4歳児の運動発達:体の動きの高度化と自分の体の様子を知る

今回は4歳の運動発達の段階についてです。

4歳の段階になると、3歳の頃に広がった様々な運動に巧みさが出てきます。

また、自分の体の状態を知り、行動や言葉で表現することもできるようになってきます。


*発育発達のスピードには個人差があり、実年齢とそれとが必ずしも一致しないこともあります。

実年齢ではなく、発達の段階に合わせた関り方が大切になります。


体の動きが巧みになる

特に全身のバランスを取る能力の発達が見られます。

3歳の頃よりも片足立ちが出来る時間が伸びたり、それに伴ってケンケンやスキップもできるようになります。

ジャングルジムや鉄棒などにも慣れ始め、3歳の頃よりも上手に登ったり、鉄棒の技に挑戦したりします。


手先の動きもますます器用になるので、形に添って紙をハサミで切ったり、小さなボタンの服でも自分で着脱ができるようになってきます。


運動面だけでなく、認知面など様々な発達が同時に進行しており、お絵描きはそれを良く表す良い例です。

4歳頃になると身体の全体像を把握しはじめ、手先も器用になってくるので、胴体や手足のある人物を描いて遊ぶようになります。

脳と体のの発達の両方が進んでいる結果と言えます。

まだまだ正確な手足の長さの比率でかけるわけではありません。


自分の体を感じて表現する

運動と感覚は切っても切れない存在です。

4歳児では、その感覚も少しずつ鋭くなってきま。


自分の体が今暑いのか寒いのか認識し、衣服を着たり保護者に訴えたりして体温調節が出来るようにもなってきます。

怪我をしてしまったり不調があったりすると、ただ「痛い」と言うのではなく「頭が痛い」「膝が痛い」というように訴えることも可能です。

他にも、声の大きさなどを自分で感じて調整することも出来ます。


いずれの場合も、体で感じる目に見えないものの比較をして、表現しています。


利き手、利き足と発音について

利き手や利き足がはっきりとしてくるのが4歳の頃です。

しかし、まだ決まっていないからと言って焦る必要はありません。

5歳でまだ決まっていないとなると、LD(学習障害)の疑いがあるので、対策を講じる必要があります。


言葉の発音も口の運動ということで、少し言及しておきます。

4歳の頃はサ行、カ行、ラ行を上手く発音できない子がまだ多いです。

発音に関しても5歳頃までかかる子もいるので、少し様子見の時期とされています。


達成感が「やってみよう」の土台に

4歳頃になると、自分の内面への理解もかなり進むので、「出来ない」「はずかしい」と言った気持ちも大きくなります。

それでも「やってみよう」と思ってチャレンジする原動力は達成感です。


運動だけに限らず、できたことを褒めてあげて、土台である達成感をたくさん積めるような関わりが大切です。

スパーク西京極でも、「褒める」「認める」関わりを通じて、子ども達の「やってみよう」の土台作りをサポートしています。



3歳児の運動発達:「〇〇しながら〇〇する」

今回は3歳の運動発達の段階についてです。

3歳の段階になると、ますます運動の幅が広がります。

「〇〇しながら〇〇する」といった協調運動の力もこの頃から高まってきます。


*発育発達のスピードには個人差があり、実年齢とそれとが必ずしも一致しないこともあります。

実年齢ではなく、発達の段階に合わせた関り方が大切になります。



基本的な運動が備わる

3歳の発達段階になると、歩く、走る、跳ぶ、登るなどの基本的な運動が沢山できるようになってきます。

