スパーク運動療育では、、スタッフが大きなリアクションを取りながら子どもをたくさん褒めて、体を使った遊びをしています。
それにはちゃんとした理由があります。
発達に特性のある子どもたちは、脳機能に先天的な特徴があると言われています。
どこか特定の脳の神経のつながり(配線)が強かったり弱かったりしていると考えられています。
脳はとても変化に柔軟な性質を持っているため、適切なアプローチをすればこういった配線を繋ぎ変える、もしくは新しく構築することが出来ます。
私たちが外からの刺激に対して何らかの「行動」をとるには段階があります。
1.感覚として入った情報(見た、聞いた、思ったなど)を処理
2.その情報に対して感情が生まれる(やりたい、おもしろそうなど)
3.過去の記憶や今の気持ちなどを総合して、判断を下す(やってみよう、やめておこうなど)
4.言葉や行動としてアウトプットする
5.記憶として定着していく
発達に特性がある子たちは、まず②の感情の段階に対してのつながりに個性があると考えています。
感情は行動の根っこになる部分であり、感情が育っていくことこそが脳が発達していくカギになると言えます。
「感情」がしっかりしてくるからこそ、考えたり行動したりすることが出来るからです。
「感情の段階に個性がある」と言っても様々なパターンがあります。
刺激に対して感情が薄い子もいれば、自分で感情のコントロールが上手くできない子まで様々です。
いずれにせよ、感情を豊かにしてあげるような関わり、感情を調整できるようになる関わりが必要です。
そこでスパーク運動療育では特徴的な2つの関わり方をしています。
1.大げさなリアクションを取る
2.褒める
大げさなリアクションを取るとは、感覚として入ってくる刺激が豊かになる(強さや種類)ということ。
そうすることで、「楽しい」「おもしろい」といった子どもたちの感情が大きく働きやすくなります。
それを繰り返す内に少しずつ子どもたちの感情も豊かになっていきます。
スパークでは療育の時間中に褒めるということをたくさん行っています。
何かできたことだけでなく、ちょっとした行動から何気ない偶然の行動までとことん褒めます。
褒める、すなわち共感や承認をされることで子どもたちの感情をぐんぐん引っ張ります。
他者から認められるということは、自己肯定感の高まりやストレスの軽減にもつながります。
感情を育てるための下地作りとしても褒めるということは非常に大切になってきます。
発達に課題のある子どもたちは、「問題行動」をしてしまうことがあります。
問題行動の代表的なものには、つねる、噛むなどがあります。
こういった行動に対して、ただ禁止してしまうという対処を取りがちです。
しかし、スパーク運動療育では「問題行動」が出てしまう理由や気持ちを考えるようにしています。
例えば、つねるという行動にも子ども1人1人、場面によって理由が異なります。
◇何か気に入らないことがあった
◇びっくりしたり、嫌な気持ちになったりした
◇関わってほしい(関わる手段が分からない)
などなど
そして、ただその行動を禁止するだけでなく、社会性を育むための関わり方をしています。
①痛いという事実を伝える
療育士が「痛い」という感情をしっかりと表現し、「強くつねると痛い」という事実を伝えます。
それを繰り返し経験することで、子どもたちはつねることは痛いことで、他者も自分も嬉しくないことだと学んでいきます。
②気持ちを代弁する
問題行動には理由があります。
嫌なことがあってつねっているのであれば「嫌だったね」と子どもの気持ちを代弁し、気持ちを表現するお手本を示しています。
このように、スパークでは問題行動をやめさせるのではなく、問題行動が出てしまう時の子どもの気持ちを考え、共感し、関わり方を示すことを何度も繰り返す内に、少しずつ子どもたちは気持ちを表現する術を学んでいきます。
行動はすぐに改善するわけではなく、粘り強い関わりが必要です。
スパーク西京極では、子どもの気持ちに寄り添いながら気長に関わっていきます!
