂取量も大人より相対的に多くなります。

スパークに通って下っている幼児の場合であれば、1日に体重1kgにつき100ml程度の水分補給が目安になります。

体重が15kgであれば1.5L程度です。

もちろん食べ物や食事中のお茶などからも水分は補給していますが、遊びに行く際は最低でも500~1000mlの水分は持っていって頂ければと思います。


ちなみに大人になると1日に体重1kgにつき50ml程度です。


*季節にもよりますので、特に夏場は水分を多めにご用意ください。


暑いとほっぺが赤くなる

暑い日に外で遊んでいると、子どもたちはほっぺたが真っ赤になります。

これは、大人よりも汗をかく機能が発達していないからだとされています。


汗をかくことも練習が必要で、子どものうちは上手に汗をかくことが出来ません。

成長と共に汗をかく経験を沢山積んでいけば、体温が上昇したときに素早く多く汗をかくことができるようになります。


本来は汗が皮膚から気化することで熱を逃がします。

しかし、子どもたちは素早く多く汗がかけない代わりに、皮膚の血管を広げて熱を逃がそうとします。

そのためほっぺたが赤くなります。


汗をかく機能は思春期頃にしっかりとしてくるようですので、気長に待ちましょう。

汗をかく機能を発達させるために、無理に暑い部屋や屋外にいる必要はありません。

厳しい暑さの時はエアコンをつけて涼しくしてください。


特性のある子どもたちと暑さ

特性のある子どもたちの中には、自分で体温調節をすることが苦手な子もいます。

暑い真夏なのに長袖を着ようとしたりするので、本人から訴えが無くても衣服の調整やこまめな水分補給を心がける必要があります。

訴えが無いからと放置してしまうと、突然熱中症になることもあるので気を付けてください。


スパーク西京極でも、屋外での療育を行なっていますが、水分補給と日影での休憩は頻繁にとるようにしています。

他にも保冷剤を持参して、火照った体を冷ますケアも行うようにしています。


今年も暑い夏がまたやってきますが、元気に乗り越えましょうね!


フィールドスパークを実施しました!

6月4日と9日にフィールドスパークを実施することができました!

無事お天気にも恵まれて......というか恵まれすぎてとっても暑かったです(笑)


炎天下の中でしたが、水分補給と休憩をはさみながらみんなで楽しく遊べました。


暑かったので水鉄砲も大活躍!

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療育士たちをやっつけろー!

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大きなシャボン玉も撃っちゃえ!

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こっそりかけちゃおう(笑)

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外は広いからボール遊びも楽しい!

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サッカー上手!!

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療育士たちも負けじと超本気!笑

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屋外で遊ぶことで、療育室のときとはまた違う子どもたちの姿を見ることができました。


急斜面の芝生を駆け上がったり、水で遊んだり、草花を探したり。

たくさんの刺激に溢れた良い療育になりました!

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6月はあと1回実施します(募集は締め切りました)。

晴れるといいですねぇ~。

専用駐車場を追加しました

スパーク西京極では、スタジオ隣にある川正ガレージの20番、21番を専用駐車場としてご利用していただいております。


そしてこの度、32番もご利用していただけるようになりましたのでお知らせいたします。


駐車場に空きが無い場合は、臨時で1番もご利用いただけますので、その際はご連絡をお願いいたします。


32番は20番と21番の向い側で、赤いカラーコーンの目印があります。


フィールドスパーク (6月4日, 9日, 17日)ご参加の皆さまへ 

このたびはフィールドスパークにお申込みいただきありがとうございます。

当日の詳細について連絡させていただきますので、ご確認ください。


【集合場所・時間】

西京極総合運動公園 京都アクアリーナ メインゲート前集合

(坂道を登りきったところです)

6/4(木) 15:00

6/9(火) 11:00

6/17(水) 15:00

*遊ぶ場所はアクアリーナ裏手にある芝生です。


現地集合現地解散となります。


【持ち物】

・水分(たっぷり)

・タオル

・着替え(水鉄砲等を使うかもしれません)

・帽子


【雨天中止の場合】

雨天の場合はスタジオで療育を行ないます。

中止の場合、4日と17日については午前中に、9日については前日に連絡いたします。

スタジオでの療育は1時間となります。


時間枠については五十音順で4枠目と5枠目に3名様ずつ、こちらで振り分けさせていただきます。

*④枠 15:00~ ⑤枠 16:15~ 


その他ご不明な点がございましたら、スタジオまでお問い合わせください。

第2回オンライン勉強会 「感情の発達」

今日は第2回オンライン勉強会で、全国のスパーク事業所の方々と意見交換をしました!


今回も、西京極からは2人で参戦。

どこでしょーか!?

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テーマは「感情の発達」についてでした。

感情とは物事や対象にたいして抱く気持ちのことです。

快・不快、喜怒哀楽などがそれにあたります。


では感情の発達とは何でしょうか?


快・不快、喜怒哀楽などをしっかりと感じられるようになっていくことも感情の発達の1つかもしれません。


抱いた感情をしっかりと表出できることかもしれません。

嫌なことは嫌、好きなことは好きと伝えることができるようになるのも感情の発達だと思います。


他にも、抱いた感情に対して折り合いをつけれるようになることかもしれません。

何か挑戦してみようという気持ちが大きくなることかもしれません。


皆さんは感情の発達についてどう思われますか。

また機会がございましたら、考えてみてください。


緊急事態宣言は解除になりますが、今後も全国のスパークの先生たちとオンラインでの勉強会は続いていきます。

得たことを子どもたちに還元し、より良い療育を作って行こうと思います!


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