他にも、手指の操作も2歳の頃と比べて器用になり、スプーンやハサミの操作、洋服のボタンの着脱など生活に必要な運動も少しずつ身についてきます。


この時期にも遊びを通じて運動を学習していきます。

ごっこ遊びを通じた道具の扱いを学んだり、簡単な折り紙遊びで自然と指先の運動を学んだりします。

「遊び」なので、自発的で楽しい気持ちを大切にしながら沢山の経験を積むことが発達を押し進めます。


協調運動の発達「〇〇しながら〇〇する」

3歳頃の運動発達の大きな特徴は、「協調運動」の力が育ちはじめることです。

協調運動は、同時に複数のことをする運動です。


登ったり、投げたり、縄跳びをしたり、三輪車に乗ったり。

いずれも1つの動作だけでなく、「〇〇しながら〇〇する」という動作になります。


例えばバランスを取りながら、ハンドルを握って、足で漕ぐ三輪車。

簡単に見えて、複数の動作を同時に行っています。

視覚やバランス感覚、筋肉の感覚など、様々な感覚情報を元に、自分の体をコントロールする。

そんな高度なことに挑戦していく時期です。


楽しくたくさん動くこと

生活に必要な動作を身に着けていくためにも、協調運動ができるようになっていくためにも、楽しくたくさん動くことが発達にとって大切です。


協調運動の土台として、様々な感覚や基本の運動(走る、跳ぶ、押すetc)が作られていくことはもちろん、

協調運動そのものの経験をたくさん積み重ねることで発達が促されます。


この時も、「遊び」と「他者との関わり」が大きな役割を発揮します。

「遊び」と「他者との関わり」は運動面にはもちろん、認知面や社会性を育むことにも繋がります。

スパーク西京極スタジオでは、たくさん遊ぶ場を提供し、発達のサポートをしています。


2歳児の運動発達:自分の体を動かす喜び

今回は2歳の運動発達の段階についてです。

2歳の段階にになると1歳の頃よりも歩行も安定し、様々な運動をする喜びを実感するようになります。


この時期の運動面での発達には「程よい手助け」が大きく関わってきます。



*発育発達のスピードには個人差があり、実年齢とそれとが必ずしも一致しないこともあります。

実年齢ではなく、発達の段階に合わせた関り方が大切になります。


直立歩行が安定する

1歳の段階よりも直立歩行が安定してくるので、走ることも自由になってきます。

自由に走ると言っても、まだまだ転ぶこともあります。


下半身の育ちは他にも様々な面で見られます。

脚を交互に運んで階段を登ることもできるようになってきます。


その場でのジャンプが始まるのもこの頃です。


全身をダイナミックに使う遊びの広がり

1歳の段階ではまだできなかったダイナミックに体を使う遊びを楽しめるようになります。

その中で自分で自分の体を使う楽しさや喜びを知っていきます。


・ボールを蹴る、投げるといった遊び

・大きなボールなどは手を前に出して取ろうとする

・公園のジャングルジムにチャレンジしたり、鉄棒にぶら下がったり 

など

手指の動き

生活に欠かせない手先の動きも器用さが出てきます。

基本的に体の発達は、中央から末端の順番で進みますので、まずはダイナミックに体を動かす能力から高まっていきます。


手先を使って以下のようなことに取り組むことができます。


・絵本を1ページずつめくる

・指でクレヨンなどを持ち、円を描く

・靴を自分で履く

・小さなスペースに小さなものを入れる


自分の体を自分で動かす楽しみ

階段を登ったり、不安定な場所や細い場所を歩いたりする中でバランスを取る経験や、ジャングルジムや遊具で遊ぶ経験を積んでいくことで、自分の体を動かすことが楽しくなってきます。