ご家庭ではなかなか難しい関わり方かもしれませんが、少し気持ちに余裕があるときに、問題行動の理由や気持ちについて考えてみてください。
ジャンプが苦手だというお子様たちがいらっしゃいます。
スパーク西京極に来てくださるお子様のなかにも、ジャンプの苦手さがある子たちはいらっしゃいます。
スパークでは、何か特定の技能ができるように働きかけることはありませんが、子どもたちはスパークでの遊びを通じて体の使い方を学んでいきます。
子どもたちの「やってみたい」という感情を引き出し、様々な運動経験を積むことで、できることも増えていきます。
また、療育士のやり取りで「どうやって動けば良いのだろう」と考えたり、「こうやって他者と遊ぶんだ」と学んでいくことで体について考え、使う機会が増え、できることが少しずつ増えていきます。
それを踏まえたうえで、ジャンプが苦手だという子たちに必要な遊びは主に3つあります。
①バランスを鍛える遊び
②筋力を鍛える遊び
③ジャンプをしたくなる遊び
バランスを鍛える遊びでは、体をまっすぐに保つことや踏ん張ることが必須になってきます。
ジャンプをするうえで必要な胴体、下半身に力が入り、筋力や体の操作の強化につながります。
スパーク西京極でもよく行っている、バランスボールに乗るような遊び、キッズステップ(台)の上を歩くような遊びがその代表例です。
その他、ぐらぐらする場所を歩いたり、療育士の背中に乗ったり、細長く丸めたタオルの上を落ちない様に渡ったりといった遊びも効果的です。
ジャンプをするには、単純な脚力が必要です。
グッと踏ん張る、地面を強く踏みしめるような遊びを通じて脚力を鍛えることが効果的です。
このブログでも何度かご紹介している、お相撲遊びや引っ張りあいっこはもちろん効果的。
外でたくさん走り回って遊ぶことももちろん必要です。
階段の昇り降りも効果的です。
階段を昇るときにも降りる時にもジャンプに必要な下半身の筋肉に刺激が入ります。
遊びというわけではありませんが、階段の昇り降りにたくさんチャレンジさせてあげてください。
筋力やバランスなど、必要な要素を満たしても、お子様自身の「ジャンプしたい!」という感情を育まないとジャンプができるようになりません。
大人が一緒に手つなぎジャンプをしたり、高い高いをしたり、届くかどうか際どい所にある大人の手をタッチしたり、低い段差から手を繋いで飛び降りてみたり。
機会があればトランポリンやバランスボールで手を繋いで跳ねてみたり。
「高い所に手を伸ばしたい」「体が上下することって楽しい」といった感情を引き出すことが効果的です。
スパーク西京極でも遊びの中でジャンプにつながるような遊びは自然と取り入れています。
そして、様々な運動や療育士とのやり取りを通じて、ジャンプを含めた様々なことに挑戦しようという子どもたちの感情を育んでいます。
スプーンやフォークをはじめとした、生活で必要な道具を使えるようになることは、発達における課題の一つです。
スパークでは「〇〇をできるようにする」という療育は行っておりませんが、保護者からのご相談を受けることもありますので、ブログでシェアしておきます。
道具を扱えるようになるには、身体図式が発達していくことが必要になります。
身体図式とは、感覚や運動に関連した脳内で作り上げる自分の体の地図のことです。
私たちは痛いところやかゆいところがあれば、無意識でそこに手を持っていくことが出来ます。
自分の足が腕がどこにあるのか、動かしているときはどれくらい離れているかといったことを私たちは無意識に知っています。
身体図式を高めるには、体性感覚と視覚が一致してくる必要があります。
体性感覚は皮膚や筋肉、関節、腱、内臓からくる感覚のことです。
自分の関節がどれくらい伸びているか、どれくらいの力がかかっているかといったことを感じ取ります。
体性感覚は、体の外にも及びます。
フォークで食べ物を刺すと、フォークの先で食べ物が柔らかいのか固いのか、つるつるしているのかを感じることが出来ます。
固いならもっと力を入れなければいけませんし、柔らかければ優しい力で刺さないといけません。
この様に、道具を自分の体の延長としてイメージすることが出来るか。
自分の関節の伸び具合や、力の入り具合をどれだけ感じとることが出来るか。
そして、これらが視覚から入る情報とマッチしているかが大切になります。
発達に特性のある子たちは、感覚過敏の問題等を持っているため、こういった能力の発達に困難を持つ場合があります。