この喜びや楽しさといった気持ちが、更なるチャレンジを促して運動面の発達がますます進みます。

それと同時に、「イヤイヤ」「自分で!」といった気持ちの面での変化もあり、2歳の段階ならではの難しさもあります。


見守りと少しの手伝い

自分の力で出来ることも増え始め、何でも「自分でやりたい」という気持ちが大きくなってきます。

しかし、まだまだできないことも沢山あるので思い通りにならず、癇癪を起してしまうこともよくあります。


この時期には「自分でやりたい」という子どもの気持ちを受け止めつつ、一旦見守ってみること、そして少し手伝うことが大切だと言われています。

少し手伝えば出来るというレベルでの経験は子どもの発達にとって最も効果が高いと言われています。


詳しくは過去の記事を参照ください→何事も程よく助ける


そして、出来た時は沢山褒めてあげます。


たくさん褒めることはスパークでも

できた時に沢山褒めてもらうことで、満足感や達成感を味わうことができ、

「またやりたい」「もう一度」といった子どもの気持ちが引き出されます。

遊びも日常生活に必要な技能も、何度も何度も繰り返すことで体に定着してきます。


スパーク西京極でも、遊びの中で子ども達を褒めることはかなり大切にしています。

できたこともそうですし、できなくてもチャレンジした気持ち、「そんなこと思いついたんだ!」ということまで、子どもの様子をじっくり見てたくさん褒めています。


1歳児の運動発達:興味が発達を促す

今回は1歳の運動発達の段階についてです。

1歳の段階と言えば、一人で立つようになり、歩くことも始まり、行動範囲が広がっていきます。

他にも様々な面で0歳の頃より運動面での成長が見られます。



この時期の運動面での発達には「興味」が大きく関わってきます。



*発育発達のスピードには個人差があり、実年齢とそれとが必ずしも一致しないこともあります。

実年齢ではなく、発達の段階に合わせた関り方が大切になります。



立って、歩いて

9~10ヶ月頃からつかまり立ちが始まり、1歳になる頃には1人で歩けるようになります。


1歳半頃には急いで歩くこともできるようになってきます。


1歳の運動発達で最もわかりやすいのはこの立つ、歩くですね。

後で詳しく書きますが、ハイハイ、またはそれ以前、そして立つ・歩くという運動の発達は興味によって促されます。


立つ、歩く以外にも

1歳半頃には、台から降りたり、押し出すような感じでボールをキックするといったこともできるようになってきます。

また、歩いたり、蹴ったりといった全身を大きくつかう「粗大運動」の発達もさることながら、

手先も少しずつ器用になっていきます。


それぞれの指を独立して動かす力が付いてくるので、小さな物をつまむこともできるようになってきます。

片手で何かを持ちながら、もう一方の手で何か別のことができるようになります。

まだ絵を描くことはできませんが、殴り書きで遊ぶこともできるようになってきます。


興味が発達を促す

興味は発達において常に大切な要素になりますが、

運動面での発達段階が0~1歳にある子ども達にとっては特に大切です。


「あそこにある物を見たい」「触りたい」「気になる」など興味があるからこそ

目を動かし、首を動かし、寝返りをうち、、、

ハイハイで移動し、つかまり立ち、歩行へと繋がっていきます。


興味が湧いて、体を動かし、その物や人についての認識を深め、世界を広げていきます。


興味はスパークでも大切にしていること

子どもの興味を惹くということは、スパークでも大切にしています。

興味が湧いて、気持ちが乗るからこそ動きたくなります。


興味を惹くために、療育では大人が積極的に子どもに関わっています。

少しオーバーなリアクションをしてみたり、大人自身も楽しそうに遊んだりしています。


スパーク西京極では、遊びを通じて沢山体を動かす場を提供することで、運動面をはじめとした子ども達の様々な発達をサポートしています。

体の使い方が未熟な子たちに必要な遊び

よく転んでしまう、体の使い方がぎこちない、真っ直ぐ座っていることが出来ない、縄跳びや鉄棒などの習得に時間がかかるなど、体を使うことに苦手を持っている子たちが一定数います。


そんな子たちにはどういった遊びや働きかけをしていけば良いのでしょうか。


もちろん特定の技能を練習したり、体の使い方を教えてあげることも大切ですが、もっと根底にある力を伸ばしてあげることも大切になってきます。


自分の体がどうなっているか情報を得る

例えば、「真っ直ぐに立ちなさい」と言われて実行しようとした場合、そもそも真っ直ぐがどこなのか、そして今の自分は既に真っ直ぐなのか、それとも傾いているのか、もし傾いているのなら体のどこが傾いているのか、それを理解している必要があります。


それが分からないのに、「真っ直ぐ立ちなさい」と言われてもどうすることも出来ません。


「真っ直ぐ立つ」に限らず、体を思い通り扱うには、自分の体がこの世界でどうなっているかの情報を感じ取る力が必要です。

特に、触覚、視覚、前庭感覚(バランス感覚)、筋肉からの感覚は非常に大切です。

これらの感覚をたくさん刺激し、伸ばしてあげることが土台になってきます。


触覚の刺激

触覚は皮膚から得ることのできる感覚です。

自分の体に触れられている刺激をたくさん得ることで、体のパーツの位置を認識しやすくなります。

体を上手に扱えない原因の一つに、自分のイメージしている体のサイズ感と現実のサイズに大きなギャップがあることも考えられます。


真っ直ぐ座る、立つというのも「運動」ですから、もちろん関係しています。


ボールプールで遊ぶ、抱っこをしてもらう、プール遊び、布にくるまる、くすぐり遊びなど、全身の触覚を刺激する遊びが効果的です。


感覚に過敏がある場合は嫌な感覚を無理に刺激しないようにします。


視覚・前庭感覚(バランス)の刺激

視覚と前庭感覚の刺激は、主に体の傾きや、ものとの距離感、移動しているスピードを感じ取る為に大切です。

傾いていても、本人にその認識が無ければ真っ直ぐに立つことはできません。


ボール遊び、不安定な遊具での遊び、大人に抱っこでグルグルしてもらうなど目を使い、バランスを取る遊びを沢山経験させてあげることが効果的です。


筋肉からの刺激

これくらいの力を出せばこれくらい跳べる。

今、力が入っているor脱力している。

これくらいの力加減なら、こうなるだろう。


そういったことを把握していなければ運動を調整することは難しいです。

目的とする運動に必要なだけ力を出すことが求められるからです。


筋肉からの刺激をしっかりと入れるには、ジャンプやかけっこ、お相撲、綱引き、手押し車など、おおざっぱな運動で大きな力を出す運動が効果的です。

何度も繰り返し行うことで、筋肉に強い刺激が入り、理解が進みます。


楽しめる範囲で

これらの遊びはあくまでも楽しめる範囲で行います。

また、感覚に過敏さがある場合はそれも考慮して無理をしないようにします。


発達に特性のある子たちは同時に2つ以上の運動(協調運動)をすることが苦手な場合が多いです。

(歌いながら踊る、縄跳び等)

こちらも楽しいとか、できるようになりたいというモチベーションが保てる範囲で取りくめるのがベストです。


体の調整は心の調整にも繋がる

子どもたちは5歳くらいになると、体の動きかと心の調整がリンクしはじめます。

そのためには、今回紹介したような感覚をたくさん刺激し、まずは体の情報を適切にキャッチできるようにしてあげることが好ましいです。


お友達と一緒に遊べるようになるまで

「お友達と一緒に遊ぶ」


これは意外と高度なことで、子ども達は発達と共に段階を追ってできるようになっていきます。

基本的に発達において飛び級的なことは無く、各段階を順に満たしていくことで次のステップへ進んでいきます。


子ども一人一人でそのペースは異なりますが、焦るのではなく段階に合わせた関わり方をしていくことが大切になってきます。


まずは1人で遊ぶ(1歳くらい)

いきなり子ども同士一緒に遊べるようにはなりません。

子ども達はまず、両親をはじめとした身近な大人の様子を見て、それを真似して1人で遊びます。

遊びの内容は、粘土や紙を使った手指の感触遊びや、その他玩具を使った遊び、体を大きく使う遊び、生活を再現した遊び(食べる真似など)など様々です。


この段階では、一緒に遊ぶというよりも、保護者をはじめとした身近な大人に遊びをくみ取ってもらっているような感じです。


簡単なごっこ遊びが始まる(2歳くらい)

発達段階によりますが、2歳くらいになってくると子どもの中でイメージの世界が育ってきます。

それと共に、お友達や大人と一緒に簡単なごっこ遊びをするようになります。

でもなかなかイメージを他者としっかり共有することは難しいようです。

なので、その場を共有して同じことをしているけれど、相互に関わりを持たない「並行遊び」という形を取りやすいです。


ごっこ遊びの発展と簡単なルール遊び(3歳くらい)