どのような遊びを通して身体図式や体性感覚を伸ばしていってあげれば良いのでしょうか。
大きく分けて3種類の遊びが効果的です。
引っ張りあい(タオル綱引き)、押し合い(お相撲)、手押し車、ジャンプ、ジャングルジムなど。
体は中心から末端にかけて発達していくので、ダイナミックな力を出す運動で、筋肉や関節に刺激を入れ、体性感覚を養います。
お家で取り組める代表例は、スライムや粘土です。
様々な感覚のものに触れることで手先の感覚を養います。
バットやラケットでボールを打つ(止まった状態や転がしで良い)ような遊びで、自分の体の延長線上に道具があるという感覚を養います。
こういった遊びは効果的ですが、子どもたちに無理にさせる必要はありません。
楽しいと思えないのに、無理強いされると継続できません。
スパーク西京極では、主に「関節や筋肉に強い刺激が入る遊び」をたくさん取り入れています。
そして、遊びの中で褒めること、共感することや療育士との積極的なやりとりを通じて、様々なことにチャレンジしようという感情の発達を促しています。
人やモノによくぶつかってしまうという子たち。
決してわざとぶつかっているわけではありません。
よくぶつかってしまうのは、
人やモノとの距離感がつかめていなかったり、自分の手足の長さの感覚が未熟だったりすることが原因かもしれません。
こういった距離感や、自分の手足の長さ、体の位置、サイズ感など、自分の体に対する空間的なイメージのことをボディイメージと言います。
ボディイメージは成長とともに、様々な身体活動を行っていくことで発達していきます。
ところが、特性を持つ子どもたちは、その発達がゆっくりであったりするため、実年齢にしてはよくぶつかったり、運動にぎこちなさがあったりします。
では、どういった運動をすればボディイメージは育まれていくのでしょうか。
まずは、体をダイナミックに使う遊びです。
公園の遊具で遊んだり、床で転がったりといったものです。
遊具は、よじ登ったり、ぶら下がったり、バランスをとって渡ったりと、様々なことができます。
スパーク西京極でも、人員体制やお子様の状態に応じて近くの公園での療育を行っています。
他にも、くぐる、またぐなど、対象物を避けて行う遊びも効果的です。
自分の感覚と実際に動いている体のパーツを調整していく必要があるのでボディイメージの形成につながります。
大人が脚でトンネルを作ってあげたり、障害物になってあげたりすれば、手軽に行うことができます。
これは皆で手を繋いで輪っかくぐり!
こういった遊びをする中で、最初から上手くいかないことが多々あります。
体をぶつけてしまったり、バランスを崩してしまったり。
決してそれが悪いわけではなく、その失敗があったときに「次はもう少し高くかな?低くかな?」など、子どもが自分なりに体を調整しようとすることでボディイメージが育まれます。
スパーク西京極では、
子どもたちの「やってみたい」「もう一度やりたい」という感情を育てるようなコミュニケーションをしながら、可能な限りダイナミックに動く遊びを取り入れ、時には療育士がおもちゃや遊具になって、子どもたちのボディイメージの形成をお手伝いしています。
療育の様子は ⇩ をご覧ください。
体幹が弱くてじっと座っていられないなど、姿勢に関するお悩みをお持ちのお子様がいらっしゃいます。
どうしたら良いのでしょうか?
ネットで調べると、「お腹と背中の筋肉を鍛える」というお話がたくさん出てきます。
姿勢を保つために、お腹と背中の筋肉が大事なのはもちろんですが、もう1つ鍛えねばならない筋肉があります。
むしろこの筋肉は背中とお腹より重要です。
それが、お尻の筋肉です。
人間が日本の足で立てること、背すじを伸ばして座れることは、サルやゴリラよりもお尻の筋肉が発達しているからです。
背骨の根っこである骨盤や腰部をしっかりと締めてくれるのがお尻の筋肉です。
背骨が木だとしたら、お尻の筋肉は根っこであり、土であり、植木鉢です。
その土台が緩くては、いくらお腹と背中が強くなっても、真っ直ぐ座ったり立ったりすることはできません。
では、お尻の筋肉を強くするにはどんな遊びをしたら良いのでしょうか?
最高のお手本は、お相撲さんです。
お相撲さん、おそらく人類で1、2位を争うくらい体幹が強いです。
そして、見事なお尻の筋肉。
お相撲さんがしていることと言えば、押したり引いたり!