3歳くらいになると、2歳児のころにはじめたごっこ遊びのイメージがさらに膨らんでいきます。

また、このころになると保護者や保育者と一緒に簡単なルールのある遊びができるようになります。

鬼ごっこやかくれんぼなど、まだまだルールに誤解があったりはしますが、大人とならできるようになってきます。


虚構の世界の理解と子ども同士のルール遊び(4歳くらい)

4歳ごろからは想像力もかなり豊かになり、虚構の世界観で遊ぶことができます。

虚構の世界を理解すると、「二重構造」の理解も進みます。

例えば節分でお父さんが鬼の格好で表れたとします、「今は鬼だけど、お父さん」ということを理解することができます。

また、子ども同士でイメージが繋がっていれば、おままごとなどを役割交代しながら遊べるようにもなります。


ルールの理解も進むので、鬼ごっこやかくれんぼを子ども同士で行うことも可能になってきます。

じゃんけんの概念もこのころから理解するそうです。


ルールを作って遊ぶ/相手の立場を理解する(5歳くらい)

4歳ころまではルールに縛られており、守るということで精一杯ですが、更に発達が進むとルールを変えたり作ったりすることができるようになります。

もめごとが起こったときにじゃんけんをしようとか、小さい子には少し優しくしてあげようなど、相手の気持ちを思いやることが出来てきます。


遊びの中で培われてきたイメージの力やルールの意識、相手のことを考える経験が遊びにも反映され、より高度な形で「一緒に遊ぶこと」ができるようになってきます。


満たされると次の段階、遊びへ

子ども達は現在の発達段階、そして現在の遊びが十分に満たされると次のステップへと進んでいきます。

信頼できる大人にくみとって貰いながら遊び込む経験があってから、次の遊び、他者への興味、並行遊び、イメージの共有などへ進んでいきます。


実年齢と発達段階は必ずしも一致しているわけではありません。

スパーク西京極では、子ども1人1人の発達段階を考慮したうえで、遊びを通じた支援をしています。


【イヤイヤ期】発達特性との見分け/イヤイヤ期の関わり方

2歳児さんの大きな特徴の1つに、第一次反抗期があります。

いわゆる「イヤイヤ期」で、「イヤイヤ」と反発し、思い通りに行かないと癇癪を起してしまうこともあります。


イヤイヤ期はダメなものではなく、多かれ少なかれ、どの子も通る道です。


また、必ずしも2歳でイヤイヤ期になるのではなく、一人一人の発達のスピードに合わせて時期が前後することもあります。

イヤイヤ期は何の表れ?