特に押し合いっこは良いです。
お尻に力を入れて、体をまっすぐにしないと強い力が出ません。
スパーク西京極でも、押し合いっこはよくやっています。
手押し相撲でも、普通のお相撲でも、お尻相撲でもなんでもOKです。
遊んでいるときの声掛けとして、
「手はパーでギューってするんだよ!」
「体を伸ばして!」
という一般的なものに加えて、、、
「お尻をギューってするんだよ!」と言ってあげます。
子どものお尻をつついて確認してみるのもよいです。
弱い子は本当にフニャフニャと柔らかい状態です。
力の入れ方がわからない子には、
「うんち我慢するときのギュー!」という声掛けも効果的です。
もし機会があれば押し合いっこ、やってみてください!
もちろん、遊具を使った遊びや、大人をよじ登ったり、ぶら下がったりといった遊びも効果的なので、お相撲に限らず様々な遊びをしていただければなと思います!
近年、運動をすることがADHDと呼ばれる子どもたちにとって効果的だということが分かってきています。
では、運動と言ってもどんな強度、どんな種類の運動を、どれだけの時間取り組めばよいのでしょうか?
米国の研究では1日30分、8週間の運動プログラムをADHDと診断された子ども14人(5~8歳児)に処方しました。
毎回の運動プログラムは下記のような感じ。
・軽く息が弾む程度の運動:心臓バクバクではない
・1~2分のウォーミングアップ
・小集団に分かれての4種類のサーキット
・1つのサーキットを6分(4種類×6分)
・対象物を運ぶ、スキップ、ランニング、ホッピング、クラブウォーキング(四つ這いの反対向きで歩く)などの様々な動き
このような感じで運動プログラムを実施したところ、ADHDと診断された子たちの運動機能、認知機能、ソーシャルスキル、自己肯定感などが向上するという結果が得られたそうです。
なるほど、、、、。
様々な動き、、、
小集団、、、
軽く息の弾むような運動、、、
30分程度の運動、、、
これって、スパーク西京極でしている遊びとすごく似ているではありませんか!
研究のように毎日通っていただくことはできませんが、定期的に運動をすることで同様の効果が期待できます。
こういった効果が出る理由として、最近は運動をすることによるホルモン分泌や神経伝達の影響が考えられています。
人間の体は複雑すぎて、まだはっきりとしたことは理解されていませんが、運動と特性は非常に深い関係性にあることは確かだそうです。
もし、ご家庭でも機会があれば、お子様の興味を持たれた運動や遊びを少しでも一緒にやってみてください。
走ったり、ボールや風船を使ったり、ジャンプ(飛び乗る、飛び降りる、飛び越える)したりといったシンプルな遊びからでも!
参考文献:
Alan L Smith et al: Pilot physical activity intervention reduces severity of ADHD symptoms in young children. Journal of attention disorders 17 (1) 70-82, 2013.
自閉特性を持つ子たちが運動をすることで、運動能力のみならず、ソーシャルスキルも高まるという効果が科学的に証明されつつあります。
ソーシャルスキルは他者と良好な関係を築き、社会に適応していこうという力のことです。
オランダの研究者によって行われたメタアナリシス研究(たくさんの研究結果をまとめて分析したもの)では、16本の研究、133人の自閉症者(子ども~大人まで)に対する運動の効果が分析されました。
研究では水泳、ランニング、サイクリング、筋トレ、ウォーキングなど様々な運動が行われました。
運動の多くは1回につき20~60分、継続期間は2週間から1年間まで様々なものがありました。
結果として自閉症がある人の運動能力に加えてソーシャルスキルの向上効果がありました。
さらに、集団での運動プログラムより、個別での運動プログラムの方が効果が高いということが示唆されました。
(サッカー等のチームスポーツに対する研究が無かったという分析の限界はあります)
研究はあくまでも研究であり、効果を保障するものではありません。
しかし、ここから考えられることは、、、
・定期的な運動が効果的
・個別の方が効果的な可能性あり
・これに加えて丁寧な関わり方をすれば、より効果的?!
スパーク運動療育西京極スタジオでは、60分の運動を主体とした個別療育に加え、療育スタッフや他児との関わりを通じて、自閉特性のある子どもたちの感情、社会スキルの発達を促しています。
お問い合わせや見学等、お気軽にお電話またはお問い合わせホームよりご連絡下さい。
電話:075-754-7278
お問い合わせホーム:https://daiki.kyoto/nishikyogoku/contact
今後もスタジオでの日々や、発達に関する情報を発信していきますので、よろしくお願いいたします!
参考文献
Sowa M, Meulenbroek R. Effects of physical exercise on autism spectrum disorders: a meta-analysis. Research in Autism Spectrum Disorders 2012; 6(1): 46-57.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1750946711001516
スタジオにはADHDや自閉症などの特性に加え、「力が弱い(押したり引いたり)」「歩き方や走り方がぎこちない」「バランスをよく崩す」と言ったお悩みを持つお子さまたちがいらっしゃいます。
そういった子たちを見ていて、ふと気になったことがあります。
「この子たち、よく割座(女の子座り)してない?」
*全員ではありません
というわけで、調べてみました。
まず、割座がどんな状態かと言うと
股関節が大きく内側に捻られ、すねは外側に捻られます。
この状態が続くと、太ももの骨(大腿骨)の捻じれの角度(前捻角)が大きくなってしまいます。
正常な人の前捻角は約15°と言われています。
程よく捻じれているからこそ、人間特有の動きができます。
・程よく体の中心に足が来るから片足立ちがしやすい
・類人猿よりは前捻角が大きいからこそ、股関節を開いて力強い二足歩行ができる
歩くときは、踵からついて、やや外側、最後に親指のつま先、というふうに体重移動をします。
股関節を開けるからこそ、これが出来ます。
割座が習慣化してしまうと、前念角が40°を超える場合もあります(正常15°)。
こういった状態で成長していくと、、、、
・股関節が硬くなる(開けない)
・骨盤や太もも、すねの歪み
・将来的に足首や膝、股関節の痛みが出やすい
・股関節を外に開けないと、お尻に力が入りにくい→お尻の筋肉が付きにくい→体幹が弱くなる
また、普段の歩き方、立ち姿が内股になってしまうことがあります。
内股では地面からの力を伝えにくく、走ったり歩いたり、押したり、引いたりといった基本的な動きも弱くなります。
お尻に力が入らないと、体幹にもスイッチが入らないので、「よくこける」「フラフラ」するといったことにもつながってきます。
内股の子たち、割座をよくしている子たちを見ていると、確かにこの傾向があるなと思います。
子どもによっては、割座のままマットやイスを押そうとして全然力が入っていなかったり、体がすぐに曲がってしまったりしています(胴体を一直線に保てない)。
そんな時は、「しゃがんだ方が良いじゃない?」「立った方がいいんちゃう?」「足の指ついたら強く押せたで!」とスパークらしい声のかけ方でやんわりと伝えるようにしています。
おうちでも可能な範囲で割座が習慣化しないように気を付けてみられてはいかがでしょうか?
正座はなかなか厳しいかも知れませんが、あぐらへの促しが良いかと思われます。
あぐらは股関節を開くので、割座で硬くなった股関節にとって良いストレッチにもなります。
「力が弱い(押したり引いたり)」「歩き方や走り方がぎこちない」「バランスをよく崩す」といったお悩みの原因は、割座以外にもあると思いますが、何か少しでも改善すればなと思います。
赤ちゃんが生まれてから歩けるようになるまでに通る道、ハイハイ。
実はこのハイハイはとっても大切な運動です。
ハイハイがどういう運動か。
人の体は、体幹部(腕、脚、頭を除いた胴体部分)に力が入り、背骨が安定して初めて四肢(腕や脚)がしっかりと動きます。
ハイハイは体幹をまっすぐにし、腕と脚を動かします。
また、腕と足でしっかりと体を支えないと進むことが出来ません。
赤ちゃんは何度もハイハイをすることによって、体幹を安定させて四肢を動かす機能を高めていきます。
この機能は立って歩くことを始め、、様々な運動をする上で基礎となってきます。
また、ハイハイをするときにしっかりと手をパーで地面について、体を支えないといけません。
これは将来的に、こけた際に地面に手をつく動き、押す動きなど様々なシーンに繋がってきます。
ハイハイの期間が短かった、段階を飛ばして立ってしまったなどで、後々響いてくることもあると聞きます。
スパーク西京極でも、トンネルをくぐったり、マットによじ登ったりといった自然な形でハイハイができる遊びに取り組んでいます。
こういった遊びを通じて体幹や手の機能も高まっていくことが期待されます。