イヤイヤ期は自我の育ちや自己主張の表れだと言われています。

物事に強いこだわりがあり、癇癪もきつくなってきますし、反発することも多くなります。


この時期はイヤイヤと同時に「自分で!」も出てきます。

まだまだできない事も多いですが、いろいろなことを「自分でやる」と言います。

そのため、「やりたいけれど上手く出来ない」ことで癇癪を起すこともあります。


発達障害との見分けがつきにくい

イヤイヤ期は癇癪やこだわりが強く、一見発達障害なのか?と思われることがあるそうですが、

まだこの年齢では見分けがつきにくいと言われています。


強いこだわりも激しい癇癪も発達障害と言われる子たちによく見られる特性です。

ですが、それが発達障害なのかどうかは、3歳以降にならないと分からないようです。

生活に大きな支障が出ている場合などは、その可能性も考慮して様子を見ていく必要があります。


イヤイヤ期であれば「自分で出来なくて」という理由の癇癪、発達特性であれば「これじゃなきゃだめ」という強いこだわりから来る癇癪という違いはあるそうです。


イヤイヤ期の関わり方

イヤイヤ期の子どもへの関わり方で大切なことは、まずは子どもの気持ちを受け止めること。

そして見守り、ほどほどに手伝うことが大切です。


ほどほどに手伝うことについては、以前もブログに書いていますので

そちらをご覧ください。

何事も程よく助ける


そして、出来たときには沢山褒めてあげてください。

そうすることで子ども達は満足感・達成感を味わうことができ、発達に繋がっていきます。


遊び込むことの大切さ

子ども達にとって「遊び込む経験」はとても大切です。


子どもが1つの遊びばかりずっと熱中していると、


「いつまでこの遊びをするんだろう」


「集中力はすごいけど…」


大人はついついそんなことを思いがちですが、実はこの何度も繰り返し遊ぶ経験は無駄ではありません。


満たされて次へ

同じ遊びを何度も何度も繰り返し、満たされてくると子どもは次の遊びに移行したり、遊びを発展させたりします。

遊び込むことでこの経験を積むことが必要です。


遊びの質と子どもの発達はリンクしていて、互いに相乗効果を及ぼすとされています。

今している遊びが十分に満たされれば、子どもは自ら遊びの質を変化させ、それが発達にもポジティブな影響をもたらします。


遊びはあくまでも自発的なものです。

自発的に遊ぶ中で十分に満たされ、次の遊びへの移行や、今の遊びを発展させることが成長に繋がります。


遊びを通じて体得する

子ども達は多くのことを遊びを通じて体得していきます。

心と体、社会性、思考力や興味関心、自己表現、道具の扱いなどなど。


子ども達が「やりたい」と自発的に始めた遊びの中で体と心を使い、そして「考える」経験を沢山積むことでこれらが身についていきます。


遊び込んでいる状態は、高い集中力を発揮し、時間も忘れるくらい遊びに没頭することです。

「楽しい」というポジティブな感情で遊び込んでいる時の経験は定着もしやすいです。


環境づくり

遊び込むことが重要だとは言っても、特性や環境によってはそれが難しい子たちもいます。

スパーク西京極では、遊び込む経験をできるだけ沢山積めるよう、療育スタッフたちが1対1でサポートをしています。



子どもにとって遊ぶことがなぜ大切か

子ども達、特に幼児期の子たちが発達していくには毎日たくさん遊ぶことが欠かせません。


「子どもの仕事は遊ぶことだ」と昔から言われています。


子ども達は遊ぶことで、運動能力、コミュニケーション能力、思考や記憶の力など、悩と体と心の発達をしていきます。


最近では遊ぶ空間、時間、仲間がどうしても少なくなりがちですが、今一度遊びの大切さを見直すことが必要です。


運動機能の発達

力加減のコントロール、タイミング、バランスなど、日常生活では知らず知らずのうちに沢山の運動機能を使いこなしています。

運動をコントロールするのは脳と全身に張り巡らされた神経細胞です。


おおよそ6歳になるころには、神経系の発育が成人の90~100%完了すると言われています。

この劇的に神経系が発達する幼児期に遊びを通じて体を使うことで、運動機能も著しく向上します。


この時期に体を沢山使った遊びをし、自分の体を調整しようとトライした経験が、後の器用さや、怪我や事故防止の力、新しい運動技能の習得に関わってきます。


認知能力の発達

遊びをする中で、状況に応じて体を動かしたり、考えたりする経験を沢山積むことができます。

体を動かすことはもちろん、上手くいかないことに直面した時に考えてみたり、新しく遊びを創っていくなかで、脳の様々な領域を使います。


脳は使うことで発育発達が進みますので、遊びを通じて認知機能、知的機能、運動を制御する力、創造力といった機能をめきめきと伸ばしていくことに繋がります。


社会性の発達

遊びの発達段階が進んでいくと、お友達と遊ぶことが少しずつ増えていきます。

お友達と遊ぶと自分の意見を主張する場面、相手を受け入れる場面、折り合いをつける場面、時にはケンカをすることもありますが、そういった様々な経験を積むことで社会性を発達させていきます。


自分の意見を全く言えないこと、相手の意見を全然聞けないこと、

そのどちらも将来的に困りごとの原因になってしまいます。


子ども同士関わる事が苦手な場合も、まずは信頼できる大人との沢山関り、認めてもらう経験を積むことで子どもが他者と関わる事に積極的になれます。


心の発達

遊びは自発的なものです。

自発的に取り組んだ経験が、子ども達の心の発達に繋がります。

また、自発的に始めた遊びの中で上手くいかないことがあっても、子どもなりに何とか解決しようと試行錯誤し、遊び込むことで粘り強さや集中力といった大切な力が発達していきます。


また、遊びの中で嬉しい、悲しい、悔しい、楽しいなどたくさんの気持ちを味わうことで感情を発達させていくことにも繋がります。


ちなみに、テレビやゲームといったものは娯楽に分類され、自発的なものではなく、受動的な側面が強いとされています。

元々、消費の為に作られた物なので、経験としても「蓄える」より「消費する」性質があります。

「ダメ」と言うわけではないのですが、体を使い、他者と関わり、外で遊ぶ機会もできるだけ作ってあげたいものですね。


スパーク運動療育西京極スタジオでは、体を使った遊びを通じて大人が積極的に関わることで、お子様一人一人の発達段階に合わせた療育を行っています。

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何事も程よく助ける

子ども達が発達していくには、乗り越えるべき「壁」「負荷」や「ストレス」と呼ばれるものが必要になってきます。


スパーク運動療育では、子ども達が発達するうえで必要な負荷を「ポジティブストレス」と呼んだりもします。


子どもたちが何かに取り組んだり、気持ちを切り替えたりする際に、大人が助けすぎることも、助けなさすぎることも、子どもの成長にとってはマイナスだと考えられます。


また、子どもは「自分1人の力だけで出来ること」ばかりに取り組んでいても、なかなか成長することができません。


助けすぎ、助けなさすぎ

既に子どもが一人で出来る力を持っているのに、大人が助けすぎると「過保護」になります。

一方、まだ一人で出来ないにも関わらず、大人が全く助けないと「放置」になります。


例えば、「玄関で靴を履く」という行為。


既にその子には靴を一人で履く力があるのに、親が履かせる→過保護

(子どもがパニック等の特別な場合を除きます)


まだ一人では靴を履くことができないのに、手伝わない→放置


というふうになります。


子どもが成長していくためには以下の2つが必要です。


「自分1人の力でできることは自分でやる」

「サポートがあればできるかもしれないことを、大人に手伝ってもらいながら行う」


出来ることだけしていてもなかなか成長しない

「自分1人の力でできること」だけをしていても、その場で足踏みをしている状態であり、なかなか成長できません。


「サポートがあればできるかもしれないことを、大人に手伝ってもらいながら行う」

これが非常に大切になります。


自分1人の力で出来ることよりもレベルの高い成果を経験することで、成長率が高まります。


先程の靴の例に戻ると、


「自分の力を使って靴を履いた」という、「自分1人では出せない高い成果を経験すること」ができます。


発達の最近接領域

「大人のサポートがあればできるかもしれない」というレベルのことを

発達の最近接領域と言います。


レフ・ヴィゴツキーという心理学者が提唱したもので、この領域でのチャレンジを重ねることで大きな成長が見込めます。


1人1人に合わせた大人のサポート

発達の最近接領域は、「〇歳だから、これくらい一人で出来るだろう」ではなく、

「今、この子はこれくらいできるから」といった考えで、1人1人に合ったサポートを必要とします。


「3歳だからスプーンぐらい使えるだろう」と放置してしまうのではなく、


「今この子は手伝えばなんとかスプーンを使える」という考え方で、必要な分だけサポートします。



スパーク運動療育における「ポジティブストレス」

スパーク運動療育で設定している「ポジティブストレス」という発達に必要な負荷ですが、これも1人1人の子に応じて内容を決め、どの程度療育スタッフが助けるべきかを見極めています。


スパーク運動療育では、子ども達の「感情」を非常に大切にしていますので、

感情の発達に必要な「ポジティブストレス」を療育の中で与えています。


例としては、

・切り替え

・物事への挑戦

・お友達とのやり取りで生じるトラブルへの対処

などなど。


「この子はある程度自分一人の力で感情を調整できる」と見極めれば、療育スタッフは子どもの心を助けすぎません。


一方、「まだまだこの子には感情を調整するためのサポートが必要」と判断すれば、療育スタッフがサポートする量を増やします。


このように、ポジティブストレスに対する子どもの能力を見極め、療育士のサポートを少しずつ減らしていくことで、発達の最近接領域を保ち、成長に必要な負荷を与えています。